海での授業
海岸
「は-い!皆、私は織鶴 千刃!宜しくね!!」
「「「よろしく-!!」」」
「こっちのお兄ちゃんは鉄珠 忍!そっちのお姉ちゃんは彩愛 真無!」
「で、こっちの子が蒼空 波斗!!」
「よろしくな」
「よろしくお願いします」
「よろしくね」
「「「よろしく-!」」」
「はい!それじゃ授業に映りま~す♪」
(俺の紹介は…?)
海に来ている秋鋼の面々
祭りも終わって数日、久方ぶりに秋鋼に依頼が飛び込んできたのだ
それは[小学生達に水泳を教える授業を行って欲しい]という事
織鶴達はそれを承諾し、海へ来たのだ
「じゃ、まずは準備体操!!」
「は-い!先生ぇ-!!」
「どうしたの?」
「準備運動って大事なんですか?」
「大事よ!しなきゃ大変な事になるのよ!!」
「え-?どうなるの-?」
「知りた-い」
「どうなるの-?」
「知りた-い」
「仕方ないわねぇ…」
「火星!こっちへ来なさい」
「お、おう」
「じゃ、どうなるか見せるわね?」
「「「わ-い!!」」」
(火星、来なさい)
「?」
ぎゅぅうう…
織鶴が火星の片腕を抱き締める
端から見ればラブラブなカップルのようである
「ちょ!お前!!」
「よ~く見ててね-!!」
(当たってる!当たってる!!)
(柔らかい物が当たってるって!!)
「はい!ど-ん!!」
ビュオッ
「はい?」
火星の目に映ったのは青
真っ青な青
「う?み?」
ドボォオオオオン!!
「ひ、火星さぁああ-----ん!!」
「ごぼぁっ!!」
「テメェ---!織鶴!!」
「殺す気かぁああああああ!!」
「は-い、ここからが重要よ-」
(無視かよ…)
「ったく…」
バシャッバシャッ…
「俺、泳ぐの得意じゃ…」
ビキッ
「…」
ビキビキッ!
「ッッ…」
「がぁあああああああああああ!!!」
「はい、アレは足が吊ったと言いますよ~」
「ちょ!ちょお前!!あかっ!!ちょ!!」
「足がもの凄く痛くなる上に、泳げなくなりますからね~」
「あんな風にならない様に、しっかり準備運動しましょうね~」
「「「は-い!!」」」
「織鶴さん!火星さん助けなくて良いんですか!?」
「ん?ああ、頑張ってね」
「ええええええええ!?」
「鉄珠さん!!」
「アッハッハッハ」
「彩愛さん!!」
「日焼けは嫌です」
「~~~~~!!」
「今行きますよ!火星さん!!」
「げほっ…、げほっ…」
「マジで死ぬかと思った…」
「大丈夫ですか?火星さん…」
「無理…」
「大丈夫じゃ…ない…」
「あぁ-…」
「はい!準備運動は終わり!!」
「次からは鉄珠お兄ちゃんが教えてくれるよ~♪」
「「「は-い!!」」」
「よーし!皆!!」
「女の子はこっち!」
「男の子は海で溺れてこい!!」
「殺すわよ」
「…と言うのは冗談だ!!」
「はい!泳ぐためにはー」
「ふぅ、疲れた…」
「火星、ジュ-ス買ってきて」
「何で俺が!!」
「ってか!アレは酷すぎだろ!!」
「仕方ないでしょ」
「百聞は一見にしかずって知らないの?」
「いや、知ってるけども…」
「それでもアレはないだろ!!」
「仕方ないわねぇ…」
「それじゃ-、はい」
「日焼け止め?」
「塗って」
「は?」
「はぁあああああああ!?」
「早くしなさいよね」
「ほら」
織鶴が俯せに寝転がり、水着を外す
「い、いや…!ちょっと…!!」
「恥ずかしいじゃないの…」
「早く…、してよね?」
「あ、はい…」
ヌルッ
「…塗るぞ?」
「解ってるわよ…」
ヌチャッ…
「っ…」
「だ、大丈夫か!?」
「日焼け止めよ?大丈夫に決まってるでしょ」
「少し冷たかっただけなんだから…」
「そ、そうか」
ツ-----…
織鶴の背筋を撫でるかのように、満遍なく日焼け止めを広げていく
「触り方っ…!!」
「し、仕方ないだろ!!」
つるっ
「んっ…!」
ヌルッ
「はぁっ…♥」
「くぅ…っ♥」
(こ、声が…)
ツル…
「…終わったぞ」
「何、悲しそうな顔してんの?」
「もっと塗りたかったかにゃん?」
「そ!そんな事ねぇよ!!」
「あら、そう」
「少し残念…」
「ん?何か言ったか?」
「何でも無いわよ!!」
「…先刻の事ね」
「私、子供達が心配だったから…」
「あ、ああ!解ってたぞ!!」
「気にするな!うん!!」
「ありがとぉ…!火星~!!」
「おう!俺も男だからな!!」
「ジュ-スでも何でも買って来てやるよ!!」
「お願い♥」
「任せろ!!」
ダダダダダダダ…
「チョロいわね」
(悪魔だ…)
数時間後
「ありがとうございました」
「いえいえ」
「では、報酬をいただきます」
「はい!」
彩愛は教員から報酬を受け取る
波斗達は水着から着替え、小学生達と別れの挨拶をしている
「今回の依頼は終了ね」
「どうする?このまま帰るか」
「いいえ」
「今回は、もう1つ依頼があるのよ」
「依頼が…、ですか」
「それには、まずアイツ等と合流しないと…」
「アイツ等?」
「誰だよ」
「ユグドラシルよ」
「ユグドラシル?」
「何でアイツ等と」
「…今回、依頼されたもう1つの依頼」
「それは遺跡調査よ」
読んでいただきありがとうございました