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秋鋼  作者: MTL2
280/600

Shall We Dance

パーティー会場


2階



ザー…ザー…



「あー、聞こえますか?彩愛さん」


似合わないスーツを着て2階から1階の広場を見渡す波斗

パーティー会場には既に多くの人が集まっており、会食を楽しんでいる

波斗はトランシーバーを手に持ち、双眼鏡で1階を見渡している


『えぇ、バッチリです』

『そちらに異常は?』


「ありませんよ」

「至って普通です」


『そうですか』


「それよりも…」

「織鶴さんが照れ狂って火星さん殴り飛ばしたりしませんかね?」


『断言は出来ませんが…』

『まぁ…、大丈夫でしょう』


「不安だなぁ…」


『それはそうと、しっかり見張っていてください』

『不審な動きをしてる人は怪しいですからね』


「…織鶴さんが一番怪しいです」

「挙動不審ですよ、アレ」


『ツンからデレになっても今まで通りですからね…』


「火星さんがしっかりエスコートしてくれると良いんですが…」


『…それなら安心でしょうね』





1階



「何だ?織鶴」

「緊張してるのか?」


「う、うっさいわね…」


「らしくないなぁ」

「ほら、そろそろダンスが始まるぜ?」


「うぅ…」


「Shall We Dance?」


「…解ったわよ、もう」





2階


「おぉー、凄い」


爛漫に舞う織鶴と火星

その美しい舞踊に周囲からも小さな歓声と拍手が起こる


『流石ですね、織鶴さん』

『こういう場所は慣れてるみたいです』


「ま、相手には慣れてないみたいですけどね」

「顔真っ赤ですよ、あの人」


『可愛らしいですね』


「あの人に一番似合わない言葉なのに、何故か納得してしまった」


『ブッ飛ばされますよ?』






1階



パチパチパチパチ…



「…こんなモンか」


「そ、そうね…」


「どうした?顔が紅いぞ」

「熱が有るなら言ってくれれば良いのに」


「ね、熱なんて無いわよ!」


「お前は無理するからなぁ」

「ほら、具合悪いんなら…」


「う、うるさいわね!!」



ドォオオオンッッッ!!!



「!?」


「お、織鶴…」

「能力を…」


「私じゃないわよ!!」




2階


「何ですか!?この音!!」


『どうやら、真正面から堂々と突っ込んできた様ですね』

『証明を消します』


「そ、そんな事したら!」


『能力を使えなくても良いんですか?』

『貴方の身体能力は常人と変わりないんですよ?』


「う…、解りました」




ブツンッ



「何だ!?灯りが消えたぞ!!」


「おい!警備は何をやってる!!」


「きゃぁああああああああああああっっ!!」



当然、パニック状態に陥る会場内

火星は腰から銃を取り出し、織鶴は周囲を見渡す



「足下の灯りは付いてるわね」


「丁度良いじゃないか」



「あ、あの」

「何が有ったのですかな?」


「依頼人さん」

「そこを動かないで」


「へ?」


「侵入者ですよ」

「俺等2人が貴方を守りますから、絶対に動かないで」


「わ、解った」



ザー…ザー…


「蒼空君」


『何ですかぁーーーーーー!!!』


「うぉっ!?」

「大声出さないで…」


『戦闘中ですよバカヤロォオオオーーーーーー!!!』


「あぁ…、ごめん」

「敵は何人?」


『5、6人!』


「君1人で大丈夫かい?」


『無能力者ですよ!!』

『武器持ってますけど、能力使って大丈夫ですか!?』


「周囲にバレないように」

「一応、処理はするけどデカいのは勘弁してね」


『解りましたぁああああーーーーー!!!』



プツッ



「向こうは大丈夫みたいだ」


「それよりもこっちよ」


ザッ…


織鶴と火星の前に立つ2人組



「真正面から来るのは感心しないわね?」


「貴様等相手に背後もクソもあるまい?」


「そりゃそうね…」


ゴゥンッッッッ!!!


「ぐぁっっ!!」


「!?」


「まずは1人」


「流石…!」

「だが!俺は1人ではない!!」


「あぁ、そう」


パァンッッッ!!


「真正面から来て油断させといて…、後ろからドスッ?」

「在り来たりな手段だな」


「くそっ…!」

「だが!貴様の仲間はどうかな!?」

「あの小僧が殺されたくなければ…」


ザー…ザー…


『火星さぁーん!』

『この人達どうすれば良いですかぁーー!?』


「放置で」


プツッ


「…って事だけど?」


「ば、馬鹿な…」


「波斗も大分、慣れてきたわね」

「…で、どうすんのかしら?」


「く…っ!」

「油断したのは貴様等だ!!」


「…?」


ガッ


「捕まえたぞ!!」


「鬱陶しい」


ゴゥンッッ!!!


「がっ!!」


「今だ!」


織鶴に向けられる銃口


「なっ…!!」


「死ねッッ!!」



ゴンッッッ!!



「ぐぁっ!?」



「大丈夫か!織鶴!!」


「火星…!」


「テメェ等…!俺の仲間に何しやがるッッ!!!」


凄まじい勢いで敵を蹴散らす火星


ゴゥンッッ!!!



「…ったく」


「や、やるわね…」


「…あー、ついカッとなっちまった」

「悪ぃ」


「構わないわよ」


「そうか?良かった」


ザー…ザー…


「蒼空君、こっちは終わったよ」


『解りましたー』


「…それより、大丈夫?依頼人」


「た、助かりました…」

「お強いんですね、ご夫婦揃って」


「ごふっ」


「おや、申しておりませんでしたかな?」

「ご夫婦専用パーティーですぞ?」


「あははは、まさか!」

「俺と織鶴が夫婦なんて」


「…」


「なぁ?織鶴」

「お前なんて俺には勿体ないよ」


「うるせぇええええええええええええええええッッッッ!!!」



ゴォオオオオオオオオオオオオオオオオンッッッ!!!



『ひ、火星さぁぁあああああああああああん!!!』




読んでいただきありがとうございました

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