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秋鋼  作者: MTL2
139/600

喫茶店とパンチングマシン

駅前


「待ったか?」


「い、いエ!今、来た所ですかラ!!」


そんな決まり切った台詞を言う場面は1つ

そう、デートである


(いやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいヤ!!!!!)

(何でそうなるんですかッ!!)


思い起こせば昨日の事である



昨日


森草の家


「…デート?」


「うん、そう」


「織鶴さんとゼロさんですカ?」

「そうですカ…」


「するワケないでしょう?」

「貴女とゼロよ」


「 」


「織鶴さん、セントさんがぶっ倒れました」


「…あらら」


「デートって何だ?」


「何で知らないんですか…」


「知識が極端に偏ってるんだよね…、ゼロは」



現在


喫茶店


「セント?」


「ひゃ、ひゃイ!!」


「どうした、何も食わないのか」


「かかかかか、考え事をしてましテ!!」


「そうか」



ザーーー


「こちら蒼空、ターゲットは喫茶店で朝食を摂っているようです」


『了解、尾行を続けなさい』


「了解」



「…何で俺、こんな事してんの?」


罰ゲームでデートって

中学生か!!!

…でも、委員長の話じゃセントさんはゼロさんが好きなんだよな

あの様子からして本当の事だろうし…

セントさんにしてみればご褒美かな

ていうかゼロさんは意識してるのか?


…デートの意味すら知らないし、それは無いか



「どうだ?美味いだろう」


「美味しいですネ!」

「行きつけなんですカ?」


「まぁな」

「前は朝食はここで食ってた」


「今じゃ毎朝が手作りですからネ!」


「お前と森草の飯は美味い」


「ありがとうございまス!」


「…おい」


「はイ?」


「クリーム、付いてる」


「あ、ごめんなサ」


「拭いてやるからじっとしてろ」


「ふぇっ!?」


「…どうした?」


「なななななな、何でモ…」

(きゃぁあああああああああああああああああああああああア!!!!)

(ぜ、ぜぜぜぜゼロさんが近くにぃいいいいいいいいイ!!!)



「倒れないかな、アレ」


「心配だねぇ…」


「…いつから居たんですか、馬常さん」


「先刻から、かな…」


「…何でケーキ食ってるんですか」


「美味い…」


「いやいや「美味い」てアンタ」



「あ、あうゥ…」


「…どうした?」


「なななな、何でも無いですヨ!!」


「…そうか?」

「さて、と精算してくるわ」


「わ、私ガ!」


「良いって」

「いつもの美味い飯の礼だ」


「ふぁ、ふぁイ…」



「良い感じだね」


「良い感じですね」

「あれ?委員長は?」


「今、秋鋼の皆と万屋で見てるよ…」


「何をです?」


「GPSで2人の位置と衛星からの映像…」


「その手の込み様は何?」




ゲームセンター


「パンチングマシン?」

「何だ、そりゃ」


「パンチ力を計算するんでス!」

「ゼロさん力強いし、どうですカ?」


「まぁ、面白そうだな」

「200円で、っと…」


ピコーン


『こんにちわー!今日はパンチングマシンを』


「せいっ」


ごぎゃんっ


「…まだ速いですヨ」


「え?そうなの?」



take2


『それじゃ、これに向かってパンチしてね!!』


「おりゃ」


ドドドドドドドドドドドド


「うわ!?速いぞ!!」


「何つー速度だ!!」


「プロボクサーか!?」


「おい!見ろよ!!」

「凄いぜ!!」



「ゼロさン、ゼロさン」


「何だ?」


「能力使用禁止でス」


「おぉ、そうなのか」


「一発だけでス」


「えっ」



take3


『それじゃ、これに向かってパンチしてね!!』


「おりゃ」


バキッ


「「「「折れたぁあああああああ!?」」」」


「ゼロさン、ゼロさン」


「ん?」


「加減してくださイ」


「お、おぅ…」



take4


『それじゃ、これに向かってパンチしてね!!』


「おりゃー」


バチィイイイイイインッッ!!!


『測定不能』


「「「「 」」」」


「ありゃ?」


「ゼロさン、ゼロさン」


「何だ?」


「このゲームはゼロさんに向いてませんネ」


「そうだなぁ」



「…何て言ったら良いか」


「だねぇ」


「パンチングマシンを修理しに来た店員が本気で怯えてましたよ」


「まぁ、普通はそうだろうね」


チャリーン


『こんにちわー!今日はパンチングマシンを使ってくれてありがとね!!』

『きちんとグローブをつけて、注意をよく呼むんだよ!!』

『それじゃ、これに向かってパンチしてね!!』


「何してんですか」


「…♪」


「めっちゃワクワクしながらやってるし」


「てりゃぁー」


バチィイイイイインッッ!!


『380kg!!』

『凄いね!ハイスコアだよ!!』


「…」


「いや、それでも凄いですからね?」

「ゼロさんが異常なだけですからね?」


「…2人が行ったよ」

「行こうか…」


「は、はい…」

「あ!少しトイレに行ってきますんで、先に行っててください」


「うん…」






チャリーン


『こんにちわー!今日はパンチングマシンを使ってくれてありがとね!!』

『きちんとグローブをつけて、注意をよく呼むんだよ!!』

『それじゃ、これに向かってパンチしてね!!』


「おりゃぁあああああああ!!!」


バチィイインッッ!!


『110kg!!』

『うーん!中々だけど、もう少しかな!!』


「…ですよねー」



読んでいただきありがとうございました

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