翌朝呼び出し
翌朝
マンション
302号室
「ふぁぁ…」
「よく寝た」
「寝過ぎや」
「もう9時やで」
「いやー、昨日は夜更かししてたから」
「一斑は平気なのか?」
「響さんに付き合っとったら深夜やザルやで」
「はぁー…、ほなけど疲れたわぁ」
「狼亞ちゃんとリンデルちゃんは?」
「まだ寝とるで」
「火星さんは?」
「朝早ぅに何処ぞ行ってしもうたがいな」
「そうか…」
「ほんでな、今日は何処ぞ行こうや」
「俺等が居れるんも今日が最後やし」
「そうだなぁ」
「何処に行こうか…」
「おはよ~」
「お早うございます、美栗さん」
「…釜藁さんは?」
「ここに居ますよ」
「あぁ、台所に」
「珈琲でも飲みますか?」
「いただきます」
「…うん」
「美味しい」
「それは何よりです」
「…さて、今日はどうしますか?」
「釜藁さん、お仕事は?」
「無いですよ」
「久々の休みです」
「ほりゃ、丁度良ぇわ」
「実は今日は出かけようと思うてなぁ」
「良いですね」
「何処に行くんです?」
「水族館とか、どうや?」
「水族館、か」
「僕は大丈夫だよ」
「俺も今日は休みです」
「ワイは旅行に来とるワケやからなぁ」
「あの子等も喜ぶでしょう」
「では、そうしますか」
「「「おー!」」」
prrrrrr
「はい、もしもし?」
『あぁ、波斗』
「織鶴さんですか」
『…ちょっと、来てくれない?』
「万屋にですか?」
『えぇ、そうよ』
「いや、でも…」
『重要な話』
『一斑も連れてきなさい』
「…解りました」
プツッ
「はぁ…」
「どうしたんだい?」
「すいません、呼び出しくらいました」
「急用かい?」
「はい…」
「…そうか」
「んー、アイツ等に留守番にさせるんもなぁ」
「ほうや!釜藁さん、美栗さん」
「頼んで良ぇかいな?」
「何だい?」
「何です?」
「アイツ等を水族館に連れてって欲しいんや」
「俺等は行かなアカンし…」
「あぁ、私は構いませんよ」
「僕も構わない」
「娘が2人できたみたいで楽しいかな♥」
「…娘?」
「まさか…」
「ち、違うよ!?」
「あくまで助手とやちょうっ!?」
(噛んだ)
(噛んだな)
(噛みましたね)
「…」
「うぅ…」
「ほらほら、泣いてはいけませんよ美栗」
「一斑君、私達はあくまで…」
「助手と雇い主、やろ?」
「家族ですから」
「「えっ」」
「…では、狼亞ちゃんとリンデルちゃんを起こしてきましょうか」
バタンッ
「…」
「…」
「あうぅ…」
「…美栗さん」
「ゴムは使いましたか」
「違うからっっっっ!!!!」
万屋
カランカラーン
「…来たわね」
「一斑と…、誰?」
「ビンタされ過ぎて顔が変形した蒼空や…」
「ほうほ」
「…何やったの」
「で、話って何ですか」
「軍からメールが来てね」
「その内容に着いてよ」
「彩愛」
「はい」
「今日の深夜、軍からメールが来ました」
「内容はズバリ[No選抜試験]です」
「No選抜試験?」
「No,2の裏切りによってNoが空きましたからね」
「それを埋める為、No,7を選抜する試験です」
「って事は他Noは繰り上げか」
「はい、そうなるでしょうね」
「ほなけど、ほれだったら俺や蒼空、織鶴さん以外の秋鋼の皆にも関係無いやろ?」
「確かに能力者に限った話だし、俺達じゃ実力不足だよな」
「それが、そうもいきません」
「「「?」」」
「今回の[試験]には一斉能力検査も含まれています」
「つまり、全員強制参加!」
「辞退できるのはNoのみです」
「…マジか」
「マジです」
「その、一斉能力検査って何ですか?」
「ありゃ、蒼空は受けた事が無いんか?」
「いや、受けるも何も…」
「存在すら知らなかった」
「不定期だものね」
「一斉能力検査っていうのは軍の戦力を測る検査よ」
「無能力者も能力者も公認も軍属も関係無く」
「全ての軍関係者が受ける検査」
「主に大事が起こった際に多いわね」
「ほんで終わった後にゃパーティや!」
「あの飯が美味ぁてなぁ!!」
「そうなんだよ!」
「パーティでの飯は最高に美味い!!」
「それよりも!それが始まる期間が大事なの!!」
「いつですか?」
「来週」
「言うなれば明日よ」
「えっ」
「えっ」
「えっ」
「えっ」
「…準備しなさい」
「そんな急な!」
「狼亞ちゃんとリンデルちゃんを釜藁さん達に任せてるのに!!」
「任せてるの!?」
「釜藁って誰?」
「知らんのか?鉄珠さん」
「いや、ロリコンおっさんって事以外知らないし」
「水族館に行く予定を立てまして!」
「あの2人と!?」
「探偵業をやっとるみたいでな」
「探偵か~」
「いや、狼亞ちゃんとリンデルちゃんを連れて6人でですね」
「あぁ、なるほど」
「ほんで同居しとる人も居ってな」
「え?美人?」
「黙れッッッッッッッッッッッッ!!!!」
「「「「はい」」」」
読んでいただきありがとうございました