連絡回し
1F受付
「ゼロさん!」
「布瀬川!」
「どうした」
「聞きましたよ」
「No昇格、蹴ったそうじゃないですか」
「…まぁな」
「情報が早いじゃねぇか」
「姉弟ツールか?」
「まぁ、はい」
「貴方らしい選択ですね」
「よせ、照れるだろ?」
「褒めてませんが」
「…」
「ゼロー」
「馬常か」
「…何だ、その箱は」
「つい先刻、火星と鉄珠に会ってね」
「貰ったんだ」
「ほう、ケーキですか」
「美味しそうですね」
「要る?布瀬川」
「俺はもう食べたし、他の皆の分も有るし」
「いえいえ、遠慮しておきますよ」
「これからに備えてダイエットしてますから」
「お前は減らす程の肉もないだろ?」
「そうでも無いんですよ」
「気を抜くと、すぐに太りますから」
「俺はいくら食っても太らないぞ」
「そりゃ、毎日動いてれば…」
「私は主に座り作業ですし」
「だねぇ…」
「あ、そうだ」
「ゼロ、帰りにセントちゃんに買い物頼まれてるよ」
「買い物?夕飯のか」
「うん、[流しそうめん]するんだって」
「流しそうめんか!」
「セントちゃんが一度はやってみたかったらしくて」
「竹を買いに行くから、手伝って欲しいんだ」
「よっしゃ!任せろ!!」
「…あの、馬常さん」
「何?」
「ゼロさんと食奪戦はやめた方が…」
「どうして?」
「別にゼロはマナー悪くないよ?」
「…能力使用しますよ」
「気が付けば麺は無くなってるし」
「挙げ句の果てにはゼロさんが流し始めて」
「麺で特防壁を突き破るし」
「…マシンガンにも耐えるのに」
「苦労したんだねぇ…」
「今回は貴方ですよ」
「…全力で阻止するよ」
「流しそうめん~♪」
森草の家
「もしもし?蔵波」
『おー!蒼空か!!』
『久しぶりだなぁ!』
「ほんの数日、会ってないだけだろ」
「大袈裟過ぎだ」
『よく言うぜ!最近、無断欠席が増えてるくせに!』
『その内、消えるんじゃないか、って専らの噂だぜ?』
「…尽力する」
『は?』
「何でも無い」
「で、さ!再来週に祭りがあるだろ」
『一緒に行こう、ってか?』
『良いぜ!彼女の居ない野郎共同士、一緒に行こう!!』
「女子は来ます」
『お前は神か』
「崇め讃えろ」
『感謝します!蒼空様!!』
『俺達の友情は一生だぜ!!』
「安っい友情だな、オイ」
『ハッハッハ!鋭いツッコミをありがとう…』
「集合は午後7時な」
『ん、了解』
「来るのは…」
『あー!待て!!言うな!!』
『楽しみは最後に取っておくタイプなんだ!!』
「そ、そうか」
『熊谷にも伝えようか?』
「いや、いいよ」
「俺から伝える」
『アイアイサー!』
『じゃぁな!明日、学校で!』
「おう」
プツッ
「…蔵波完了、っと」
「良い手際ね」
「まぁ、慣れてるから」
「夕夏さんは?」
「すぐに見破られたわ…」
「なんと鋭い女の勘…」
「お、恐ろしい」
「…って事は、熊谷だけか」
「そう言えば、桜見に計画の事は言ってるの?」
「いや、チャンスを与えるって事だけね」
「そう、解った」
「じゃ、熊谷にcallだな」
prrrrrrrrrr
「…」
「…」
prrrrrrrrrr
「…」
「…」
prrrrrrrrrr
「…」
「…」
prrrrrrrrrr
「…出ないね」
「出ないわね…」
prrrrrr
『…もしもひ』
「あ、寝てたか?」
『寝てにゃい…』
「…寝てただろ」
『目を閉じて夢の中へ…』
「それを寝てたと言う」
『…寝てました』
「よろしい」
「で」
『再来週の九華梨祭りね…』
『うん…、大丈夫だよ』
「え」
『うん…、解った』
『7時に集合ね…』
「じょ」
『女子も来るの…?』
『あぁ、蔵波と桜見さんね…』
『解った…、お休み…』
プツッ
「…」
「…」
「…熊谷ってさ」
「寝ながらやったテストでトップになった事が有るらしい」
「蔵波談です…」
「[嘘]と言えないのが怖いわね…」
「アイツって実は能力者じゃねぇのか…」
「かも知れないわね…」
万屋
「はい、はい」
「解りました」
カチャンッ
「…やっぱり蹴ったそうです」
「ほらねー」
「昇格は無しかよ-」
「アンタも申請すれば?」
「嫌だよ、面倒くせぇ」
「[流れに身を任せ、流れるままに]」
「偶に逆泳するけどね」
カランカラーン
「ただいまー」
「お帰り」
「…鉄珠は?」
「途中で会った女の子をナンパして…」
「アイツ埋める」
「…グッバイ、鉄珠」
「それはそうと、ケーキ買ってきたぞ」
「やったー!」
「大好きよ☆火星!」
「薄っぺらい告白をありがとう」
「昕霧と茶柱さんも要るか?」
「有り難く貰ってやるぜ」
「では、私も」
「彩愛は?」
「食べるに決まってますよ、馬鹿火星」
「…じゃ、俺はチョコで」
「「「はぁ?」」」
「…うん、解ってた」
読んでいただきありがとうございました