ソルナVS吹泡
「中身ダト…!?」
奴の銃弾には接触していナイ!!
況して擦りすらしていないはズダ!
…銃弾はおトリ?
銃弾に気を逸らして別の攻撃を行ったノカ?
「思考するか」
「[愚者は軽蔑する]」
「[己の力量すら知らずに]」
「詠唱はさせナイ!!」
「[爆泡]!!」
「…だろうな」
「罠に飛び込む兎だ」
ドンッ!
「同じ手には乗らナイ!!」
「[大防泡]!!」
ココルは巨大な泡に包まれる
「同じだよ」
ソルナが[呪言弾]を放ったのはココルではなく[爆泡]
「[呪言弾]」
ぶよんっ
無論、[爆泡]に飲まれてココルにダメージはない
(ここだ!ここで攻撃がクル!!)
ブチンッ
「ぎゃぁああああああああああアア!!!!」
「…アキレス腱が切れたか」
「あっ…!ガァ…!!」
ずるずると足を引きずるココル
「何故だ…!攻撃は全て防いだハズ!!」
「言ったはずだ」
「私の攻撃は中身にダメージを与える、と」
「…中身?」
「[呪言弾]は相手の能力に当てる事によってダメージを与える」
「つまり、身体強化系や属性系には不都合なんだ」
「見た所、貴様は念力系だろう?」
「貴様のような遠隔攻撃タイプには持って来いの技なんだよ」
「俺の能力を見破ってたノカ…!!」
「…伊達に[守護神]じゃない」
「さて、貴様は虫の息だが最後に聞いておきたい」
「[破壊屋]…、奴についての情報を」
「…黙ヒダ」
「そうか」
「結果は変わらないが」
「…くっくック」
「最後はアンタなんダヨ!!」
「何?」
「弾けろ![浮泡]!!」
「…策は講じさせんよ」
ドスッ
「…がっ」
「「講じさせない」…?違ウナ」
「既に講じてイル!!」
ソルナの肩に突き刺さる鉄芯
「[爆泡]と共に仕込んだ[浮泡]…!」
「気付かなかっタカ!!」
「ぐっ…!!」
「[浮泡]の中に鉄芯を仕込んでイル!」
「[浮泡]は20!中の鉄芯は30ポン!!」
「後の計算は子供でも出来るだロウ?」
ズドドドドドドドドドドドドッッッ!!!
豪雨の如くソルナへと降り注ぐ鉄芯
肩を
腕を
耳を
頬を
手を
足を
腰を
背を
貫く鉄芯
「がっ…!ぁ…!!!」
「詠唱を唱えるひマモ」
「銃を撃つひマモ」
「逃げさせる暇も与えナイ」
「[爆泡]」
鉄芯の雨の中心に居るソルナ
それを囲む[爆泡]
「そのままなら鉄芯の雨に潰さレロ」
「逃げるなら[爆泡]に弾き消さレロ」
「どちらにせよシネ!!」
「…死ぬのは貴様だ」
「[6つの腕を持つ神]」
「[3の剣と3の盾]」
「まだ詠唱するノカ…」
小筒から吹き出された泡が針へと形を変える
「[針泡]!!」
ドスドスドスッッ!!
鉄芯と[針泡]の嵐
全身を貫かれてもソルナは詠唱を続ける
「[武神である神は攻防を兼ね備え]」
「[全てを凌駕し全てを抑圧した]」
「[爆泡]ォ!!」
ドゴォンッッッ!!
「[全てを…、支配する…、極神…]」
「[その名を…、ソルティ]」
カチンッ
「[呪言弾]…、装填」
「糞がぁあああああァア!!」
「とっとと死ねぇえええええええええエエ!!!」
「[極神呪言弾]!!!」
ドンッッッッッッ!!!!
「させるかヨォ!!」
「[浮泡]!!」
空中へと逃亡するココル
「何も出来ず!無ざマニ!!」
「シネ!!」
「…[終了]だ」
ココルを囲む6本の柱
「このはしラハ…!!」
「避けたはズダ!!」
「…準備だよ」
「先刻の呪言は下準備だ」
「それを攻撃と勘違いし、貴様は勝手に避けた」
「まさか…!!」
「…最長、最強の呪言」
「[封六柱][呪言弾][極神詠唱]で完成する」
「[極神呪言弾]だ」
「避ければ無意ミダ!!」
「避けれるのか」
「何を…!!」
動けナイ
「…アレ?」
「[封六柱]は貴様の動き封じる」
「[呪言弾]は内部から破壊する」
「[極神詠唱]は[呪言弾]を飛躍的に強化する物だ」
カチャッ
「動かない的、か」
「子供でも撃てる…」
「そうだろう?」
「ソルナ・キューブゥウウーーーーーーーッッ!!!!」
ドンッ
ガチャッ
「…支部長ですか?」
『あぁ、俺だ』
『無事か』
『…なんて、聞くまでもないか』
「いえ、その事なんですが」
『どうかしたのか?』
「…申し上げにくいんですが」
「時計塔が…、その」
『あぁ、壊したのか』
『気にするな!どうせ、修理できるさ』
「…全壊しまして」
『えっ』
ロンドン支部
「怪我は良いの…?」
「骨は折れていない」
「肉を少し削られたが、問題では…」
「おーい、入院準備してくれ」
「支部長!!」
「いや、普通に駄目だろ」
「…それはともかく、[吹泡]は?」
「時計塔の残骸の下を捜索してください」
「肉塊が出てくるかと」
「そ、そうか…」
「…[食人]に[吹泡]」
「2人を倒したんだよね…」
「残るは[破壊屋]、[盲目]、[切り裂き]、[人形師]」
「…そしてバムトだ」
「5人かぁ…」
「…ソルナは戦える状態じゃないよね」
「何を言っている!」
「俺はまだ…」
「ソルナ!無理は禁物だ」
「お前が潰れたら誰がここを、俺を護る?」
「…はい」
「流石だねー…」
「…はい、クイーンいただき」
「あっっ!!」
仮眠室
「ソルナが勝ったみたいよ」
「おぉ!凄いですね」
「流石、ソルナさんです」
「伊達に[守護神]じゃないわね」
「じゃ、寝ましょうか」
「普通に!?」
「…何か問題があるかしら?」
「い、いや!ソルナさんが戦ったんですよ!?」
「次の敵が…!!」
「来ないわよ」
「え…?」
「少なくともハデスの連中にとって[吹泡]の敗北は計算外よ」
「下手に動いて計画を、さらに崩す馬鹿は居ないわ」
「少なくとも今晩中は、ね」
「そうですか…」
「あ、あのですね」
「どうかしたの?ベルアちゃん」
「私は…」
「あぁ、ここで寝なさい」
「で!でも!蒼空君が居るし…」
「大丈夫よ」
「何か有ったら」
「殺すから」
「はい!その通りですよ」
(なんて清々しい笑顔なんだろう…)
読んでいただきありがとうございました