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秋鋼  作者: MTL2
24/600

能力のコントロ-ル

「能力の制御ですか…」


「そうなんです」

「蒼空君の能力の制御を指導してい貰えないかと」


「まぁ、織鶴さんの頼みですし断れませんね」

「解りました、引き受けましょう」


「ありがとうございます!」


「狼亞、それを食べ終わったら片付けてくださいよ」


「あ、良いですよ」

「俺がしますから」


「いえいえ、火星君」

「客人にそこまで…」


「お願いする立場ですし」


「そうですか」

「では家事洗濯掃除料理薪割り風呂沸かしお願いしますね」


「遠慮ってモンをしりませんね」


「それはどうも」

「狼亞、火星君に色々と教えて貰いなさい」


「は-い!パパ!!」


タッタッタッタ…


「良い子ですね」


「そうでしょう?」

「さて、君の名前をまだ聞いてませんでしたね」


「蒼空 波斗です」


「蒼空君ですか」

「能力の性質を教えて貰っても?」


「能力は特殊系です」

「物を変形させます」


「発動条件は出血ね」

「うん、解った」


「え?」

「どうして…」


「私も能力者でね」

「相手の心が読めるだけの能力なんですが、聞くのが面倒なので読みました」


「…」


「「初めから読めば良かったのでは?」」

「まぁ、そうですね」


「…」


「「修行とはどの様な事を?」」

「見てのお楽しみです」


「「娘さんを俺にくだ」…」

「死にたいのですか」


「コレはジョ-クです」



裏庭


「さて、まずは…」


切り株に刺さっていた鉈を引き抜く奇怪神


「自己紹介からしましょう」

「私は奇怪神キケガミ 怪異カイイ

「能力は念力系、相手の心を読みます」


「俺は先刻言った通りです」


「駄目ですよ」


「?」


「これから修行と言うことは互いに信用する身」

「ですから、キチンと言わないと」

「作法みたいな物です」


「は、はい」

蒼空アオゾラ 波斗パト

「能力は特殊系、物を変形させます」


「よろしい」

「では、手を出してください」


「え」


「手を」


奇怪神の持った鉈が怪しく光る


「…えぇ」


「少し切るだけですから」


「は、はい…」


プツッ


(怖かった…)


「でしょうね」


「…読みますね」


「読みますよ?」

「さて、ではこの木くずを変形させてみてください」


「は、はい」


バチィイイン!!


「…こんな感じです」


「能力は自由に発動させれるんですね」


「そのくらいは」


「しかし形がねぇ」

「凹凸型ですか」


「この前は敵に当たったんですけど…」

「自由に形を変えるなんて事、出来ます?」


「出来るますよ」


「!」


「それでこそ戦闘でも充分役に立つ」

「攻防両方に徹する事も出来ますし」


「ご指導、お願いします!」


「うん、じゃぁ…」

「この木」

「この木で文字を作ってください」


「文字?」


「KIKEGAMIで」

「AOZORAとも作ってくださいね」

「序でにROAとHIBOSHIも」


「スペル?」


「そうです」

「結構難しいんですよ」


「や、やってみます」


「うん、頑張ってください」




数時間後


「はぁ…!はぁ…!!」

「幾らやっても凹凸にしかならない…」


「難しいですね」


「どうやって調節させれば…」

「奇怪神さんは能力をどの様にコントロ-ルしたんですか?」


「私は感覚ですね」

「こう…、ぐぅあ~っと」


(何という抽象的な説明)


「具体的にも説明できませんので」


「何処まで読むんですか!?」


「ハッハッハ」

「さて、そろそろ時間ですので私は失礼しますよ」


「時間?家事ですか?」


「いえ…、家事は火星君達に任せてますので」

「目を取り替えるんですよ」


「目?」


「昔、ちょっとドジを踏んでしまいまして」

「片目を…、ね」


「そうでしたか…」

(深くは聞かない方が良いよな…)


「物解りが良くて助かります」


「また読みましたね?」


「ハッハッハ」


「発動条件って何ですか?」

「無闇矢鱈に使いまくってますけど」


「使ったら疲れる」

「以上」


「…以上ですか」


「以上です」

「元からそんなに強い能力でもないので、発動条件も大した物じゃ有りません」


「出血…」


「まぁ、良いじゃないですか」

「それより能力コント-ルの修行を」


「は、はい」


バチィイイン!


「…むぅ」



台所


「ここをこうやって切るんだ」


「こう?」


ストンッ


「そうそう」

「刃物は危ないから気をつけてね」


「うん!」


「娘がお世話になってますね」


「奇怪神さん」

「どうですか、蒼空君の調子は」


「芳しくないですね」

「やはり難しい様ですし…」


バチィイイイイイイイイン!!!


今までとは比べものにならない程の音が山中に響く


「「「!」」」


「蒼空君の能力発動時に鳴る音だ!!」


「急ぎましょう!!」



裏庭


「…!!」


「コレは…、一体」


天高くそびえるオブジェクト

針山の様に刺々しくは有るが、地面から盛り上がったそれは真っ直ぐに天を差している


「地面…?」

「蒼空君、コレは…」


「つ、疲れたので地面に手を着いたら…」

「こうなりました…」


「…何か変わった事は?」


「秋鋼の皆さんを考えてて…」

「今頃、何をしてるのかな-、と」


「それで?」


「織鶴さんの事が頭に浮かんだので…」

「キツイ性格だなって思ったら…、コレに」


「コレ…」

「…そういう事ですか」

「解りました、はいはい」


「?」


「イメ-ジですよ」

「イメ-ジ」


「いめ-じ?」


「恐らく、蒼空君の能力で形を司るのは厳密なイメ-ジです」

「何も考えなければ、凹凸型になってしまうんじゃないでしょうか?」


「…つまり?」


「そうですね、この木くず」

「変化させてみてください」


「はい」


バチィイイイン!


「…やっぱり凹凸型ですよ」


「次はこの木を」

「火星君を見て、火星君をイメ-ジしてください」


「火星さんを…」


波斗は火星をじっと見つめ、木を握りしめる


バチィイイン!!


「え?」


確かに変形したのだが


「「「「…座布団?」」」」


「何で?」


「俺を想像して座布団?」

「何で?蒼空君」


「何となくなんですが…」

「…よく解りませんね」


「むぅ」

「…あぁ、なるほど」


「解ったんですか?奇怪神さん」


(蒼空君、蒼空君)


ちょいちょいと波斗を手招きする奇怪神


「?」


(私は解ったよ)


(何でだったんですか?)


火星→女性陣に尻に敷かれている→尻に敷く→座布団


「OK?」


「納得です」


「何だったの?パパ」


「まだ狼亞が知るには早いよ」

「かなりね」


「俺には教えてくれても…」


「俺の尊厳とかが掛かってますので諦めてください」


「あ、あぁ…」


「だけど、コレでハッキリした」

「イメ-ジが大切なんだよ」


「イメ-ジ…」

「その変形させる形をイメ-ジしないと、その形にならないって事ですか?」


「そういう事」

「そうだね、先刻行ったスペルがどうして形にならなかったのか」


「…イメ-ジとか全くしてませんでした」


「だろうね」

「じゃ、やってみようか」


「は、はい」


バチィイイイン!!


「…おぉ」


見事にKの文字が木から出来上がる


「出来ました!出来ましたよ!!」


「ちょっと歪だけど大丈夫かな」

「後は実戦だよ」


「はい!」


「はい、残りもやってしまおうか」





「…ふぅ」

「手が痛いですね」


「後で治療しなきゃね」

「それにしても見事だ」


KIKEGAMI

ROA

AOZORA

KASEI

のスペルが出来上がる

計22個のスペルとも少し歪だが、原型は有る


「わ-い!!」


「やっと出来ましたよ」


「え?」


「狼亞がテレビで見たのか、自室の扉に英語のスペルが欲しいと言い出しまして」

「私も忙しく作れなかったのですが…、ありがとうございます」


「それでコレを…」

「…まぁ、俺の能力コントロ-ルが出来たのも奇怪神さんの御蔭です」

「ありがとうございました!!」


「いえいえ」

「どうぞ、この木スペルは持って帰っちゃってください」


「記念に頂きます!」

「火星さんも!どうぞ」


「うん、誰もツッコまないんだけどね」

火星カセイじゃなくて火星ヒボシだから」


「…テヘッ☆」


「確信犯だろ、オイ」


読んでいただきありがとうございました

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