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秋鋼  作者: MTL2
293/600

アメリカ支部

九華梨高校


「…蔵波が?」


「あぁ、そうなんだよな」

「家族で旅行だってよ」


少し悲しそうに話す桜見

波斗と熊谷は席に座りながら話を聞いている


「アイツの親父って医者だっけ」

「蔵波は蔵波で医学部目指してるんだったかなぁ」


「い、医者か…」


「将来安泰だねぇ」


「だ、誰がぁ!!」


「はいはい、夫婦惚気は良いから」


「う、うるせぇええええええええええ!!!」


「…にしても、委員長に続いて蔵波まで、か」

「行方不明学級かよ」


「行方は解ってるよね…」



「皆ぁー」


「あ、夕夏さん」

「どうしたの?」


「この前の幼稚園からのお礼」

「幼稚園児が焼いてくれたクッキーだって」


「おー!美味そうだな!!」

「いただきます」


「いただき…、って蒼空」


「何?」


「お前、頭…、どうしたんだよ」


「せ、正常だよ…」


「そうじゃなくて!」

「瘤!」


「こぶ?」


「あー、おっきぃねぇ」


「あぁ、コレな」

「昨日さぁ…、貧血で転んじゃって」


「貧血」


「そう、貧血」

「ゴンッッ!と頭から」


「「「うわぁ~……」」」


「裂けてないからOK」


「痛い痛い…」


「大家さんに怒られちゃった…」


「何やってんのー…」



メールだぞーメールだぞー



「あ、悪い」

「…ちっ、またメルマガか」


(((蔵波ボイスッ…!!!)))











アメリカ


アメリカ支部前


「やっと着いた…!」


「まさか、渋滞で1晩過ごすとはねー」

「案外デコトラの中が快適だったけど」


「だ、大丈夫ですか、火星さン」


「大丈夫……、大丈夫だから…」

「お腹痛い…」


(今回は手加減なしだったわね…)


「受付-」


「はーい」

「…あぁ、元No,4」

「織鶴様ですね」


「ステラは居る?」


「えぇ、いらっしゃいますよ」

「少々お待ちを」


受話器を取り、電話をかける受付

織鶴は火星に車を置いてくる様に指示し、彩愛達は車から降りる




「お待たせしました」

「ご案内します」


「解ったわ」

「行きましょう」


「あ、あの」

「火星さんは…」


「待たせるわ」

「別に難しい書類書いたりするんじゃないんだから」


「そ、そうですか」


「こちらへ」


「はいはい」





廊下


「…何か、殺伐としてない?」


「そうでしょうか」


「もっと活気が有ったと思うけど」


「…何せ、こんな状況ですからね」

「少し人でも足りないのですよ」


「…そう」




支部長室


「ステラ」


「織鶴!久しぶり~☆」


「久しぶり」


「あら?セントちゃんじゃないの」


「お久しぶりです、ステラさン」


「ん~!お久しぶり!!」

「ちゅー♥」


「し、しませン!!」


「つれないわねぇ」

「で?何の用事かしら」


「こっちの用事は個人的なんだけどね」

「総督から厳重体制の理由を聞いてこい、って」


「あー、アレね」

「ちょっと言えないんだけど、色々あってねぇ」


「あの、指名手配犯がどうとか?」


「アレは…、まぁ、間違っちゃないかな」

「詳しくはNGだけど、祭峰側の人間が来てるかも知れなくて」


「…ふーん」


「ま、貴女達には関係ない事よ」


「昕霧は?」


「…No,4?」

「あー…、帰ったんじゃない?」


「そんな報告は受けてないけどね」

「ま、どうでも良いわ」


「あ、あの!ステラさン!!」


「何?セントちゃん」


「ママは…、セント・グランディスは何処ですカ!?」


「…グラン?」


「そ、そうでス」


「…さぁ」

「確か…、何処かの支部に向かったはずだけど」


「で、でも、昨日はアメリカから…」


「------…はぁ~…」

「予定、変わっちゃった」


「エ?」


「織鶴さんッッッッ!!!」


「彩愛?」



ガチャガチャガチャッ


織鶴達に突き付けられる大量の銃口



「…何の冗談?」


「残念よ、織鶴」


呆れた様にため息をつくステラ

森草とセントは恐る恐る両手を上げる


「貴女とは浅い仲じゃなかったし、出来ればこんな事はしたくなかったんだけどね」


「…冗談じゃ」


「ないわね」


「…裏切るの」


「正すのよ」

「曲がった物は撫でても治らない」

「叩かなきゃね」


「無事じゃ済まないわよ」


「もう、無事じゃないのよ」


「…?」


「牢屋に入れておいて」

「事が済んだら解放するから」


「ステラさン!!」

「ママは…!ママも!!」


「…母親に似たわね、セントちゃん」





地下牢獄


ガシャァアアアアアン…



「…はぁ」


投獄された織鶴達

日の光がほんの少しだけ差し込む牢獄の床に織鶴は座り込む


「そんな…、ステラさんが裏切るなんテ…」


「どうして、こんな事を…」


「…予想してたんでしょ、彩愛」


「…はい」


「予想してた、って…」


「…妙だとは思っていました」

「厳重すぎる体制や防衛プログラム」

「繋がらない連絡…、そして異変のない異変」

「ですが…、信じたくなかった」

「疑い続けてしまいました…」


「…仕方ないわよ」

「予想できる事じゃなかったもの」


「えぇ、全くね」

「誰が予想できると言うのかしら」


「「「「!?」」」」


「ハロー、織鶴」


「ぐ、グラン…!?」




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