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秋鋼  作者: MTL2
178/600

ベルアの母

prrrrr


「ん、すまん!電話や」


「構わない」



「もしもし?」


『あらぁ?久しぶりね』


「…アンタか」


『どう?ウチに来ないかしら』


「…まぁ、行こうとは思うとったけぇの」

「行くわ」


『ウフフ♪楽しみにしてるわ』


プツッ



「…誰からだったんだ?」


「悪女」


「?」





喫茶店


喫茶店の席に座ってる織鶴、波斗、ベリア、クロルの4人


「…えっと」

「何と?」


「本っっ当にごめんなさいです!!」


「べ、ベルアさん、落ち着いてください」

「何が「ごめんなさい」なんですか?」


「マ…」


「「マ」?」


「ママが…、蒼空君を家に連れてこい、と」


「…はいっ?」


「で、ですから」

「蒼空君に私の家に来て欲しいんです…」


「…寮ですよね?」


「じ、実家です…」


「…何故に?」


「…言えませんですっ!」


「…何故に?」


「言えないですぅ…」


「…何故に」


「余り追い詰めないの!波斗」

「クロルちゃんは私と一緒に、ここに居るから」

「行ってらっしゃい」


「は、はぁ…」


「い、行ってらっしゃい」


「あ、お金…」


「構わないわよ!」


「え!?奢ってくれるんですか!!」


「は?」

「給料から引いとくけど」


「…ですよねー」



ベルアの家


「…デカッ」


「?」

「一般的ですよ」


(我が家が小さいだけなのか…?)

(…こんな事言ったら大家さんに怒られるな)


ガチャッ


「ママ、帰ったです」


「あらぁ~!お帰り~♪」


「…お姉さん?」


「あらあら、こんなオバサンにお姉さんなんて~」

「嬉しいわぁ~♪」


(…マジかよ)


まるで、ベルアを大きくしたかのような容姿

ただ胸だけが異常に大きくなってしまった様だが


「私はフロラ・ジャスミン」

「リンデルとベルアの母よ~♪」


「若ッッッ!!!」


「あらあら」

「コレでも40歳のオバサンなんだけどね?」


「嘘だ…」


「見た目に騙されたらアカンで」

「悪女も悪女、最悪の悪女やからな」


「ひ、響さん!」


「糞悪女めが…」

「何の用事や」

「人を呼び出しおってからに」


「悪女なんて酷いわねぇ~」

「私は娘が心配でね?」


「…リンデルかいな」


「そうよ~♪」

「一斑君も元気?」


「あぁ、元気やで」

「ピンピンのバリッバリや」


「あら、良かったわぁ~♪」


(バリバリて)

(しかもツッコまないのか)


「ごめんなさいね、蒼空君」

「私もお話したいんだけぉ~、先客がねぇ~?」


「あ、いえ…、お構いなく」


「ウフフフ~♪」


「う、上に行きましょうです!蒼空君!!」


「あぁ、はい」



2階


「…」


「…どうしたんですか?」


「い、いえ!何でもないのですよ!!」

「ただ、ここで待っていてくれると嬉しいなぁー、と」


「?」

「はい、解りました」


「絶対に!入らないでくださいよ!!」

「絶対に!!」


「は、はい…」



1階


(マズいです!マズいです!!)

(わ、私の部屋には…!)

(Mr,テツダマに集めて貰った蒼空君写真集がぁああああああああ!!!!)

(ママが「ベルアの好きな子を見てみたい♪」なんて言うからぁああああああ!!)



「…リンデルは元気なの?」


「元気や」

「飲み込みが早ぅての」

「護符術も護身用だけとは言え、すぐに覚えたで」


「そう~♪」


「ママ!」


「あらぁ、ベルア」

「どうしたの~?」


「空き部屋の鍵をくださいです!!」


「どうして~?」

「部屋に…」


「駄目ですっっっ!!」


「び、吃驚しちゃうわぁ~」

「確か…、ここに」

「有った!」

「はい、どうぞ~♪」


「ありがとうですーーーー!!!」


ダダダダダダダダダッ!!



「…元気やなぁ」


「元気ねぇ~」


「…で、や」

「悪女」


「何かしらぁ~?」


「ソルナが居るで」


「あら!ソルナが帰ってきたの~?」

「貴方の弟弟子でしょ~?」


「本人が知らんのは…、どういうこっちゃ?」


「まぁ!私はあくまで基礎を教えてあげただけだもの~♪」


「…ホンマに悪女やで」

「ワイの師匠は悪女」

「今の主人も悪女や」

「あーぁ!悪女尽くしやのぅ!!」


「あらあら、私と昕霧ちゃんを悪女なんて酷いわぁ~」


「…悪女やろ」

「男を誑かす!誘惑する!!」

「見た目と言動に反する実力で男を絶望させる悪女や!!」


「酷いわねぇ~」

「私、そんなに強くないのにぃ」


「…元[守護神]が何言うてんねん」

「ってか、ワイがほれで呼んだんと違うやろ?」

「何や」


「…難しい話なの」

「聞いてくれる?」


「師匠の頼みとあらばな」


「…夫の敵を取って欲しいの」

「敵はハデスよ」



ロンドン支部


地下牢


「…防銛 百合子」

「本部勤務」


「了解しました」

「どうぞ、中へ」


ゴゥウウウウーーー…ン


重い門がゆっくりと開く

暗闇に埋め尽くされた廊下を点々と照らすライト

防銛はライトの合間を進んでいく




「…[食人]」

「ワース・ポルット」


「誰?」


暗闇を照らす蝋燭

かすかな光に照らされた1人の男


黒い髪

茶黒い目

口端から耳まで縫った痕

手に付けられた手錠


厚く、何十にも張り巡らされた檻の中から姿を見せている


「防銛 百合子」

「聞きたい事が有る」


「何」


「どうして、お前程の奴が簡単に捕まった」


「買い被り」

「ボク、そんなに強くない」


「ハデスの一員が?」


「本当」


「…情報源に値しない」

「聞くだけ無駄ね」


「酷い」

「ボクだって言葉喋れる」


「…知ってる?」

「私はいつでも貴方を殺して良いの」

「貴方は死刑だから」


「こんな子供に殺されたくない」


「正直ね」


「ボクの良い所」


「…殺して良い?」


「殺せるなら」


ボガァンッッ!!


「…アハッ♪」


「温い」

「美味しくない」

「でも、癖になる」


「!?」


「そろそろ時間」

「ボク、出る」



読んでいただきありがとうございました

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