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秋鋼  作者: MTL2
163/600

謎の石碑

遺跡広場


「開けた所に出たな…」


「広場ッスね」

「あの変な石像が建ってるッスよ…」


「…どうする?」

「進まない方が…」


「何でッスか?」


「ほら、有るじゃん」

「RPGで、さ…」


「あー…、なるほどッス」

「無駄に開けた所は大量の敵か中ボスか、の原理ッスね?」


「…どうする?」


「頼ってるッスよ!」


「…えぇー」




「…どうッスか?」


「何もない」


「大丈夫みたいッスね」


「俺が先遣かよぉ」


「能力的な問題ッスよ!」


「はぁ…」


「だけど、何もないってのも妙ッスね」

「この先、道は無いッスよ」


「ここが終点か?」


「その割には何も…」


「いや、待て」


「何スか?」


「あれ…」


「…石像?」


「入口に在ったヤツだ」


「その進化形みたいな感じッスね」


「デカくね?」


「デカいッスね」

「2、3mは有るッスよ」


「鍵か宝玉、持ってない?」

「あ、それとも合い言葉か?」


「いやいや」

「流石にそれはないッスよ」


「…どうする?」


「どうするッスか…」

「この石像が怪しいのに違いは無いんッスけどね」


「アレだ」

「何らかの方法を施せば扉が現れるっていう!」


「えー?ベタ過ぎじゃないッスかー?」


「あのトラップを味わっておきながら何を今更」


「…そうッスね」


ヒュウウウウゥーーー…


「…風?」


「みたいッスね」

「何処から…」


「…石像からだ」


コンコンッ


「!」

「石像の裏に扉が有るぞ!!」


「おぉ!ナイス発見ッス!!」

「早速!能力で!!」


「アイサー!」


カリッ


ベタッ


「…」


「…」


「そりゃー!!」


「…」


「…」


「…あの」


「どいやっさぁあああああ!!」


「…」


「…」


「…もう」


「おうゃあああああああああ!!!」


「もう良いッスよ!」


「意地でも!!」


「いや、張らなくて良いッスから!!」




「…何で能力が発動しないんだ」


「やっぱり、先輩に聞いた事が正しいみたいッス」


「?」


「この遺跡は特別みたいなんッスよ」

「力が働かないんッス」


「力…?」


「そうッス」


「でも、壁に能力は効いたぞ?」


「多分、遺跡の重要な部分には効かないんじゃないッスか?」

「ほら、魔王を倒すのには光の剣が必要」

「だけど側近を倒すのには不要、って感じで」


「解りやすいけど解りにくいな」


ゴォンッ!!


「「!?」」


「流石に疲れたな!!!」


「く、鎖基さん!!」


「生きてたんッスね!!」


「ふははははは!!あの程度で死す我ではない!!!」

「岩など砕いたぞ!!」


「あ、あの巨大な岩をッスか!?」


「冗談だ!!!」

「避けてきたぞ!!」


(…冗談に聞こえねぇッス)


「む!?何だ、この石像は!!」

「巨大だな!!」


「そうなんッスよ」

「何か、暗号的な物が必要とは解ってるんッスけどねぇ」

「蒼空の能力も効かないッスよ」


「…反則手だと解っていようと」

「俺は進もう」

「RPGでは、この手を使えば罵しられる」

「制作側の手抜きだと…、罵られるだろう」

「だが!コレは現実なのだ!!!」


「いや、蒼空」

「どうしたんッスか」


「鎖基さん」

「この石像、ぶっ壊してください」


「うむ!解った!!」


「ええええええええ!?」

「良いんッスかぁ!?」


「バレなきゃOK」

「無問題」


「大問題ッスよ!!」


バゴォオオオオンッッ!!


「…」


「…」


「壊したぞ!!」


「…遅かったッス」


「遅かれ速かれ、こうなってたさ…」



遺跡最深部


「…なんスか、これ」


「さぁな…」


3人の目前に広がる石碑

刻まれた不可解な文字

そして


「…何だよ、この絵」


中心に立つ人間

それを囲む十字架に貼り付けられた12人の人間

その周囲を囲む5人の人間

5人には、それぞれ炎、水、岩、風、雷の紋章が掲げられている


「妙だな!!」


「神妙になる空気でしょうが…」

「少し静かにしてくださいよ…」


「うむ!解った!!」


「いや、だから」


「静かに!!!」


「イラっと来た」


「奇遇ッスね、俺もッス」




「何か見つかったーー?」


「何も見つからないッスーー」


「我は動かなくても良いのか!?」


「絶対、何か壊すでしょーが!!」


「動かないでくださいッス!!」


ガタッ


「ぁ痛っ」

「何だ?この台…」


「何スか、それ」


「いや、知らんし」

「生け贄台みたいな…」


「…まさに、それッスよ」


「は?何で」


「上、見るッス」


「上?」


波斗達の頭上には12本の十字架


「…マジかよ」

「あの図は、生け贄の儀式だったのか…?」


「可能性は有るッスね」

「12本の十字架に吊された人達の胸にナイフが突き刺さってたッスから」


「12人…、いや17人か?」

「周りに5人居たし」


「いや、どうにも生け贄には見えなかったッス」

「アレは…」


ゴゴゴゴゴゴゴゴ…


「…?」


「地鳴りッスか…?」


「何だ!?この音は!!」


「地面が揺れてるぞ!」


ベキベキベキッ…


「地割れッスかぁあああああああ!?」


「いや、違う!!」

「元から入ってた線にそって割れてる!!」


「何かの仕掛けが発動したって事ッスか!?」


「…多分」


「マジッスかぁあああ!!」


ガクンッ


「えっ」


波斗の背後に広がる大海


「しまっ…!」


---------------落ちる




ドボンッッ


「蒼空ぁあああああああっっ!!」


「マズい!!」


「待ってくださいッス!鎖基さん!!」


「どうするのだ!?」

「急がねば、蒼空は渦に飲まれるぞ!!」


「幾ら貴方でも、この激流を泳ぐのは無理ッス!!」

「俺が行くッス!!」


「大丈夫なのか!?」


「…俺は」

「化け物ッスから」





読んでいただきありがとうございました

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