エレベーター内にて
軍本部
1F受付
「…」
カタカタと忙しそうにPCに文字を打ち込んでいく受付嬢
そこにはホテルにチェックインした人々の名前がずらりと並んでいる
尤も、その多さを捌いているのだから瞬きの暇すらない
カタンッッ
「ふぅ…」
モニュッッ
「ひゃうぅうんっっっ!?」
「あ、サイズ上がった的な?」
「でも…、この大きさはパッド的な?」
紅葉色の長髪と目
すらりと長い体と手足
少し大きめの胸
そして、背中に背負った包帯で巻かれた巨大な何か
「や、やめ」
ムニュモニュムニュ
「あっ、あっ…」
「♪」
段々と、受付嬢の顔が紅く紅く紅潮していく
クリッ
「んぁっ!!」
淫らな女性の手使いによって、受付嬢の体はびくりと跳ね上がる
ゴンッッッッ!!!
「ながっっっっ!!」
突然、響く鈍々しい音
続いて、女性は地面に叩き付けられる
「…迷惑をかけたな」
「えっ、えっと…」
「何をする…、シーサー…、的な…」
「…貴様は女に襲いかかる癖を止めろ」
「…性癖については言わんが、この行動は人の道を外れかけるぞ」
「…西締」
「酷い的な」
「私のポリシーは[合意の上]!」
「コレはそのための前戯に過ぎない的な!」
「…その前戯が本番になりかねない、と何故解らんのだ」
「…迷惑をかけたな、受付嬢」
「い、いえ…」
「堅い的な」
「雨雲でも、そんなに堅く」
「あっ」
「あっ」
「…雨雲と鎖基か」
「あーーーーまぁーーーぐぅううーーーもぉおおおおーーーー♥!!」
「…ッッッ!!!」
ドンッ!!
「…逃げたな」
「逃がさない的なっ♥」
ヒュンッッ!!
「久しいな!シーサー!!」
「…久しいな、鎖基」
「…質問なのだが」
「む!?何だ!!」
「…枯木は居ないのか」
「楓は先にホテルに避難しているぞ!!」
「…懸命な判断だな」
エレベーター内
5から4を指すエレベーターの表示
その内にはゼロ、ソウ、布瀬川が乗っている
「それにしても試験、ネ」
「先代と違って面白い事を考える総督ダ」
「まぁ、総督はそういうのは好きですから」
チンッ
4Fで停止するエレベーター
開いた扉から、セントが乗ってくる
「おぉ、セント」
「あ、ゼロさんに布瀬川さン」
「それト…?」
「No,6のソウ・テイル言うヨ」
「よろしくネ」
「はい、よろしくお願いしまス」
「あ、そうダ」
「ゼロさん、もう森草さんの家は閉めましたから荷物ハ…」
「あー、こっちでレンタルするから気にすんな」
「前に貸し切ってたホテルの部屋に荷物があるはずだ」
「こ、この子が同居してる子カ!?」
「メチャ美人じゃないカ!!」
「ど、どうモ…」
チンッ
3Fで停止するエレベーター
開いた扉からは全力疾走の雨雲が入ってくる
「お、おぉ!?」
カチカチカチカチカチカチカチカチカチッッッ!!!
「そ、そんな[閉]ボタンを連打しなくても…」
「何を急いでんだ」
「ボタンが壊れちゃうヨ?」
…………ーーーぐぅううーーーーもぉおおーーーー!!
「おい!早くしろ雨雲!!!」
「もっと押してください!!早く!!」
「ゼロ!能力ネ!!」
「能力で扉が閉まる速度を上げるあるヨ!!」
「そうか!!」
「閉まれぇええええええええええええええ!!!」
バタァンッッッッッッ!!!
「ぜぇーはぁー…」
「ぜぇー…はぁー…」
「危なかったですね…」
「全くだ」
「ゼロ、ナイスネ」
「でも、白髪が増えてるヨ」
「…戻しておくか」
「すまない、助かった」
「いや…、お前も災難だな」
「心中察するぜ」
「10Fぐらい押しとくか」
ポチッ
「…あぁ、感謝する」
「え、えっト?」
「…そうか」
「セントさんは知りませんでしたね」
「先刻、追ってきていたのは西締 酉兜」
「変態だ…」
「暗殺特務部隊でも突出した実力を持ち」
「暗殺特務部隊でも突出した変態ネ」
「…要するに」
「「「変態だ」」」
「女性限定だけどネ」
「でも、それならどうして雨雲さんが追われているんですカ?」
「…例外で、な」
「コイツは昔から奴との付き合いが長く…」
「事有る度に変態行為を受けてきたらしい」
「やめてくれ…、ゼロ」
「思い出したくない」
「…す、すまない」
「そんなに恐ろしい方なんですカ?」
「他人事のように言ってるけどネ」
「君も女性だヨ」
「…?」
「夜、絶対に部屋の鍵を閉めろ」
「出来ればチェーンもやっとけ」
「そ、そんなにですカ…」
「奴の恐ろしさを甘く見るな」
チンッ
「っと、10Fか」
「俺は、もう階段で降りるが…」
「お前等はどうする?」
「少しキツいですが、私も階段で下りましょう」
「俺もそうするネ」
「私もそうしまス」
「…俺も、そうしよう」
「1人より貴様等と居た方が安全だな」
「えぇ、そうでしょうね」
「それにしても、布瀬川」
「10Fぐらいでキツいって何だ」
「私は運動は出来ませんよ」
「全く、セントでも…」
ガシッ
「見ぃいいいいいいいいいいつけたぁあああああ的なぁあああああああ♥」
「「「「「ギャァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」」」」」
「せいっっっッ!!!」
ドゴンッッッッ!!!
「ぐぁっ!?」
「閉めろォオオオオオオオオオオオオオ!!!」
バタァンッッッッ!!
「…」
「…」
「…」
「…」
「…」
「…10Fまでエレベーターより早く?」
「ゼロさン」
「…何だ、セント」
「ホテルは扉のロックが一番強い所に移動して良いですカ…」
「…あぁ、許す」
チンッ
「あ?」
「11F以降、全ての階で停まるようになってル…」
「どうやってんだ!?あの女!!」
「…皆さん、私に提案があります」
「…期待できるのか?布瀬川」
「えぇ、確実に」
「教えてくれ」
「いえ、実戦しましょう」
「雨雲さん」
「何だ?」
ウィイイーーーン
「えいっ」
ドゲシッッ
「えっ」
「「「「えっ」」」」
バタンッッ
「お前…、雨雲を外に…、蹴り出し…」
「さて、1階に行きましょうか」
((鬼ダ…))
読んでいただきありがとうございました