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秋鋼  作者: MTL2
136/600

失踪

軍病院


特別治療室


「…」


「そんな不機嫌そうな顔をなさらなくても…」


「するに決まってんだろーが!!!!」

「私があの程度の奴に遅れを取ったんだぞ!?」


「あの…、昕霧様…」

「一応は勝ったのでは…」


「…アレで勝ちだと思ってんのか?」


「…申し訳ありません」


ガチャッ


「おーおー!元気だな」

「心肺停止状態で運ばれていたのが嘘みたいだぜ」


「院長か…」


「ハッハッハ!皆の院長さんですよ!!」

「いやー、天下のNo,4がNo,2の直属部下と相打ちって聞いた時は…」


「[冥殺の]…」


「待て待ってお願い待って」


「院長、今はその話題は禁句です」


「だよなぁ…」

「で?具合はどうだ」


「…別に」

「能力過使用だからな」

「酸素を吸えば治る」


「心肺停止のせいでNo,2の能力が誤作動したんだって?」

「能力も間違える事が有るんだな」


「…間違ってはねーぜ」

「仮死状態だからな、死んだも同然だ」


「…なるほどね」

「だが、妙なのは…」


「No,2の部下ですか」


「あぁ、そうだ」


「No,2の部下?」

「何か有ったのか」


「昕霧様はご存じなかったですね」

「実はNo,2の直属部下が行方不明なんです」


「…全員、死んだんだろ?」


「死体がです」

「昕霧様と戦闘を行った唄巳」

「私と馬常さんと戦闘を行った狗境」

「軍本部に侵入した機械兵と利宇」

「そしてNo,2のアジト付近で奇怪神さんと火星さんと戦闘した絵道」


「No,2は?」


「まだ発見はされていません」

「ですが、恐らく…」


「…ふーん」


「それよりも、今はゼロが心配かなぁ」


「No,3が?」

「何でだよ」


「だって脱走したし」


「「は?」」


「2日前にな」

「病室を覗いたら居なくなってた」


「…それは大事ではないのですか?」


「そうだけど?」


「探せよ!!」


「えぇー」

「だって面倒くさいし」


「テメー、それでも医者か!?」


「医者だよ?」

「探偵じゃないから探さないもーん」


「コ・イ・ツ…!」


「抑えてください、昕霧様」


「…とは言え、流石に放置ってワケにゃいかないからな」

「秋鋼に連中に探させてるよ」


「アイツ等も戦闘には参加してたんでしょ?」


「織鶴以外は大した負傷もねぇよ」

「鉄珠も傷は回復してるし、彩愛はそもそも怪我してないし」


「…なるほどね」

「で?私はいつになったら退院できるんだ」


「今すぐに」


「…へいへい」


「お荷物お運びします、昕霧様」


「ありがと」

「…院長」


「ん?」


「奴等が使ってた薬、解明できたのか」


「あ、無理ッス」


「…あ?」


「だって使ってた奴等の死体は無くなったしよ」

「その上、サンプルも無い、と」

「どうやって解明するんだよ」


「…役立たずが」


「酷いねぇ」

「これでも最善手だぜ?」

「アンタが死んでなかったとは言え、軍の被害は大きいんだからよ」

「動ける人材に動いて貰ってるだけさ」


「…行くぞ、茶柱」


「はい」


「院長」


「ん?」


「楓ちゃんに手ぇ出すなよ」


「いや、それはない」



万屋


「…ふぁ」


「起きたかい?蒼空君」


「か、火星カセイさ」


「…」


「…」


「…火星ヒボシさん」


「うん、良し」

「で?何とも無い?」


「…えぇ、まぁ」

「戦ってたのはゼロさんでしたから」


「君、そのゼロに運ばれてきたんだよ」


「そうなんですか!?」


「まぁ、正確には俺達のトコまでね」

「奇怪神さんと待ってたらゼロが君を運んで来たんだ」


「…その後は?」


「…さぁ?」

「解らないんだ」


「解らないって…」


「俺だけ先に帰されちゃってね」

「奇怪神さんと何か話してたみたいだよ」


「…大丈夫でしょうか」


「何が?」


「…」


…俺がどうして気絶したのかは覚えてない

だけど、覚えてる事は有る


あの2人の戦いの後、ゼロさんはNo,2の亡骸を抱きかかえていた

泣いていた

叫んでいた

ずっと、ずっと


ずっと



No,1が言っていた

2人は親友だと


親友同士で殺し合った

殺し合ったのか


2人は


それが、どれだけ残酷な事だろう

ゼロさんにとって、どれほど辛い事だろう



「…」


「…蒼空君?」


「な、何ですか?」


「で、ね」

「起きた早速で悪いんだけど…」





「…死体とゼロさんを探す?」


「うん」

「彼が病院から抜け出したらしくて」

「No,2の直属部下の死体も行方不明らしいんだ」


「どうして…」


「死体については解らない」

「ゼロについては…、言いたくは無いけど」

「危険、かな」


「…!!」


「今、織鶴と彩愛が情報収集してる」

「総督が居ないからやりたい放題でね」

「鉄珠は思い当たる所を」

「森草ちゃんやセントちゃん、馬常も探してるよ」


「…俺も行きます」


「うん、お願い」

「車で送るよ」


「いえ、1人で」


「…1人かい?」


「多分、大丈夫です」


「…解った」

「だけど、無理はしないようにね」


「は、はい!!」

「行ってきます!」


ガチャンッッ!


カランカラーン



「…何処に行ったんだ」

「ゼロ…」








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