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秋鋼  作者: MTL2
166/600

温泉にて

「むしろね」


「はい」


「雨雲をね」


「はい」


「男としてね」


「はい」


「見るのが無理だよね」


「はい」


「俺は男だぞ…」


「じゃぁ!髪切れ!!」

「何だ!?その長髪!!」


「火星、蒼空…」

「髪は仕方ないのだ…」


「何でですか?」


「楓が長髪以外認めなくてな…」

「以前、短髪にした時に大層怒ったのだ…」


((短髪姿、超見てぇ))


「それに、俺には物も有るし体付きも男だろう…?」


「そりゃ、そうだが…」


「…顔でしょう」


「だなぁ」


「それか…」

「そればかりは如何ともし難いのだ…」


「こう、表情を変えるとか」


「表情か…」


「怒り」


「…」


「迫力、有りますね」


「笑い」


「…」


(言えない、可愛いとか言えない)


「フザけ」


「…」


「むしろ困ってます」


「困る」


「…」


「変わらないですね」


「照れる」


「…」


(女じゃねぇかぁああああああああああああ!!!)



ガラララ


「あ、隣も入ってきたみたいですね」


「そうだねぇ」


「…」


「…」


「…変な事、考えてないよね?」


「いや、むしろ」



「鎖基!もっと上げろ!!」


「うむ!解った!!」



「あそこで覗こうとしてる馬鹿に言ってくださいよ」


「いや、無駄だと思う」


「ですよねー」



ベギャンッッ!!!


「ごっ」


ドボォオオオオオオオオンッッ!!


「…風呂桶が飛んでくるってのはベタですが」

「風呂桶が壁を貫通するってのはベタなんでしょうか」


「いや、まず有り得ないからね」


「鉄珠さんが岩にめり込んでる」


「鎖基は下敷きか…」


「風呂桶って凶器だったんですね」


「織鶴が使った場合のみね」


「…あれ?雨雲さんは?」


「そう言えば…」

「巻き込まれたか」


ぷかー…


「浮いてる浮いてる浮いてる!!」


「のぼせやがったぁあああああ!!!」



更衣所


「ったく…」


「迷惑をかけてばかりだな…」

「鎖基と鉄珠は無事か…?」


「気にすんな」

「馬鹿2人は蒼空君が介抱してるから大丈夫だ」


「そうか…」


「…なぁ、雨雲」


「何だ…?」


「突拍子も無い事なんだが…、良いか?」


「あぁ…、構わない」


「お前は…、どうして旅をしてるんだ?」

「俺達みたいに根を下ろしたりはしないのか?」


「…ワケが有ってな」

「すまないが…、言えない」


「…そうか」

「てか!今日、お前謝ってばっかじゃねぇか」


「確かに、そうだな…」

「機会が多いのだ」


「…はぁ~」

「お前って謙虚だなぁ」


「…よく言われる」

「幼馴染みに性格を矯正されそうになった時は…」

「…今でもトラウマだ」


「幼馴染み?」


「あぁ、西締 酉兜と言う…」


「鎌斬の!?」


「…知っているのか」


「知ってるも何も…」

「俺達と同業者だし」

「…変態として有名だし」


「…謝ろう」

「奴の性癖は…、俺のせいでも有るのだ」


「…お前の?」


「あぁ…」

「…すまない」


「だから、謝り過ぎだって」

「何が有ったんだ?」


「先に言っていた性格矯正なのだがな…」

「アレが原因で…、妙な物に目覚めてしまったのだ」


「…何されたの?」


「…鞭で叩くなど、だな」

「テレビで覚えたらしい」


「…うわぁ」


「だが、条件反射してしまってな…」

「全て避けてしまったのだ」


「良かった…、色々な意味で」


「…そして逆の立ち位置となり」

「俺が彼女を鞭で叩くという…」


「どうしてそうなった」


「今でも覚えている…」

「さらなる刺激を求め、迫ってくる彼女を…」


「どうしてそうなった」


「全裸で横に添い寝されていたときなど…」


「どうしてそうなった」


「…トラウマだ」


「当たり前だろ」

「アイツなら」


「ご褒美だろぉおおおおおおおお!!!」


「とか言ってるけどね」


「鉄珠は初めて会ったときから彼女と同じ臭いが…」


「だろうな」

「全く、アイツは…」


カポー…ン


「…隣は、まだ入浴中みたいだな」


「だなぁ」


「火星さぁーん!」


「ん?どうしたんだい」


「鉄珠さんが消えました!!」


「あぁ、死んだなアイツ」



女湯


「全く…」


「変態の集まりですね」


「雨雲は違うよ-!」


(鎖基は否定しないんですか…)


(アレは変態どうこう以前に、その思想が無いから話にすらしないだけよ)


「でも、壁に穴開けても良かったんですか?」

「逆に覗かれるんじゃ…」


「撃退するから同じよ」

「壁の弁償は覗いた馬鹿にやらせるわ」


「まぁ、妥当ですね」


「体洗う-!」


「楓ちゃん、走ったら危ないわよ」


「はーい!」


「ほらほら、走らないの」


「…」


ブクブクブク


「…どうしたの?彩愛」


「…いえ」

「相変わらず良い体だなぁ、と」


「あら、ありがとう」


「巨、小、無だな!!」


ゴキンッッ!!


「…素手で殺っちゃった♥」


(鉄珠の葬式の準備をしなくてはいけませんね…)



読んでいただきありがとうございました

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