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秋鋼  作者: MTL2
235/600

都市伝説

路地裏


「ーーーっ!ーーーーっ!!」


口を押さえ、壁に寄りかかる詐欺師の男

その息は荒く顔は酷く青ざめている


軍最高責任者ッ!布瀬川 蜂木…!!

最上級能力犯罪者にして最大反軍勢力リーダー、祭峰 悠拉!!


何であの2人が対談してんだよ!!


いや、何よりもッッ!!


[躯]っつたのか…!?


あのハアラって女は!!

[躯]と…!?



[核]と[躯]



都市伝説だろ!?あんなモン!!




[核]と[躯]


俺達の間では有名な都市伝説



過去


軍のNoが8人居た頃


No全員にある指令が下された


2人組の能力犯罪者を殺せ、と



たった2人に軍最強能力者集団全員が駆り出されるのだ

有り得ない

その2人はどれ程の犯罪者なのだ


とは言え、相手も人間

負けるはずが無い





だが





Noは全滅した



「…証拠も記録もねぇ都市伝説」

「何処かの馬鹿がNoも最強じゃねぇ、って生み出した与太話」


のはず


「実在したってのか…?」


No全員をぶっ殺しちまうような


化け物が



「…」


あの餓鬼も何者だ?

何であの2人と話してる?

餓鬼を気絶させた女は?



…駄目だ、

ワケ解んねぇ


不明白な思考の繰り返しでしかない


考えるだけ無駄


考えるだけなら、な


このテの情報を欲しがる奴はごまんと居る

売れば大金が手に入るッ!!!


ソウトクハ[カラダ]ダ


この!たった9文字で!!

何百万もが手に入る!!!


「くっくっく…!」

「はっっはっっはっはっはぁ!!!」


また遊んで暮らせるぜ!!

最高だ!最高だ!!

ミミズで鯨を釣った様なモンだぁ!!


「最高の!情ほ」


「盗み聞きは良くねぇなァ?」


ガンッッッ!!


「がっ…!!」


男は壁に叩き付けられる

ギリギリと喉を締めつけられながら


「テ…!メェはぁ…!!」

「祭峰ェ……!!」


「お前がコソコソ聞いてたのは知ってんだよ」

「何処から何処まで聞いたんだかな?」


「あ…!がぁ…」


「まぁ、関係ないか…」

「…あぁ、良い事を教えてやろう」


ミシミシミシミシ


(息……が…………)


「[核]と[躯]…」

「奴等が現役時代だったら俺でも勝てねぇよ」

「何が言いたいか解るか?」

「[核]と[躯]は都市伝説でも何でもねぇ」

「事実だ」


「…!!」


「そして、それを殺した男が居る」


「誰…が…!」


「…」


祭峰はぼそりと男に何かを耳打ちする

男は目を見開き、息する事のない口から声を振り絞る


「そ……ん………!!」



ゴキンッッッ



「この情報の対価は命だ」

「安いモンだろう…?」















喫茶店


ロッカールーム


「…うっ」

「うぇ…、気分悪い…」

「…何処ここ」


起き上がる波斗

多くの並んだロッカーの中心の長いすに腰掛けており、毛布までかけられている


「あ、起きた?」


「…鉄珠さん?」


「ほい、水」


「ど、ども…」

「俺は何で…」

「確か…、路地裏に入って…」

「…それから?」


(そこから記憶が無いのか…)

「…熱中症だぜ」

「ぶっ倒れてるのを見つけたんだよ」


「うわ…、マジですか」

「すいません、迷惑かけて」


「なぁーに、気にすんな」

「休む口実になったしな!!」


「前言撤回で」


「撤回するなよ!!」


「で、ここは何処ですか?」


「あぁ、喫茶店のロッカールーム」


「何でそんな所に?」


「ここ、俺の知り合いの子が勤めてるし」


「知り合い?」


「そう、知り合い」


「女性?」


「女性」


「ナンパした相手ですか」


「…何で解ったの」


「貴方に関わる9割の女性がナンパされた人だと思ってますから」


「酷くない!?」



ガチャッッ


「失礼します」


ドアを開け、入ってくる女性


金色のショートヘア

翠色の目

黒いスーツを来ており、革靴を履いている



「…えっと?」

「あ!喫茶店の従業員の方ですか!!」

「すいません!すぐに出て行きますんで!!」


「いいえ、違います」


「え?違うんですか?」


「違いますよ」

「軍情報収集部隊所属、ハアラ・パピヨンです」


「ぐ、軍の人ですか…」

「何かご用件でも?」


「お知らせに上がっただけですよ」

「貴方、秋鋼に依頼が有ったと思うのですが」


「あぁ、詐欺師捜しですか」


「その詐欺師が殺害されているのが発見されました」


「「!」」


「路地裏で首の骨を折られて即死だった様ですね」


「…うわぁ」

「でも、どうして解ったんです?」

「確か姿も性別も解らないんじゃ…」


「軍の能力犯罪者名簿に下級として登録されていましたので」

「姿形を変える能力だった様ですし、前科から見ても間違いないかと」


「そうなんですか…」

「鉄珠さん、コレって任務成功ですか?それとも失敗?」


「…」


「…鉄珠さん?」


「…Aだな」


「はい?」


「貧乳も守備は」


ゴッッッ!!!


「すいません、処分しますんで」


「は、はい…」



ガチャッ


「あのー…」


「はい?」


「あぁ、目覚めましたか」

「気分はどうですか?」


「えっと…、喫茶店の方ですか?」


「はい、そうですよ」


「あぁ、お世話になりました」


「いえ!鉄珠さんのお知り合いですから」


「今度、お礼にデート行こうな-!!」


「は、はい♥」


(復活早ぇな…)


「…では、私は失礼します」


「あぁ、ハアラさんもお世話になりました」


「いえ、こちらこそ」


(こちらこそ…?)


「では」


バタンッ


「んじゃ、俺も帰るかな」


「俺も帰ります」


「あ、あの」


「何ですか?」


「ご精算をお願いします」


「…はい?」


「…」


ダッッ


「逃がすか」


ガッッ!!


「ご精算とは?」


「え、えっと…」

「日替わりランチとコーヒーセット」

「特性ケーキが2つです」


「…」


「…」


「…おい」


「し、知らない」

「ハアラが食ってたんだよ!」


(こちらこそ…、ってのはそういう意味か)

「鉄珠さんは?」


「た、食べてない」


「はい?」


「食べてな…」


「はい?」


「いや、だから…」


「はい?」


「…日替わりランチ食べました」


「払っとけ」


「はい……」



読んでいただきありがとうございました

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