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秋鋼  作者: MTL2
13/600

不審者のヒ-ロ-

万屋


「はぁっ…、はぁっ…」


「大丈夫かい!?蒼空君!!」


「どうにか…」

「街中から逃げ回って来ましたけど…」


「酷い状態だよ…」

「理性を無くした能力者達が人々を殺しはじめてる」

「共殺しも…」


「そんな…」


「俺も、そろそろ行くよ」

「君はまだ能力に慣れてないし、コレを持って行くんだ」


「コレは…?」


「拘束銃」

「警察官とかが使ってるアレだよ」


「…解りました」


「出来るだけ能力の使用は控えた方が良い」

「こんな状態だけど、軍の規則は変わらないよ」


「はい」


「じゃ、行こうか」

「…それと」


「?」


「相手が知り合いや友達でも躊躇っちゃいけない」

「あくまで、その人を救うためなんだ」


「…はい」




「あがががががががああ!!」


「げいぁかかかかあああ!!」



「…酷い状況だな、こりゃ」


「グダグダ言ってる場合じゃないわよ、鉄珠」

「まずはコイツ等を止めなきゃ」


「解ってるけどよ」

「…能力者も居るんだろ?五眼衆の」

「見分け着かねぇだろ」


「そこが狙いでしょ」

「この混乱に乗じて軍を襲うか、末端組織である私達を襲うか」

「何れにせよ、私達を襲ってきたら潰す」

「それだけよ」


「潰しちゃ駄目だろ…」


「ぐががげえっは!!」


「おりゃっ!!」


ドスッ!


鉄珠の蹴りが発狂した男の腹部に直撃する


「がっ…」


「どうする?コイツ」


「放っときなさい」

「軍が処理してくれるわ」


「了解、了解」

「彩愛は大丈夫かな」


「あの子は大丈夫よ」

「軍の本部に居るし」


「あぁ、なるほど」

「それじゃ、仕事しますか」


「当たり前よ」



九華梨高校前


「…ここだね、君の高校」


「はい」


「生徒は?」


「…中に居るみたいですね」


「そうか」

「彼等の中にも能力に目覚めた人が居るんだろう?」

「君はここで見張ってると良い」

「ここの構造を知ってる分、動きやすいだろうしね」


「火星さんは?」


「俺は辺りの奴等を片付けてくる」

「あぁ、それと」


「?」


「五眼衆の能力者が居る可能性も高い」

「襲われたら迷わずに拘束銃を使うんだ」

「銃は…」


「ここを引くんですか?」


「あぁ、そうそう」

「後は引き金を引くだけだから」

「使用弾数には気をつけてね」


「は、はい」


銃を持ち上げたり持ち下げたりと見回す蒼空

その行為から、この類の物を持つのは初めてだと解る


(大丈夫かな…)

「それと、コレ」


「ヘルメットと…、ライダ-服?」


「変装用」

「姿がバレたらマズイでしょ?」


「ありがとうございます…」


「じゃ、もう俺は行くから」

「万が一、何か有ったら携帯で呼んでね」

「出れないと思うけど」


「は、はい…」








「ふぅ…」


校門から少し離れた木陰

木に寄り掛かって座り、学校を監視する


(何事も無ければ良いんだけどなぁ…)


淡い希望だと言うのは解っている

学校に能力者が居るというのは自分も見ているし、もしかしたら誰かが暴走するかも…

…最悪、知り合いや友人には暴走して欲しくない

だが、口に出さずには居られないのだ

本気で思ってるワケではないが、心に保険を掛けている

「もしも」の保健を


ガシャァアアアアアン!!


「!!」


来たか


窓ガラスの割れる音

普段なら何処かの部活が割ったのかとでも思うが、今はそんな状況ではない


「…」


ガチャンッ


銃を装填し、木陰から校舎を覗く


「…あぁ、クソッ」


「あががっががっがああああ!!」


やはり暴走を始めたか

恐らく3年生だろうが、口から泡を吐きイスや机を壊し廻っている


(身体強化系…、かな)


ヘルメットを被り、ライダ-服を着る


(制服は…、ここに置いておくか)


銃を構え、正門から入って階段を駆け上がる



九華梨高校


3年生教室


「あがっげっっっがががあ!!」


「おい!やめろ!!」

「止まれ!!!」


「ああああああがががあ!!!」


ドォン!!


「あぁっっ!?」


拘束銃のネットによって動きの自由を奪われる3年生生徒


(ふぅ…、こんな感じで良いのかな)


「あがっ!?あああああ!!」


ジタバタと暴れているが、暴れれば暴れるほどにネットは絡まっている


「おい!お前誰だ!?」


「ちょっと…、アレも能力者?」


「誰だよ…」


「でも、アイツ抑えてくれたし…」


「だけど何処から来たんだよ?」


「アイツ暴走させての自作自演じゃねぇの…?」


ヒソヒソと教室中から声が漏れる


(…嫌な空気だな)


出て行こうとした、その時だった


「先生!1年生校舎で生徒が発狂しています!!」

「止めるのを手伝ってください!!」


「わ、解りました!!」


ザワザワとざわつく教室内


(誰が…)



1年生教室


「ああああああああ!!」


「止まれ!おい!!」


「あがげきあかぁあ!!!」


「先生!こっちです!!」


「お、おい!どうしたんだ!?」


後ろからこっそり着いてきた波斗が教室を覗く


(俺のクラス!?)

(誰が…!?)


「あっがががっがああああ!!」


(隣のクラスの…)

(何で俺のクラスに居るんだよ!!)


だが、今はそれ所ではない

何故ならば


「生徒の避難は!?」


「それが…」


(誰か避難できてないのか?)


辺りを見回す


熊谷も蔵波も居る

見慣れたクラスメイトも全員居る

委員長の友人達も居る


…委員長は?


「森草が教室内に取り残されてしまって…!!」

「発狂した生徒の標的になってます!!」


「な…!!」


凹んだイスや机に囲まれ、ガタガタと震えている森草


「やめろ!止まれ!!」


「ああがががあはあ!!」


ガタァン!


扉を蹴破り、教室に突っ込む波斗


(拘束銃で撃てれば…!!)


ガキンッ


(え?)


ガキッガキッ


(…故障!?)

(こんな時に限って!?)


どうする


銃は使えない

委員長が危ない

先生達が叫んでいる

暴走している生徒が耳を貸すはずがない

暴走している生徒は先刻の3年生と同じく身体強化系だろう

委員長が殴られれば無事では済まない


どうする?

どうするどうするどうするどうする!?


「------っ!!」


ゴッッ!!


「へがっ!?」


暴走した生徒が吹っ飛ぶ


「え…?」


涙で潤んだ森草の瞳に映ったのは不審者

ライダ-服でヘルメットの不審者

顔こそ見えないが、何処か親しい空気を催している不審者


「…」


手をクイクイッと引き寄せ、暴走した生徒を挑発する

結果的に波斗が取った策は


暴走した生徒と戦う事だった


読んでいただきありがとうございました

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