引っ越し完了
マンション
301号室
「…荷物が届いてる!!」
「思ったより、早く届いたね」
「いやー、助かります!」
「これで何もない部屋とはお別れですね!」
「そう言えば、この前の夕ご飯はどうしたんだい?」
「隣にお邪魔してごちそうになりました!」
「そ、そう…」
「角部屋だから、妙な騒音もないし」
「電気が通りにくい以外の問題は無しっ!!」
「あ、知ってたんだ」
「貴方の嘘のせいで泣きそうになりましたよ…」
「…あはは」
「ま!とっとと荷物を整理しよう」
「冷蔵庫から何から、いっぱい有るんだから」
「はい!」
「…死ぬわ、コレ」
「運送業を甘く見てたね…」
「2人、ってのは無理がありますよ…」
「せめて、3人か4人…」
「コレが波斗の新しい住居?」
「へぇー、綺麗じゃない」
「「100人分が来た!!!」」
「…よいしょっと」
ズゥウウウウン…
「コレで良い?」
「れ、冷蔵庫を片手で…」
「個室だから能力見られる心配が無くて良いわね」
「ありがとうございます!織鶴さん!!」
「さて、労働量は貰うわよ?」
「やっぱりですか…」
「そう言われると思って!」
「シュークリームを……」
「えっ」
「…火星さん?」
「食べちゃった…」
「…」
「…」
「…」
「波斗、生ゴミの回収曜日は?」
「火曜日です…」
森草の家
「ふぅ…」
「あ、もう起きて大丈夫なんですカ?」
「えぇ、お陰様で」
「セントさん、ゼロさんと馬常さんは?」
「お2人共、何処かに出かけてますヨ」
「最近、外出が多いですネ…」
「そうね…」
「何処に行ってるのかしら」
軍本部
13F資料室
「何調べてんだ?馬常」
「んー…、とね」
「ロンドンで面白い資料見つけてさ」
「それを解析中~…」
「元老院直属部隊に押収されたアレか?」
「一度見たら、大抵は記憶できるからね…」
「さ、流石だな…」
「今度、チェスでもどうだ?」
「あー…、うん」
「向こうで習ってきたから」
「ほう、楽しみだな」
「資料室では静かにお願いしますよ、2人とも」
「おぉ、布瀬川」
「久しぶりだな」
「全くです」
「ゼロさん、そろそろ能力検査ですよ」
「おう、解った」
「馬常さんもどうです?」
「何?能力検査って」
「軍属の能力者が受ける検査だ」
「能力規定値とか、まぁ能力の強さを検査するんだよ」
「軍属でない能力者は義務では無いのですが、希望すれば受けられます」
「どうです?受けてみては」
「…遠慮しとくよ」
「面倒くさそう」
「そうですか」
「では、ゼロさんはお忘れ無きよう」
「へいへい」
「あぁ、総督に伝えてくれ」
「何です?」
「腕は快調」
「拳は完治、だ」
「…解りました」
「[試験]が楽しみですね」
「試験?」
「…いえ、何でも」
「では、失礼します」
バタンッ
「「…?」」
四国
八十八天山
霊封寺
「…はぁ」
「ため息かえ?」
「ため息も出るわ!」
「ほんま、癖モン揃いやのぅ」
「そうじゃな」
「[核]と[躯]は来とらんかったし…」
「天之川と刻も来とらんかったぞぇ」
「刻か…」
「奴とは会ってみたいなぁ」
「[鷹]と呼ばれた実力を見てみたいわ」
「相変わらず知欲が凄まじいのぅ」
「そうでも無けりゃ、こんなトコに居らんわい」
「…その欲はいずれ、身を滅ぼすぞぇ?」
「身を滅ぼされても、魂ぁ残っとったらいけるやろ?」
「無茶苦茶理論じゃなぁ」
「無茶苦茶理論こそ真意やろ?」
「…はぁ」
「あ!ぷりんはどうしたのじゃ!?」
「ほれ」
「おぉおおおおおおお!かの有名な名菓のぷりんではないか!!」
「良いのぅ!良いのぅ!!」
「…はぁ」
「ほれでも、ワイ等を仕切る立場か?」
「威厳っちゅーもんが有りゃぁせぇへん」
「わっちは仮」
「仕切ってるのは[核]と[躯]ぞぇ?」
「仮なら仮の威厳を持たんかい」
「むにゅぅ……」
「膨れてもあかん」
「ありゃ?お前等、帰らないの」
「鉄珠か」
「お前こそ」
「俺?」
「俺は帰ったら殺されそうで」
「強ち間違ってないかもな!」
「そうじゃなぁ」
「せめて否定してくんない?」
「ガチで怖いんだけど」
「織鶴ならやりかねんで?」
「…殺りかねんで?」
「織鶴の拳は洒落にならん」
「…織鶴とは誰じゃ?」
「あぁ、灯笠は知らんかったなぁ」
「ワイもよぅは知らんが」
「織鶴 千刃」
「元No,4で身体強化系能力者」
「筋力を操作して、力を強めるのが能力だな」
「おいおい、教えて良いんか?」
「良いだろ?」
「どうせ、知ってたって…」
「勝てやしない」
「…ほうやろな」
「強いのか?」
「その者は強いのかぇ!?」
「食いつくなや、灯笠」
「アイツはワイ等のトコには勧誘できん…」
「そうやろ?」
「あぁ、だろうな」
「織鶴は違うんだよ」
「俺達とは根本的に、な」
読んでいただきありがとうございました