旅館への帰還
船上
「いやぁ!良かった良かった!!」
「無事だったんだなぁ!!」
「えぇ、心配を掛けました」
「皆、無事ですよ」
「うん!うん!!」
「いやー、心配したんだぞぉ!」
「ど、ども…」
「今は…、午前6時だな!」
「帰ったら7時ぐらいだろ!!」
「早朝ですね」
「寝室は有りますか?」
「おぅ!船室にベットが有るぜ!!」
「使うと良い!」
「お世話になります」
「我も寝るとしよう!」
「あ、俺も」
「おぅ!着いたら起こすぜ!!」
海岸
「着いたぞ!」
「お世話になりました」
「何!気にすんな!」
「じゃぁな!!」
旅館
菊の間
ガラッ
「帰りました」
「あら、お帰りなさい」
「お帰り-!」
「良い子にしていたか!?楓!!」
「うん!」
「死ぬかと思いました…」
「誰かと遭遇したの?」
「橋唐 兎氏」
「それと霊魅という人物ですね」
「霊魅、ねぇ」
「聞いた事ないわ」
「恐らく新手でしょう」
「…祭峰側である事は間違い有りませんが」
「…祭峰?」
「何処かで…」
「…言ってなかったわね」
「軍最上級指名手配犯、祭峰 悠拉」
「軍でも歴史に残る程の犯罪者よ」
「…祭峰」
「俺は祭峰 悠拉!」
「また機会があったら会おうぜ!!」
「あの人が…」
「ロンドンの…」
「お面、貰ってたわね」
「…はい」
「狐の」
「まぁ、何で接触したかは解らないわ」
「興味本位でしょ」
「…そうなんですか?」
「奴の行動は不審な点が多いからね」
「変に考えるだけ無駄よ」
「…」
「…何か腑に落ちない事が有るの?」
「その…、霊魅って奴です」
「アイツが悪い奴に見えなくて…」
「…ま、そんな奴も居るわよ」
「敵って言ったって、悪い奴ばかりじゃないわ」
「森草ちゃんも元は敵だったし」
「馬常もそうでしょう?」
「一概には言えないわ」
「…」
「でも、ね」
「敵なのよ」
「殺さなければいけないわ」
「覚えておきなさい」
「…はい」
「それよりも任務報告!」
「どうだったの?」
「遺跡図案を得ました」
「相手側も同じくですが」
「…解ったわ」
「模写、お願い」
「はい」
「火星さんと鉄珠さんは?」
「働いてるわよ」
「こんなに速く帰ってくるとは思ってなかったから、暫く滞在できるわね」
「夏のバカンスか!!」
「まぁね」
「温泉も有るし、海も有るし」
「大抵の娯楽施設は揃ってるわ」
「心躍るな!!」
「お菓子はー!?」
「有るわよ」
「わーい!!」
「うむ!では我は温泉に行こう!!」
「もう行くの?」
「まだ7時だよー?」
「汗を流したいのでな!!」
「あ、じゃぁ俺も」
「俺も行こう…」
「あら?起きて大丈夫なの、雨雲」
「酔いを冷ましたいのでな…」
「そう、いってらっしゃい」
「行ってくる…」
「私も行きたぁーい!」
「そうね、私も行こうかしら」
「私も模写が終わったら行きます」
「結局、皆ですね」
更衣所
「温泉なんて久々だなぁ」
「うむ!!」
「うぅ…」
「すまないが…、蒼空…」
「はい?」
「服を脱ぐのを手伝ってくれ…」
「は、はい…」
(2日酔いって、そんなに酷いのか…)
普通はそこまで酷くない
「脱がしますよ」
「あぁ…、頼む…」
グイッ
「…腕が引っかかりました」
「すまないな…」
「いえ…」
するっ
「脱げましたよ」
「あぁ、ありがとう…」
「下も頼む…」
「あ、ちょっと待ってくださいね」
「?」
「あぁ…」
え?何でこんな絵面になってんの
何で罪悪感を感じてんの?俺
だって外面からしたら女性の服脱がしてるようにしか見えねぇし!!
だって、もう女性だし!!
何で2日酔いで色っぽくなってんだよぉおおおおおおおおお!!!
「…蒼空?」
「あ!あぁ、すいません!!」
「服は脱がしにくいか…?」
「い、いやぁー!そうでもないですよ!!」
(無心だ!無心を貫けぇ!!)
サササササッッ!!
「はいっっ!」
「は、速いな…」
(難を…!超えた…!!)
「それと…、髪紐も解いてくれ…」
「あぁ、はい」
するっ
ふぁさっ
「…ふぅ」
「ぶっっっ!?」
「…どうした?」
(完全に女じゃねぇかああああああああああああああ!!!)
男湯
「良い湯ではないか!」
「少し楽になった…」
「…ですね」
(雨雲さんを見るな雨雲さんを見るな雨雲さんを見るな雨雲さんを見るな雨雲さんを見るな)
ガラララ
「ふぅ…」
「あれ?火星さんに鉄珠さん!」
「どうしたんですか?」
「仕事が一段落付いたから風呂にね…」
「って!混浴かよ!?」
「混浴ヤッホォオオオオオオオオオオオオオ!!!」
「いや、雨雲さんです…」
「「…あぁ」」
読んでいただきありがとうございました