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秋鋼  作者: MTL2
262/600

暗殺特務の2人

西洋街


「…」


外と隔離した岩壁の中で膝を抱える波斗

悩みに悩んだあげく、彼は待機という戦法をとったのだ


「まぁ、出ても狙い撃ちだし…」



ドォオオオオンッッッ!!


「ぬぇええええええええいっっっ!!」



外から鎖基さんの叫び声と爆音が聞こえてくるのは気のせいとしておこう



ゴゥンッッ!!


「ひっ!?」


「む!久しいな!蒼空!!」

「何故、座っているのだ!?」


「岩壁ぃいいいいいいいいいいいい!!!!」


キュインッッ!


「…外したか」


「シーサー!!」

「堂々と出てきて戦わんか!!」


「…断る」



「き、消えた…」


「暗い奴だな!!」


「て言うか!何で俺の岩壁壊すんですかぁ!!」


「すまんな!!」

「癖だ!!」


「癖で殺されかけたわ!!!」



キキキキキンッッ!!


波斗の腋から足下から股下に刺さる短剣

首元に刺さった短剣には波斗の血が滴っている


「…ッ!!」


彼は急いで岩壁の穴から脱出する


「どうすんですかぁ!鎖基さん!!」


「む!?何がだ!!」


「刺さってる刺さってる!!」

「肩に短剣んんんんん!!!」


「気付かなかったぞ!!」


「大丈夫なんですか!?」


「傷は浅いからな!」


「いや、貫通してますけど!?」


「む!?気付かなかったな!!」


「何で!?」


ぐらぁ~~~っ


「むぅ!?」


ドタンッ


「何で倒れてるんですか!!」


「体が動かんぞ!!」


「…毒だ」

「…動けないだろう」


「おのれ!卑怯な!!」


「…殺しに卑怯も糞も有るまい」


ドスッッ




「うわっ…!!」


「…青いな、小僧」

「…この程度で狼狽えるか」


「世間一般の[小僧]は人の顔面を遠慮無しに潰す人相手に狼狽えますよ…」

「容赦有りませんね」


「…無論だ」

「…暗殺特務部隊、隊長補佐だからな」


「ほ、補佐…!」


「でも私は隊長的な?」


「!」


キインッッ!


「弾かれちゃった的なぁ」


「…出て来たか」


「久々に戦う?的な」


「…良いだろう」


「それじゃ」


キィンッッ!!


「は…、早い」


ギギギギギギギギギギギギギギギギギギ!!



光速の攻防

恐らく刃物と刃物の摩擦音だろう


区切れなく続く音


爪で黒板を擦ったかの様な音



「…!」


一撃一撃のはずなのに

音が途切れない?


っていうか


手が見えない



ギィイインッッ!!


「やっぱり互角的な?」


「…貴様とのナイフを使った勝負で負けた事が有ったか?」


「能力使ってるくせに的な」


「…何の事だか」


にやりと緩むシーサーの口元

西締は少しだけ考え込み、踵を返す


「じゃ、私は別の場所に行く的な?」


「…あぁ、去れ」


「♪」


鼻歌刻みに歩き去る西締

状況の飲み込めない波斗はおろおろと慌てている


「…小僧」


「は、はい!?」


「…西締に着いていかないのか」


「え、えっと」


「…行かないなら殺すが?」


「行きます!!」


「…フン」





西洋街の外れ


「に、西締さん!」


「あ、蒼空君的な」

「無事だった的な?」


「な、何で戦闘を中止したんですか?」


「んー、もう充分だった的な」

「それに、まだアイツが残ってる的なぁ」


「…アイツ?」


「そ、アイツ」


「…?」


誰か残ってたか?

鎖基さんは殺されてしまった

他に人は居なかった


…誰が?




西洋街


「…む」

「寝てしまっていたか!!」


「…死んでいたはずだがな」


「その声はシーサーか!」

「我は生きて居るぞ!!」


「…精神世界だから、か」

「…自覚が無ければ死なないのは当然か」


「む!しまったな!!」

「能力を発動させたままだったか!」


「…小僧に悟られては居ないはずだ」


「それは助かるぞ!!」

「奴は口が軽いのでな!」

「…左が見えん!!」


「…当然だろう」

「…左側は無いのだからな」


「む!?そうなのか!!」

「ハッハッハッハ!!」


鎖基の顔面の左半分はえぐり取られており、ボタボタと血やら肉やらが落ち出ている


「そう言えば貴様にやられたのだったな!!」


「…続きをするか?」


「その為に立ち上がったのだ!!」


「…久しく、本気を出してみてはどうだ?」


「うむ!良かろう!!」



天へと上る炎柱

轟々と燃え上がるそれは鎖基を覆い尽くす



業炎鎧ゴウエンガイ



「…武狼幻界ムロウゲンカイ


それに呼応しシーサーも構えの体制を取る



「行くぞ、シーサー!」

「否、雨雲アマグモ 卯扇ウセン!!」


「…来い」




















草原



「おりゃぁああああああああああああああ!!!!」


ゴガァンッッッ!!!


「っがぁ…」


ドサッ


「っしゃぁあッッ!!」



長きに渡る響とソルナの戦いも、響の勝利で幕を下ろした


「ド阿呆めがぁ…」


しかし響も満身創痍

とても移動できる状態では無い


「くっそ…」


彼はその場に倒れ込み、懐から煙草を探し当てて口へと運ぶ


「火は…、と」


「ここに有りますよ」


「おぉ、すまんの」

「…ん?」


「申し訳ありません」

「的は潰すタチでして」


「茶ば」


ゴキンッッ



「さて、厄介な人が居なくなりましたね」

「次は…、そこに居る火星さんなどお相手していただけますか?」


「…見つかった」



完全に巻き添え状態である



読んでいただきありがとうございました

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