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秋鋼  作者: MTL2
155/600

不良との遭遇

「足の筋肉痛も治ったし、そろそろ行こうか」


「そうだな」

「皆、行ってるだろうし」

「集合時間までは…」


「ありゃ、少ししか…」


ピロリーン


「『集合時間2時間延長』…、って夕夏から」


「熊谷と楽しんでるみたいだな…」



((それはない))



「何処に行く?」

「腹ぁ減ってないか?」


「減ってねーよ」

「晩飯は食って…」


グゥーー…


「…」


「…」


「…殺すぞ」


「何で!?」




たこ焼き屋


「いらっしゃい!」


「たこ焼き1つ」


「へい!毎度!!」



「マヨネーズかける?」


「…は?」


「え?かけないの?」


「当たり前だろ」


「桜見、1回で良い」

「かけてみ?」


「却下!」


「ちぇー」



「ん、美味い」


「祭りは焼きそばかたこ焼きだなぁ」


「イカ焼きとトウモロコシも捨てがたい」


「綿飴なんかもなぁ」


「…」


「…」


(…何を話せば良いんだ)


(食い物の話しかしてない…)


「あ!そうだ!!」

「花火!」


「あ、あぁ!フィナーレにあるヤツな」

「それがどうかしたのかよ」


「結構、大規模らしいぜ」

「今年は力を入れたんだとか」


「…へぇ」


prrrrrrrr


「あ、電話だ」

「悪ぃ」


「良いって」

「行ってこい」



「もしもし?」


『桜見ちゃん!』


「夕夏か」

「どうしたんだよ」


『チャンスだよ!!』


「ちゃんす?」


『夏の花火、2人の男女』

『このシチュエーションが示すのは…』

『告白だよ!』


「…ふぁ」

「はぁああああああああ!?」


『折角、蒼空君が用意してくれた舞台だよ?』

『無駄にしちゃ駄目!』


「うぅ…」


『…桜見ちゃん?』

『必要なのは勇気でも気合いでもないよ』

『口を動かす事だからね!』


プツッ


「む、無茶苦茶言うなよぉ…」




「…」


「おぉ、お帰り」

「何か有ったのか?」


「…い、いや」


「そっか」

「じゃ、行こうぜ」


「うん…」


「なぁ、オイ」


「はい?」


2人の前に現れる1人の男

見た目からして、不良だろう


「…何スか」


「おいおい、俺を覚えてねぇのか?」


「…アンタは」


「始業式でテメェ等にぶっ飛ばされた俺様だよ」

「デートとは…、良いご身分だなぁ?」


「…何の用だ」


「俺はダチと祭りに来てるだけだぜ?」

「別に用なんざねぇよ?」


ぞろぞろと不良の後ろから現れる十数人の男達


「…っ」


「ただよぉ」

「[偶々]足が出たり、手が滑っても…」

「事故だよなぁ…?」


にやにやと笑う男達

その手にはパイプや金属バット


「…マズいな」


「あぁ、マズい」


「逃げるか」


「囲まれてるけど」


「…」


「…」


「逃げる必要はねぇだろ?」

縛双バクソウの総長さんよぉ?」


「!!」


「…バクソウ?」


「隣町の総締め暴走族だよ」

「そこの総長がコイツだ」


「言うなッッ!!」


「けっけっけ!よく言うぜ!!」

「テメェが襲われた腹いせに族1つ潰したんだからな!!」


「襲われた…?」


「何だ、知らねぇのか?」

「コイツは餓鬼の時によぉ」


「言うな!!言うなぁ!!!」

「言わないでくれ!!!」


「族の奴等に弄ばれたんだよ!!」

「それを恨んで族を潰しやがったんだぜ!?」

「そんで自分が総長だ!!!」

「けっけっけ!笑いモンだなぁ!!」


「やめて…!言わないで…!!」


「聞いたぜ!」

「服ぅ引っ剥がされて!!蹂躙されたんだってなぁ!?」

「けっけっけっけ!!」

「見ろよ!彼氏さんも幻滅してるぜ!!!」


「だから?」


「…は?」


けろりとした顔で不良の問いを帰す蔵波

不良は彼の表情に動揺している


「そ、そいつは暴走族の総長だぞ!?」


「だから、何だ」


「お前の彼女は中古品だぞ!?」


「だから、何だ」


「餓鬼の頃に誰かも解らねぇ野郎共に弄ばれてるんだぞ!?」


「だから、何だ」


「テメェ…!!」


「中古?弄ばれた?」

「知った事か」

「桜見は桜見だ」

「どれ程に傷付いていようと、恐ろしかろうと」

「それが桜見である事に変わりない」


「馬鹿か!?」

「使い古された女なんて…!!」

「しかも!総長だぞ!!」

「幻滅しないのか!?」


「幻滅するはずないだろうがっっっっっっっっっっっっ!!!!!」


「蔵波っ…!」


「桜見と言う女が今!ここに!居る!!」

「こんなに可愛い女子を侮辱するなよ!!!!」

「この世間知らずがッッッッッッッッッッ!!!!」


「テメっ…!!」

「…良いぜ」

「殺してやるよ!!!」


合図する不良

それに連れ、周囲の男達も構え出す


「…蔵波」


「俺の後ろに居ろ、桜見」

「絶対ぇ守ってやる」


臭い台詞吐くなよ、馬鹿…

足が震えてるじゃんか…


「前みたいに逃げられないぜ!!」

「俺にはダチ達が居るからなぁ!!!」


「…俺にも友が居る」

「テメェみたいな最低の野郎共じゃねぇ」

「最高の友達だ」


バガァンッッ!!


「あがっ…」


鳴り響く金属音

それと同時に不良の背後の男が崩れ落ちる


「やっほー」

「ピンチ?」


「あぁ、ピンチだ」

「助けてくれるか?熊谷」


「勿論♪」


金属バットを持った熊谷が笑顔で返事をする

数人の男達が熊谷へと武器を向ける


「ちぃっ…!!」

「お前等!コイツを!!」


パンッ!


「痛っ!?」


「わーい、当たったぁ~」


「夕夏!!」


「桜見ちゃんのピンチに参上!」

「夕夏だよ~♪」


階段の上段から見える銃口

夕夏は射的の銃を構えている


「射的屋の銃、後で返してよね?」


ガシッ


「「へ?」」


男2人の頭部に違和感

力強く掴まれており、解けない


「はーい!ありがとうございます」

「火星さん♪」


ゴッッッッッッ!!


鈍い重音

その音を追うように2人の男も倒れる


「マジかよ…!!」


「何?コイツ等」


「蒼空!」


「私も居るわよ」

「一応、ね」


「森草も…!」


「さて、糞餓鬼共」

「こんな言葉を知ってるか」

「[人の恋路を邪魔する奴は馬に蹴られて死んじまえ]」

「最も…、俺は人間だけどね?」




読んでいただきありがとうございました

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