能力者一次試験
地下6F第二能力演習場
251~300番
「ぜぇっ、はぁっ!」
「死ぬて!コレ!!」
ランニングマシンにて走行する一斑
息は切れ、全身汗まみれとなっている
「はい、後5分ですよ-」
「も、もう無理だ!」
一斑の隣の男は諦め、ランニングマシンから降りてしまう
「はい、261番失格です」
ガコンッッ
「え?」
「「「え?」」」
ヒューーーーーーーー…
「ぎゃぁああああああああああああ!!!!」
バタァンッッ!!
「えー、言い忘れてましたが」
「失格となった人は下に行っていただきますので」
「覚悟の方を宜しくお願いします」
「「「うぉおおおおおおおおおおお!!!!」」」
「あ、全体的にスピードが上がりましたね-」
11~50番
「ごぉ…!が…!!」
波斗の全身に装着された重り
その重量は50kg以上である
「耐えてくださいね~」
「重っ…!!」
「布瀬川~」
「何です?西締さん」
「お腹すいたんだけど的な」
「そうですか」
「試験が終わるまで我慢してくださいね」
「ちぇ~」
(何であの人は平気なんだよ…!)
101~150番
「えー、反射神経のテストですよ」
「壁のボタンが点滅しますので、押してくださいね」
「こういうのは得意なのよね」
張り切る森草
四方1mほどの大きめな壁には10個のボタンが取り付けられている
「スタート」
ピンッ
「えいっ」
ポンッ
「簡単♪簡単♪」
ピンッ
「えいっ」
ポンッ
ピピンッ
「2個連続?」
ポンポンッ
ピピピピッ
「よ、4個ぉ!?」
ポンポンポンッ!
ピピピピピピンッッ!
「えええっっ!?」
地下4F放送室
「にゅっふっふ~♪」
「変な笑い方してんな」
「あら、ウェルタ」
「傷は良いのかしら」
「10割お前のせいだがな!!」
「ったく…」
「で?一次試験から飛ばしてるじゃねぇか」
「ま、あのぐらい耐えて貰わなきゃね」
「能力者は能力も肝心だけど、基礎体力がモノを言うから」
「まぁ、能力者組にしろ…」
バキィンッッッ!!!
「「!?」」
「な、何の音だ!」
「…あちゃー」
「こりゃ、やっちゃってるわね」
地下6F第二能力演習場
101~150番
パラパラパラ…
「…あ」
「馬常さん…」
「装置を破壊しないで貰えますか」
「…ごめん」
「やっちゃったねぇ…」
「強化素材で作ってるんですがね…」
「またゼロさんが騒ぐ…」
「いやー…、考え事してたから」
「考え事で装置を破壊されては軍の資金が大打撃を受けますよ」
「仕方ありませんね」
「取り敢えず、馬常さんは別機械で再試験を」
「機械を壊したからって合格にはなりませんよ」
「そりゃ、そうだよねぇ」
「そんなの言ってたら試験会場の大半の機械が壊れるし」
「えぇ、全くです」
「では、お願いしますよ?」
「はいは~…い」
駄目だなぁ…
動揺しちゃってる…、俺
地下3F待機所
「…暇だな」
「暇ね」
「暇だ」
「千両-、お菓子取って-」
「あ、もうお菓子はないですね」
「持って来て貰うヨ-」
「…何だ、この異空間」
「仕方ないでしょ」
「私達の出番なんて無いんだから」
「五紋章捜しに行ってこようかなぁ…」
「テメーはじっとしてろよ」
「幾ら何でも暇すぎんだろ…」
「久々のNo集合でしょ」
「何か話しとかないの」
「無い」
「無いな」
「無いですね」
「無いよ-!」
「無いあル」
「暇人共め」
「あ、そう言えば」
「ゼロさんは拳を痛めたそうですけど、大丈夫ですか?」
「もう大丈夫だ」
「それは何よりです」
「てか、千両」
「テメーは試験に参加しねーのか?」
「私はレウィン様の直属部下で充分ですよ」
「不参加届けも出してきました」
「ふーん」
「ゼロは試験見学しないのカ?」
「身体検査見てもなぁ」
「無能力者の方はトーナメントやってるヨ?」
「注目の試合になったら連絡入れるようにウェスタに言ってあるし」
「抜け目ないネ」
コンコンッ
「ん?誰だ」
ガチャッ
「失礼~」
「「「…誰?」」」
「セント・グランディアで~す」
「グランって呼んでね♪」
「…セントの母親か」
「そうなのよ~」
「ゼロさんに会いたくてね~」
「娘がお世話になってます」
「まぁ、逆に俺が世話して貰ってる状況だがな」
「え?夜の?」
「ぶごはぁッッッッ!!!」
「ちょ!ゼロ!!テメー!!」
「すまん…、吹いた…」
「ウフフフフ♪冗談よ~」
「アンタの遺伝子が娘に遺伝されてない事を祈るぜ…」
「え?やっぱり娘はお祖母ちゃん似が良いの?」
「…」
「そんな恨みを込めた目で見つめないで☆」
「おーい!誰かコイツ追い出せ-!!」
「中華料理食べるカ?」
「あ、いただきま~す」
「ゼロ」
「何だ、ソウ」
「この人良い人ヨ」
「テメェは人を中華料理で判断すんな!!」
「今セント呼ぶから待ってろ!!」
ガチャンッ!!
「ママが迷惑ヲ!!」
「セント~、この人がお父さんになったら嬉しい?」
「ごはぁッッッッ!!」
「汚ねーっつてんだろゼロ!!」
「冗談よ~」
「セント!コイツどうにかしろ!!」
「ゼロさん」
「何だ!?」
「話があるわ」
「セントも来たからね」
「…急に真面目だな」
「言ってくれ」
「結婚式はアメリカ?日本?」
「ま」
「ママァアアアアアアアアアアア!!!!!」
「黙れぇえええええええええええええ!!!!!」
「暇しなくて済みますね」
「うん!」
読んでいただきありがとうございました