遺跡へ
「先輩さんは大丈夫なのか?」
「大丈夫ッスよ!」
「殺しても死なないような人ッス!!」
「…うん、安易に想像できるね」
「…互いに苦労してるみたいッスね」
「だね…」
ゴンッ
「痛っ」
「大丈夫ッスか?」
「何かに当たった…」
「何に…」
ぬぅっ
「ーーーーーーーー」
「うげぇぁっ!?」
突然、現れた石像
恐ろしい趣を前にし、波斗は意識を失いかける
「ーーーっ」
「ーー…、っう」
「っはぁ!危なかったぁ!!」
「気絶しかけたッス…」
「コレは心臓に悪い、って…」
「夢に出るッスね…」
「…でも、何スか?これ」
「…石像、かな」
「RPGでしか見た事ないぞ、こんなベタなの…」
「…石像って、RPGの何処で見るッスか?」
「…?」
「そりゃ、ボス前とか洞窟とか遺跡とか…」
「…遺跡?」
「「!!」」
「ここッスよ!」
「見つけたぁあああああああ!!!」
遺跡入口
「…長かったッス」
「長かったなぁ…」
「取り敢えず、何か食う?」
「食うッス!」
「飲み物も有るぞ」
「良いッスね!良いッスね!!」
「やっぱ炭酸派?」
「いや!スポーツ飲料派ッスね!!」
「ほほぅ?」
「ふふん♪」
「我は何でもOKだ!!」
「まぁ、鎖基さんらしいですね」
「うむ!そうだろう!」
「あ!でも俺、スポーツ飲料持ってないわ」
「鎖基さん、持ってます?」
「これか!?」
「おぉ!ナイスです!!」
「はい、霊魅」
「いやいやいやいやいやいやいやいやいや!!!」
「ん?」
「いやいや!「ん?」じゃなくて!!」
「何で普通に混ざってるんッスか!?」
「え?何が」
「何だと言うのだ!?」
「この人ッスよ!」
「我か!?」
「我は鎖基 弓道と言う者だ!!」
「あ、どーもッス…」
「うむ!!」
「…いつの間に」
「素でスルーしてたんッスか!?」
「ふむ!飢え死にかけていた所を拾ったのか!!」
「そんな人を動物みたいに言わないで欲しいッスね…」
「霊魅 ヱヰッス」
「うむ!先刻、言った通り鎖基 弓道だ!!」
「この人が蒼空の先輩ッスか?」
「もう1人居るけどな」
「まぁ、ここで鎖基さんと再会できたのは嬉しいハプニングだ」
「これで3人になったッスね」
「にしても…」
「む!?どうかしたのか!!」
(…この人の騒々しさは、どうにかならないッスか?)
(そればっかりは無理、諦めて)
遺跡内
「…」
「如何にも、って感じッスね」
「何か、コウモリの鳴き声とか聞こえてきそうだな」
「それはないッスよ~」
キィイイーーー!!
「…」
「…」
「コウモリの鳴き声だな!!」
「否定したい現実も有るんで、黙ってください…」
「ホラー感10倍ッスよぉ…」
「どうする?帰る?」
「もう帰ろうぜ…」
「無理ッスよ!帰ったら帰ったで殺されるッス!!」
「俺もだ…」
「…」
「…」
「行くか」
「そうッスね…」
「下り階段か」
「地下ッスか…」
「薄暗いな!!」
3人の前には細い1本通路が通っている
左右の壁には松明が掛けられており、通路を照らしている
「…なぁ、霊魅」
「何スか?」
「こういう所ってさ」
「絶対、有るよな」
「…トラップッスか」
「うん…」
「ほら、岩が転がってくるヤツ…」
「…後ろからッスかね?」
「前からかも…」
「…」
「…」
「我が前に行くのか!?」
「お願いします…」
「後ろから来ても、前から来ても…」
「防げなきゃペシャンコ…、ッスか」
「俺が後ろに行くよ…」
「…背中は任せたッスよ」
「まぁ、来るって決まったワケじゃないからね!」
「安心して」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!!
「…」
「…」
「ここまでベタだとね」
「はいッス」
「虚しくならない?」
「なるッスね」
ゴドォオンッ!
「「…」」
「…」
「…」
「…あれ?」
「何にも無いッスね」
「何事も無いのか!?」
「…良かったぁ」
「一安心ッスね!!」
ゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロ!!!
「後ろから来たッスよぉおおおおおおお!!!」
「逃げろぉおおおおおおお!!!」
「我が止めるッッ!!」
「いや!アンタ一番前ぇええええええええ!!!」
ゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロ!!
「ちょっと!止めれるんじゃないんッスかぁ!?」
「無理!あんなに速いのは無理!!」
「どうするんッスかぁあああああああ!!」
「あ!横に曲がる道が!!」
「曲がるッスよぉ!!」
ゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロ!!!
「どやぁっっ!!」
「うぉおおおっっ!!」
左右それぞれの道へと飛び込む波斗と霊魅
「…無事ッスか?」
「どうにか…」
「岩球は転がって行ったッスね…」
「ベタベタだなぁ…」
「まぁ、無事だから言う事なしッスよ!」
「だな!」
「…鎖基さんは?」
「…あっ」
ゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロ!!
「何処まで走れば良いのだーーーーーーー!?」
読んでいただきありがとうございました