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秋鋼  作者: MTL2
229/600

縛双

西の丘


「ああああっっっ!!」


「…!!」


ガァンッッ!!


激しくぶつかり合う双対の木刀

猛攻する木岐島に対し、桜見は防戦一方で有る


「どうしたどうしたどうしたァッッッ!!」

「それでも[族潰し]の桜見かぁっっ!!!」


「うるっ…さい!!」


キィンッッ!!


「テメェが!前の縛双を潰してっ!!」

「今の縛双を作った!!!」

「正義の味方ごっこの為に!!」


ガァンッッ!!!


「笑えるねェ…!?」


ギリギリと押しつけられる木刀

桜見は木刀を寸での所で押し返し、木岐島を睨み付ける


「…何でだよ」

「何で今更!こんな…!!」


「…今更ァ?」

「今だからだろうがっっっ!!!」


「なっ…!?」


ガッッ!!


「痛っ…!!」


ガァンッッ!!


空を舞う木刀

桜見の手から弾かれたそれは遙か遠くに飛ばされていく


「テメェが男に惚れ込んでる間に、私は勢力を伸ばした」

「もう殆どが私に着いてんだよ」

「この意味が解るか?」


「…っ」


「もうテメェは縛双に必要ねぇ!!」

「とっとと男と共に消えろッッッッッッッ!!!」


木岐島は叫び、木刀を増す具振り下ろす




ガッッ


「な…!!」



だが


それが桜見に当たる事はなかった




「それはつまり…、桜見を縛双から卒業させたい、って事か?」


「「!?」」


「縛双は仮にも暴走族」

「そりゃー、敵対する所もあるだろ」

「その上、警察に味方してる」

「敵は多いわな」

「だから、せめて桜見だけでも…、ってか」


「お、お前…!!」


「蔵波…!!」


木岐島の木刀を片手で受け止めている蔵波

腕はぴくりとも動かずに木刀を抑えている


「そうだろ?木岐島 芽野」


「…ッ!!」


「木岐島…?」


「…違う」

「違うっっ!!」


ブンッッッ


「っとぉ、危ないな」


「私が!支配するんだよ!!」

「この縛双を!!」


「どうして、そんなに必死になってる?」

「お前にとって縛双とは何だ?」


「そ、それは…」


「仲間か?趣味か?」

「それとも、居場所か?」


「ッッッ…!!」


「…どういう事だ?」


「木岐島不動産」

「この辺りの周囲を仕切ってる…」


「お、おい」


「不動産会社だ」


「言うなよ…」


「言うトコのお嬢様だな」

「それが、どうして暴走…」


「言うなって言ってんだろうがッッッッッッッッッ!!」


「…」


「…お前」


「言うんじゃねぇぞ…!変態クソ野郎…!!」

「言ってみろ!脳みそブチ割ってやる!!」


「…桜見」

「祭りの時と、逆だ」

「お前はどう思う?」

「俺を、どう思う?」


「…最低だ」


「だろうな」

「だけど、あの時とは状況が違う」

「何だと思う」


「…?」


「今回はEASYモードって事だ」


「どういう事だ…?」


「…木岐島!」


「な…、何だよ…」


「お前、桜見の過去を知ってるか」


「…あぁ、知ってる」


「お前の過去を知ってる奴は何人居る?」


「…誰も」

「言えるはずがねぇだろ…」

「…第一、何でテメェが知ってんだよ」

「誰にも…」


「教えて貰ったんだよ」

「縛双の奴等から」


「…え?」


「お前の派閥からな」


「…は?」


困惑


「何…、言って…んだよ」


木岐島の表情が困惑の色へと染まっていく


「皆、知ってるんだよ」

「それでも言えなかった」

「お前の為に」


「…私の?」


「知ってんだよ、皆」

「お前の優しさも、辛さも」

「だからこそ、俺に頼んだんだ」

「お前に隠し事なんてして欲しくないから」

「お前が大事だから」


「…っ」


「…木岐島」


「言ったろ?桜見」

「EASYモードだってな」


「…?」


「もう、完全に整ってるんだよ」

「皆はお前を受け入れる準備が出来てる」

「後はお前だ、木岐島」


「私…」

「私は……」


怖かった


拒絶されるのが


また、1人になるのが


「皆……」



「残念ながら、それは叶いませんよ」


「「「!」」」


「アンタは…!!」


「私の依頼は貴女を連れ戻す事です」

「木岐島 芽野さん」


「…誰だ?このオッサン」


「オッサンは失礼ですね、少年」

「私は釜藁 夕壬朗」

「探偵業を営んでおります」


「私を連れ戻す、って…?」


「貴女のご両親からの依頼でしてね」

「貴女が良からぬ輩と連んでいる…、と」


「良からぬ…?」

「アイツ等を!そこら辺の暴走族と一緒にするんじゃねぇよ!!」

「アイツ等は…!私の…!!」


「貴女の言い分は聞いてないのですよ」

「現に、この組織は少年1人を誘拐している」


「誘拐?違ぇな」

「俺は自分で来たんだぜ」


「ど、どういう事だよ…、蔵波」


「俺が困ってる女子を捨て置いた事が有ったか?」


「…それでこそ、お前だよ」


「…何だか知りませんが、誘拐ではないと?」


「そうだ」


「…そうですか」

「では、手間が省けました」


「?」


「私は勘違いをしていたんですよ」

「警察にゴマをする屑共が少年を誘拐した、と」

「いやはや…、まさか違ったとは!」

「失礼しました」


「…オッサン」

「まさか、ハナから…」


「…何の事でしょう?」

「私はしがない探偵ですよ」


小さく笑う釜藁

困惑する蔵波達を背に、静かにその場から立ち去って行く


「何だったんだ…、あのオッサン…」


「さぁ…?」



「おぉおおおおーーーーい!蔵波ぃいいいいいい!!!」


「…ん?蒼空か!?」

「蒼空ぁー!こっちだーーー!!」


「ぜぇーはぁーぜぇーはぁー……」

「死ぬわッッッッ!!!」


「いや、知らねぇよ…」

「どうしたんだ?」


「「どうしたんだ」ァ…?」

「お前がッッッ!連絡着かない上に!!!」

「誘拐されたとか言うからッッッ!助けに来たんだろうがッッッッッ!!!」


「す、すまん」

「普通に大丈夫だ」

「携帯はーーーー…」

「…マナーモードだな!」


「テメェエエエエエエエエエエエエエッッッッッッ!!!」


「俺達は学校まで休んだんだよ~…」


「おぉ、熊谷」


「大丈夫?桜見ちゃん」


「夕夏…」


「この役立たず2人が迷わなければ、もっと早く来れたんだけど…」


「「役立たず…」」


「わ、私は転けちゃっただけでしょ!!」


「3回も?」


「ううん、4回だよ」


「か弱い乙女に走らせるのが悪いの!」


「「何て言い分……」」



「…桜見」


「…何?木岐島」


「アイツ等が…、テメェを認めたのか」


「…あぁ、そうだよ」

「最高の友達だ」


「…そうか」


「アンタも居るだろ?」

「最高の仲間が」


「…そう、だな」


どさりと、木岐島は寝転んで空を見上げる


「…私は縛双を抜ける」

「後は頼んだぜ」


「…あぁ、任せろ」

「絶対に…、縛双を護ってみせる」


「…頼むぜ?木岐島」

「いや…、縛双総長」


「おう!任せな」

「お前は彼氏と幸せになっとけ」


「…勿論だ」







読んでいただきありがとうございました

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