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秋鋼  作者: MTL2
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水族館

水族館


「わー!凄い!!」


「綺麗だね」


「美味しそう!」


「美味しそう!?」


「あの魚は食べては駄目ですよ」

「毒を持っていますから」


「え~…」


「(服引き服引き)」


「どうしたのです?リンデルちゃん」


「(指さし)」


「言わないと解りませんよ」


「…」

「あ」

「あれ…」


「あぁ、あの魚ですか」

「オジサンです」


「おじさん…?」


「私ではありませんよ」

「オジサンという魚です」


「オジサン…」



「…ン?」


「どうした」


「いや、幸せそうな家族を見ただけダ」


煙草を吸う男


背中半ばまで届きそうな水色の長髪

線と思うほど細くつり上がった目

青い布地に金色の龍の刺繍の入った服


「幸せな家族、か」

「こんな所だから、当然だろう」


その男の隣に立つ、もう1人の男


深い黒翠の短髪

髪と同じ、深緑の目

黒く真新しいスーツ


「それもそうカ」

「で、場所は何処だっタ?」


「お前が迷ったんだろうが!」

「ったく、何でNoが軍本部の場所を忘れんだよ」


1人は長椅子に座り、もう1人はその隣に立っている


「いやぁ、来るの久々だシ」

「いつもはお前に案内して貰ってただロ?」


「方向音痴が」


「否定はできないネ」


「まぁ、それで水族館で休憩するってどうなんだよ」


「この前、来た時にNo,3に教えて貰っタ」

「ここの食堂には中華料理が有ル」


「中華料理目的で水族館に来る奴はお前ぐらいだろうな」


「だろうネェ」



ピンポンパンポーン


『午後1時からイルカショーが始まります』

『ご覧になりたい方はいるか広場までお越しくださいませ!』


「イルカショー!」


「良いですね」

「見に行きますか?」


「うん!」




イルカ広場


「こ、ここでイルカショーがあるんですか」


「あぁ、そうだよ」

「楽しみかい?」


「は、はい!」


「楽しみ-!!」


「おやおや、席がありませんね」


「「えっ」」


「立って見るのもなぁ…」

「そうだ!狼亞ちゃん、リンデルちゃん」


「何?みくりお姉ちゃん」


「僕の膝においで」


「で、でも」


「大丈夫!コレは特注なんだ」

「ちょっとやそっとじゃ壊れないよ」


「うん!解った!」

「行こ!ろあちゃん!!」


「う、うん」




「えへへへ」


「…♪」


ちょこんと美栗の膝上に座る狼亞とリンデル

端から見れば仲睦まじい母子の様である


「イルカショーが始まるよ」


「わーい!」


「わ、わぁーい」


「楽しみですねぇ」





河沿いの道


「イルカショー見たかっタ」

「中華料理食べたかっタ」


「仕方ないだろ、白月から連絡入ったんだから」


「タイミング悪いのよナ-」


「昔からだ」

「…っと、客だぜ」


2人の背後から現れる数十人の男達

凶器こそ持っていないが、異常に殺気立ってる


「探したぜぇ…!No,6…!!」

「ソウ・テイル!!」


「…ったく、うぜぇ」

「能力者だな」


「あー、良いよ良いヨ」

「俺が相手すル」


「良いのか?ソウ」


「場所が良いネ」

「早く軍食堂で中華が食べたイ」


「かかれッッッッ!!!」


「「「うぉおおおおおお!!!!」」」


「水場の近くで俺に喧嘩売るとは馬鹿だネ」

「少しは相手を研究したらどうカ?」


「死ねぇええええええええええええええ!!!」


「[水零結晶]」
















「久々の腕鳴らしも終わったシ」

「そろそろ行くカ」


「…コレ、どうにかして行けよ」


「ン-?」


無惨に散らばった死骸

手足は千切れ、頭は消し飛んでいる


そして、何より



河が凍てついている



「河も元に戻せ」


「仕方ないナ」


手を払うソウ

それと共に河の氷は溶け、水と化す


「死体は…、そうだネ」

「塵にでもしようカ」


ジュゥウウウゥウウッッッ!!!


熱く熱した鉄板に水をかけた様な音

それを合図に死骸はミイラの様に乾涸らびていく


「後は水に沈めとけば大丈夫なはずダ」


「…大雑把だな」


「ザックリとした性格だと言って欲しいネ」

「それじゃ、そろそろ行こうカ?」

「ロ・クォン」


「…あぁ、そうだな」




車内


火星の運転する車に乗る5人

織鶴、彩愛、鉄珠、波斗、一斑

彼等は波斗と一斑をマンションに送るため、走行していた


「…No全員収集か」


「取り敢えず、ノアは来ないわね」


「ノア…?」

「何処かで聞いた様な…」


「アレや、アレ」

「No,5の」


「あー、なるほど」

「どうして来ないんですか?」


「アイツは働き過ぎって程、働くのよ」

「今回もどーせ重要任務取って来れないわよ」


「そうなんですか」


「あの、新しぃに入った言うNoも見てみたいなぁ」

「No,7やろ?」

「暗殺特務部隊の」


「…暗殺特務、と言えばアイツも来るんだよなぁ」

「鎌斬の」


「…嫌な事思い出させないでよ、火星」


「…すまん」


「な、何か有ったんですか?」


「別に」

「夜這いかけられただけよ」


「織鶴さんに夜這い!?」

「そんな命知らずが居たんですか!!」


「夜這いなら俺もかけた事あるぜ!」


「よく死にませんでしたね、鉄珠さん」


「太平洋の海底ってな、綺麗なんだよ」


「あぁー…」


「…ま、会えば解るわよ」

「アイツがどんな人間か」


「…鎌斬って何や?」


「あぁ、俺達と同じ軍公認の組織な」

「名称が[鎌斬]」

「メンバーは2人」

「西締 酉兜とシーサーだな」


「何で暗殺特務部隊が関係あんねん」


「あぁ、アイツ等はちょっと特殊でな?」

「暗殺特務部隊であり鎌斬であるんだ」


「2つに属しとる、って事か」


「簡単に言えば暗殺特務部隊でコンビを組んでて、その名称が…」


「鎌斬って事やな?」


「そうだ」


「…で、夜這いをかけられてどうなったんですか」


「流石、暗殺特務…、ってトコだったわね」

「体に触られるまで気付かなかったわ」


「ど、どうなったんです…?」


「ワンパンで沈めたわよ」


「ですよねー」



読んでいただきありがとうございました

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