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秋鋼  作者: MTL2
187/600

時計塔下の戦い

ロンドン郊外


空に浮くシャボン玉


ゴォオオーーーーー…ン


時計台が12を刺し、大きな鐘の音が郊外へと響き渡る


「仕事を…、始めルカ」


トンッ





ロンドン支部


仮眠室


prrrrrr



「電話ですか?」


「えぇ、そうよ」

「首狩島に誰か近付かないか、火星達に見張らせてるからね」


「だから火星さん達を…」


「最低戦力は残しておきたかったのよ」


カチャッ


「あぁ、火星?」

「私よ、織鶴」

「…解ったわ」

「引き続きお願いね」


パタンッ


「問題ないみたいよ」


「良かったぁ」


「…ねぇ、波斗」


「はい?」


「アンタ、流石に1人じゃ無理でしょ」


「何がです?」


「見回りよ」


「…ですね」

「大凡の地形は覚えてるんですけど…」

「1人だと迷うかも…」


「そうよね」

「てなワケで!」


ガチャッ


「あの、織鶴さん?」

「何ですか?」


「ベルアちゃんを呼びました~♪」


「 」



ロンドン郊外


時計塔下


「B班!異常は!?」


「ありません!」


「そうか」

「お前達、交代の時間だろう」

「夜は冷えるからな、早めに帰れ」


「「了解!」」


ぽわんっ


「む?」


「た、隊長!何か妙な物が…」


「…泡?」


パチンッ




ロンドン支部


支部長執務室


「…うーん」


チェスの駒を持つ馬常


「ここかな」


「おぉ!良い手だ」


その一手を見て唸るウェルタ


「ゼロに鍛えられてるからね…」

「こっちがこうで、コレがコレで…」


「…支部長、そろそろお休みにならないと明日の業務に響きます」


「堅い事言うなって-!ソルナ!!」

「お前もチェス習うか?」


「いえ、私はチェスは出来ます」


「あぁ、そうなのか」


「支部長よりは出来ます」


「おいおい、爆弾発言だな」


ドオオオオオオオオオオオオオオオオオオンッッッッッッッッッッ!!!!


「「!?」」


「…爆弾発言が爆発したんだけど」


ジリリリリリリリンッッ!!


「…電話?」


ガチャッ


「何です?」


『時計塔付近で爆発です!』

『周囲を飛んでいる泡状の物からして、おそらく[吹泡]かと…!!』


「…解った」

「報告ご苦労、すぐに退避してくれ」


ガチャンッ


「…出てきます」


「[吹泡]か」


「はい」

「私の役目です」


「頑張ってねー…」


「あぁ」



仮眠室


「…今の音は?」


「戦闘でしょ」


「そ、それなら!」


「慌てないの!」

「今回の任務はいつもと違うのよ」


「ち、違うんですか?」


「相手は6人です」

「五眼衆の時みたいに兵が居ないから、戦力を下手に避けないんです」

「ですから、主にこちらは[待ち]の陣形を取るしか無いんです」


「その通りよ、ベルアちゃん」

「私達は連絡があるまで待ってれば良いの」


「は、はぁ…」


「経験的にはベルアちゃんの方が上ね~♪」


「照れますです…」



…ーーン


「誰か出て行きましたけど…」


「ソルナよ」

「彼が行ったって事は[吹泡]ね」


「大丈夫でしょうか…」


「ソルナなら心配ないわよ」

「仮にも、アイツが選んだ男だし」



時計塔


「ねぇ、ちょット」


「ぐ…!む…!!」


「生きテル?」


「…き、貴様は!!」


目を覚ました男の目に入ったのはシャボン玉


青白い髪

白に近い青の目

黒いローブ

口に加えた小筒


「生きてるヨネ?」


「[吹泡]か…!」


「良かったぁ、生きテタ」

「死んでたらモルバに怒られるカラ…」


「何を…!!」


ガポッ


「うごっ!?」


男の口に無理矢理咥えさせられる小筒


[爆泡フテオ]」


ボゴンッッッッッ!!!!


「げぁっ…!!!」


[吹泡]の顔に大量の血が飛び散る


「でも、雑兵だから中身は無くてイイ」


「「隊長ーーーーー!!!」」


「アンタ達もすぐ、同じようにスル」


「俺がさせん」


「…ダレ?」


「ソルナ・キューブ」

「[守護神]だ」


ガガガガガンッッ!!


[吹泡]を囲む6本の柱


「[神は嘆く]」

「[呪われた運命を]」

「[神は選ぶ]」

「[運命からの逃亡を]」

「[神は決断する]」

「[運命の封印を]」


バチバチバチ…


[浮泡フォプス]」


巨大なシャボン玉が[吹泡]を包み、上昇していく


「…む」


「残念ダネ」


「貴様が[吹泡]か?」


「俺はココル・エンタル」

「[吹泡]ダ」


「ハデスの一員に間違いないな」

「他の奴等は?」


「答える義理はナイ」

「アンタは邪魔ダ」


「…俺も貴様が邪魔だ」

「[神は示された]」

「[愚かなる人間を]」

「[故に鼓動を感じる]」

「[静かなる鼓動]」

「[それが速まるとき]」

「[人は過ちを感じる]」


キィイーーーーー…ン


(…周囲の一般人も、兵士も避難は終わったか)


「音探索?」


「…」


「俺のシャボンが震えテル」

「音はNo,4の特権かと思ってたガナ」


「流石にNo,4ほどの力は無い」

「だが…、貴様を葬るぐらいの力なら有る」

「[神を]」


「[爆泡]」


ドンッッッ!!


「ぐっ…」


「アンタの技は詠唱が必要なんだロウ?」

「ならば、させなければイイ」


「…愚か者め」

「私が、ここに来るまでに何の準備もしてないとでも?」


「ナニ?」


「[神を望むは愚者]」

「[然れど、愚者は進む]」


「馬鹿なノカ?」

「詠唱を唱えるノハ…」


ガガッガァンッッ!!!


ココルは6本の柱に囲まれる


「…この柱は先っキノ」


「[愚者は愚か]」

「[然れど愚か故に直進する]」

「[その行為は愚直]」


(詠しょウガ…)


「[神すらも見捨てた行為]」

「[それでも愚者は進む]」


(先刻よりもなガイ…?)


「[進みし先に存在するのは]」

「[光か闇か]」

「[否]」

「[無そのものだった]」


ガチャッ


「銃ダト?」

「そんな物、俺には効かナイ」


「銃そのものは、な」

「…[呪言弾クロティアス]」


銃から放たれる1発の弾丸

ココルはその弾丸に対し、防御の態勢を取る


[壁泡ボンブル]」


「ただの銃弾じゃない」


「百も承知ダネ」


ゴプンッ


(シャボン玉が弾を飲み込んだ…?)


「当たらなければ意味はナイ」

「そうだロウ?」


「…何か勘違いしているようだから、言っておくが」

「私の[呪言弾]がダメージを与えるのは身体じゃないぞ」


「…何ダト?」


ブシュッ


(うデガ…!!)


「中身、だ」




読んでいただきありがとうございました

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