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秋鋼  作者: MTL2
169/600

2つ名を持つ6人

「…まぁた、ここかよ」


「あ!久しぶり-」


また夢の中だ

…いや、俺の夢じゃないんだっけ?


「…はぁ」

「何食ってんの?」


「たこ焼き」


「何でたこ焼き!?」

「て言うか、ここで飲食とか出来たんだな…」


「フッフッフ…」

「もう1つ気付かないかな?」


「…ん?」


何か変化…?


「…浴衣姿ぁ!?」


「似合う?」


「いや、全く」


「そこは似合う、って言ってよ!!」


「似合う似合う」


「棒読みぃー!!」


「…ハハッ」


「ど、どうしたのよ?」


「…いや、前はさ」

「ちょっと気まずく別れただろ?」

「拗ねられてたりされたら、どうしようかなー、なんて思っててな…」


「…可愛い♥」


「気持ち悪い…」


「酷いわね!?」


「いや、何かしらのリアクションは返してくるとは思ってたけど…」

「…「可愛い」って」

「引くわ-」


「アンタねぇ…!!」


「…まぁ、それは置いといて」

「何で俺を呼んだ?」


「…」


「理由も無く呼んだんじゃないだろ?」


「…霊魅君」


「…なるほどな」


「彼の事さ」

「気に掛けてるんじゃないの?」


「…」


「一度でも関係を持った人を…」


「…あのさ」


「?」


「良いよ、別に」

「吹っ切れてるから」


「…え?」


「俺は吹っ切れてる」

「逃げ続けようと思う」


「…どういう意味?」


「織鶴さんや火星さん達が俺を気に掛けてくれてるのは解ってる」

「俺も、まだまだなんだなって実感した」


「…逃げる、ってのは?」


「…俺」

「今、真正面から、この事に向き合ったら辛いと思う」

「だから向き合わない」

「後回しにする」


「…良いの?」

「そのツケは後で2倍にも3倍にもなって回ってくるわよ」


「覚悟の上だ」


「…そう」

「じゃ、私から言う事はない?」


「何も」


「…強くなったわね」


「まだまだ弱いさ」

「問題を後回しにしなくちゃいけない程、な」


「…頑張ってね」


「おう!」






「あ、たこ焼き1個ちょうだい」


「…はいはい」






タクシー内


「ん…」

「…お早うございます」


「すぐに軍本部に着くわ」

「準備しなさい」


「はい」


「軍に着けば手続きをし、すぐに発つのか?」


「そのつもりよ」


「…解った」

「では、俺達はタクシーの中で待つとしよう」


「解りました」



キキィッ


「じゃ、行ってくるわ」


「はい」


バタンッ


「…雨雲さん」


「何だ?」


「ありがとうございます」


「…気付いていたのか」


「まぁ、火星さんは誤魔化しが下手ですから」

「何処となく、解ってました」


「そうか」

「それを知った上で行くのか」


「無論です」

「火星さんの言う通り、俺には経験が足りないんです」

「だから行きます」


「解った」

「…だが、予め言っておく」

「[切り裂きジャック]を相手にするな」


「切り裂きジャック…?」


「ロンドンの有名な殺人鬼の子孫でな」

「戦うべき相手ではない」


「どうして相手にしちゃ駄目なんですか?」


「単純な強さ的な問題も有るんだが…」

「何より、体だ」


「…体?」


「奴は[呪われた体]と言われる物を持っているらしい」


「[呪われた体]?」


「詳しくは解らない」

「能力の事かも知れないし、本当に呪われている故の物かも知れない」

「ただ、言えるのは[戦うな]という事だ」


「…解りました」


「それと…」

「…」


「…?」


「…いや」

「何でも無い」


言うべきではない、か


蒼空 波斗


この少年は少なくとも[正義感]たる物を持ち合わせている

持っている人間ならば、奴の行いを許せるはずがない


だからこそ、言うべきではない

ジャックと双肩を成す男

奴とは決して戦うべきでは無い


[人形師]モルバ・ゾバット


「…」


奴と戦ってはならない



ガチャッ


「お待たせ」


「このまま空港か」


「えぇ、そうよ」

「資料、読んどいて」


「…ふむ」

[破壊屋クラッシャー]、[食人イートマン]、[吹泡バブル]」

[人形師ドール]、[盲目ブリンドネス]、[切り裂き]…、か」


「有名なのは、その6人」


「…写真とかが無いんですけど」


「名前だけなのよ」

「顔写真なんて無い無い!」


「えぇー…」


「その、それぞれの[2つ名]は相手側が流したのよ」

「脅威のために」


「脅威を与えれば良いだけだからな」

「態々顔をさらしたりはしない、という事だ」


「そうなんですか…」


「厄介な奴等よ」

「…まぁ、今回はアイツ等も居るから大丈夫かしら」


「アイツ等?」


「…会えば解るわ」



ロンドン空港


「トイレ行きたい…」


「勝手に行けば良いでしょうが…!」


「ほんな怒りぃなや!」


「…糞共が」


「あ?」


「怒りぃなやって!相手は子供やで!?」


「…テメェ、誰の直属部下だぁ?」


「そこは問題にせんといて欲しぃんやけどなぁ…」


「お待たせ-、変人共」


「「「あ?」」」


「…まさか、今回の任務に一緒に行く人達って」


「そうよ」

「昕霧、馬常、防銛、響」

「そして、私、アンタ、雨雲」

「この7人よ!」


「トイレ満員だった…」


「女子トイレにでも入ってろよ…」


「いや、ほれは色々と問題やで!?」


「ちょっとぐらい静かにしなさいッッ!!」


「…何だ、この構成は」


「あ!雨雲さぁ~ん♥」


(…大丈夫なんだろうか)








某所


「…」


「ありゃ、何処かに行くんッスか?橋唐さん」


「憂さ晴らしだ」


「ウサ?」

「え?兎?」


「…何か、言ったか」


「なななな!何でもないッス!!」

(兎ネタは禁止だったのを忘れてたッス…)


「お前が憂さ晴らしなんて珍しいんだゼ」

「何処に何をしに行くんだゼ?」


「…お前達には関係ない」

「今回は私情の込み入った事だ」


「…面白そうなんだゼ」

「ちょっとぐらい教えろ!なんだゼ」


「…信念」


「?」


「信念や信条」

「言わゆる[粋]という物に部類される物が俺は好きでな」


「それは知ってるんだゼ」

「敵だろうと味方だろうと、尊敬すべき相手は尊敬する」

「だが、屑は屑として扱う」

「それがお前なんだゼ」


「そうッスね」

「昨日の人形師の一件でもそうでしたッス」


「…人形師?」

「あー、そういう事か!だゼ」


「…馬鹿には黙っておけ」

「厄介だ」


「馬鹿?」

「馬鹿って…」


(やめとくんだゼ!霊魅!!)


(え?何がッスか?)


(アイツが祭峰の事を「馬鹿」と呼ぶのは、相当イラついてる時なんだゼ!)

(死にたくないなら黙るんだゼ)


(わ、解ったッス)


「行ってくる」


「行ってらっしゃいッス!」


「気を付けるんだゼ-」

「跳ね返らないように…」


「黙れ」




「…兎ネタは禁止ッスよ」


「忘れてたんだゼ」



読んでいただきありがとうございました

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