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秋鋼  作者: MTL2
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散髪

蕎麦屋


ガラララ


「いらっしゃー…」


「おぉ、女将」

「蕎麦、食わせてくれ」


「あらあら、この前の」

「彼女ですか?」


「まぁな」


「えっ」


「奥の間、開いてるか?」


「え、えぇ、開いてますよ」


「じゃ、蕎麦頼むわ」


「は、はぁ…」

「…ちょっと、セントちゃん?」


「は、はひッ」


真っ赤に顔を紅潮させるセント

端から見ても解るほどに真っ赤だ


「本当に彼女に」


「そそそそそそそそそそそそそ、そんナ!」


「凄い速度で目が逸れたわね…」

「まぁ、頑張りなさい」


「ふぁ、ふぁイ…」


「応援しちゃうわよ~♪」


「ふぇっ!?」


「セントー、速く来ーい」


「ひゃ、ひゃイ!!」



「…パニクりまくってますね、セントさん」


「まぁねぇ…」


「あら、いらっしゃい」


「女将さん、蕎麦お願いします」


「はいはい」

「あの2人を着けてるのかしら」


「す、鋭いですね…」


「伊達に70年は生きてないわよ?」

「ほらほら、ここからは私に任せて蕎麦を食べなさい」


「い、いただきます」


「いただきます…」



奥の間


ガラララ


「お待たせしました」


「ありがとうございマ…、すッ!?」


「今期限定の[愛の蕎麦]ですよ」

「どうぞ、ごゆっくり」


ピシャンッ


運ばれてきた[愛の蕎麦]

普通よりも大きめな蕎麦の中心にはハートマーク

ピンクで綺麗に彩られている


「あわわわわワ…」


「このピンクは紅ショウガ…、か?」


「…」


「…」


「こ、これはですネ…」


「よし、食うか」


「っっっッ!?」


「いただきまー」


「ちょちょちょちょちょちょちョ!ゼロさン!?」


「どうした」


「こ、この蕎麦はですネ!!」


「あぁ、美味そうだな」

「蕎麦に紅ショウガって合うのか?」

「…食紅か!!」


「そういう問題じゃなくてですネ!!」


「まぁ、良いか」

「いただきます」


「ぜぜ、ゼロさン!!」


「食わないのか?」

「全部、食うぞ」


「そ、それハ…」



一方、その頃の波斗と馬常


「美味ぇ…!!」


「ゼロに紹介されて来たんだけどね…」

「もの凄く美味しいんだ…」


「隠れた名店じゃないですか…!!」

「これは伝説級…!!!」


「うふふ、そんな持ち上げる程の物でも無いですよ」


「お、お神様!!」

「じゃなかった!女将さん!!!」


「何でしょう?」


「美味いです!!」


「ありがとうございますねぇ」


ガララララ


店から出て行くゼロと顔を沸騰させたかのように真っ赤にしたセント


「行くよ、蒼空君」


「美味ぇええええええ!!!」


「…」



万屋


「ターゲット、順調に進んでます」


「流石ね」

「無神経馬鹿が幸いしたわ」


「だな」

「…あれ?蒼空君は?」


「蕎麦屋から引っ張り出されてるぜ」

「馬常に」


「…迷惑かけてるわねぇ」


「お!ターゲットが店に入ってくぜ」

「…散髪屋?」


「何で散髪屋よ!」

「…いや、当たり前か」


「アイツって髪切るんだな」


「意外ですね」


「意外だな」


「真似しないでください、ゴミ火星」


「あれ?何か久しぶりだな」



散髪屋


「雑誌でも読んでてくれ」


「は、はイ」

(ゼロさんでも髪、切るんだナ…)


「お久しいね、ゼロさん」

「アンタが散髪なんて…、3年振りかな」


「3年と2ヶ月だ」

「お前の腕は信用してんだからよ、頼むぜ」


「フフン!任せな!!」

「で?髪型はどうするんだい」




「…これで頼むわ」


「…アンタ、この髪型は」


「離したくないんだよ」

「何も、もう」

「だから身に着けとこうと思ってな」


「…解ったよ」

「だけど、あの子」


「セントか?」

「アイツは髪切らねぇぞ」


「違う違う」

「貴方、噂じゃNo,2と…」


「あぁ、そうだ」


「…知ってるんだろう?あの子も」

「何も…、デートでこんな…」


「…アイツも解ってくれるさ」


「…解ったよ」


ジョキンッ



「待たせたな」


「ゼロさ…、ン」


髪をかき上げるゼロ

その髪型はオールバック

No,2と同じ髪型


「…それハ」


「俺なりのケジメみたいなモン、かな」

「アイツとは離れたからよ」

「…髪だけでも、と思ったんだが」


「…似合ってますヨ!」

「カッコイイでス!!」


「そうか?ありがとな」


「はイ!」


「じゃ、綺麗な公園知ってるから、そこに行くか」

「あそこで売ってるアイスは美味いぜ」


「はイ!!」



万屋


「「「「はぁ~~~~~~~~」」」」


「何でこう…、ぶち壊すのかしらね」


「無神経馬鹿が発動しやがったな…」


「ケジメですか…」


「…ケジメ、ね」

「アイツは何か…、別だよな」


「何が?」


「織鶴とかNo,2とも違う」

「信念に生きる男って言うか…、なんて言うか」


「…特殊だしね」

「アイツは」


「特殊、かぁ…」



公園


公園のベンチに座っている2人

彼等の手にはアイス


「…ゼロさんハ」

「No,2と、どんな約束をしてたんですカ」


「…俺じゃねぇよ」

「王女とNo,2だ」


「王女?」


「…長い話になるぜ」


「聞かせてくださイ」


「…そうだな」

「その前に、アイス食っちまえ」


「…はイ」

読んでいただきありがとうございました

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