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秋鋼  作者: MTL2
273/600

水素猛毒素

軍本部


地下4F放送室


「全員!早急に避難しなさい!!!」


ガチャンッ!


「ステラ!ゲートは!?」


「駄目よ、完全にハッキングされてる」

「コードが全部弾かれるわね」

「入り口はあそこ1つなんでしょう?」


「…えぇ」

「非常用が幾つかあるけれど、使えるかどうか…」


「恐らく潰してるだろうな」


「ゼロ!」

「何処に行ってたのよ!!」


「ちと、散歩って所だ」

「侵入者の排除は完了したんだって?」


「えぇ、織鶴が軍本部資料室に居た侵入者を」

「雨雲とクォン、そして元老院直属部下の1人でもう1人をね」


「…元老院直属部下だと?」

「どうして元老院が出しゃばってきた」


「有り難くはあるけど…」

「何ででしょうね?」


「どうせ、ジジィ共が暇潰しの見物だろ」


「有り得るわね」

「それに駆り出される直属部下も気の毒だわ」


ガチャッ


「失礼します」


「あぁ、白月」

「侵入者は?」


「驚くべきでしたが、2名のみかと」

「ゲートは内側から開けられた様ですね」

「カードコードを割り出すにも、現時点はハックされています」

「それに、何よりも問題が…」


「何?」

「火災なら火災感知器が消火するでしょう」


「…毒、です」


「毒?」


「水性猛毒素です」

「医学界でも最近発見されたとされる猛毒」

「肌に浴びるだけで焼け焦げ、骨まで溶かします」


「その毒を侵入者が持ってるのか」


「いえ」

「火災報知器に設置されているのです」


「!!」


「勿論、それだけではありません」

「各箇所に設置された爆弾にも含まれています」


「…マズいわね」

「ホテルのシャッターを全て閉じて!」

「軍本部も!ここの空気を外に逃がしちゃ駄目よ!!」


「了解しました」


「ウェスタ!」


「解ってる!!」


ガチャンッ


「院長!聞こえるか!!」


『あー、あー、うっせぇなぁ』

『んなデカい声ださなくても聞こえてるよ』

『水素猛毒素だろ?治療薬は一時間ありゃ作れる』


「…助かる!」


『金髪美人紹介しろよ』


「断る!」


ブツッ



「問題は響とソルナ!!」

「あの2人は身動きが取れないんだろう!?」


「ソルナはともかく、響には護符術がある」

「位置指定爆弾なんだろう?その場から動かなきゃ良いんなら上半身は動かせる」


「結界さえ張れば毒は防げるわね」

「雨雲とクォンは大丈夫として、問題は…」


「BOX、か」


「彼が避難してれば良いんだけれど、もし気絶してたら…」


「…マズいな」


「俺が行く」


「ゼロ!」


「俺なら大丈夫だろ」

「それに、あの爆発音だ」

「何処かのホテルが倒壊していてもおかしくない」


「…解ったわ」

「気を付けてね」


「あぁ」


「白月は本部内部に被害が出てないかを調査!」

「ステラとウェスタはゲートの修理及び地下精神実験室での機械修理!!」


「「「了解」」」


「頼むわよ…!蜂土…!皆…!!」







精神島


浜辺



「…大丈夫かいな?」


「う…」

「一斑君的な…?」


「的やのぅて俺や」

「何や、妙な事になっとうねん」


「妙的な?」


「空、見てみぃ」

「割れとるねんな」


「!」



まるでガラスを割ったかのようにひび割れている空

その隙間からは闇のような深淵が覗いている



「…何、あれ的な」


「知らん」


「あ!ベルアちゃんは的な!?」


「待ち合わせ場所の西洋街に行っとる」

「シーサーさんの機械使ぅてな」


「生きてる的な?」


「ピンピンしとぅで」


「良かったぁ~、的な!」


「…シーサーさんは心配せんのかいな」


「知った事じゃない的な?」


(ホンマにコンビか…、この2人)




西洋街



「よし、こんなモンか」


「あの、すいません」


「何だい?」


「どうなってるんですか…」

「試験は…」


「今は異常事態だ」

「どうにも、試験は中止だろうね」


「そうですか…」


「ま、余程のことが無い限り再試験だろうから」

「そこで頑張ろう」


「は、はい!」



「火星!!」


「おぉ、鎖基か」

「どうだ?」


「シーサーからの報告にあった通り、人数は集まったぞ!」

「後は西締、シーサー、ベルア、蒼空、一斑だな!!」


「そうか」

「まぁ、彼等なら心配ないだろうが…」

「あの空が問題だ」

「どうなってるんだか」


「解らん!!!」


「あぁ、うん」

「期待はしてない」


「火星さん」


「あ、茶柱さん」

「どうしました?」


「今、シーサーさんから連絡が有ったのですが…」

「蒼空君が謎の女に攫われました」


「!!」


「試験者ではないそうです」

「西締さんもシーサーさんも手も足も出なかったらしく…」


「あの2人が勝てないんじゃ…、ここに居る奴は誰も勝てないか…」


「我は勝てるぞ!!」


「シーサーに負けた奴が何を言う」


「むぅ!!」


「…そうだな」

「茶柱さんと鎖基は引き続き皆を宥めてください」

「俺が蒼空君を助けに行きます」


「貴様では勝てんぞ!!」


「あぁ、解ってるよ」

「だからこそ行くんだ」

「俺程度の実力じゃ相手も普通に話してくれるだろ」

「ま…、虫ケラと同じ扱いをされないこと祈るだけだな」


「そうですか」


「あぁ、じゃぁ行ってくるよ」


「うむ!!!」





山頂


「はぁ…!はぁ…!!」


「大丈夫?」


「何だよ…、コレ…」

「体ん中が空になってく…!!」


「強ち間違っちゃないね」

「エネルギーは私達の命」

「消費し尽くせば死ぬよ-?」


「マジかよ…」


「ま、私も加勢してるから問題なし!」


「でも…、エネルギー消費だっけか」

「それなら皆の力を借りても…」


「あー、無理」

「エネルギーを放出できるのは[私達]だけだから」


「…?」


「特別、って事!」


「それは…」



「蒼空君!」


「!」




ドンッッ



「がぁっ!!」


「なっ…!」


「あ、撃ちゃった」


ドサッ



「お前…」

「何やってんだよ!!!」


「コレはちょっとマズったね」

「敵かと思ったから」


「火星さん!火星さん!!」


「大丈夫」

「治すから」


ブツッ


手首を切り裂く女

そこからは血が溢れ、火星の傷口へと流れ込んでいく


「コレで大丈夫!」

「ま、精神的なダメージだから元から死にゃしないけどね」


「…はぁ」


「それよりも大丈夫かな?」

「集中が乱れてるけど」


「!」

「危ねぇ」


「頑張ってね~」



無型を使ちゃったか

ま、精神世界の中だし問題ないでしょ



パキンッ



「おい!」


「…そろそろ、ね」

「空が割れるわよ」



読んでいただきありがとうございました

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