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秋鋼  作者: MTL2
127/600

破られた約束

川の畔


「何処に行きやがった…」

「服もキッチリ持って行ってやがる…」


…無知は罪、だと?

無知?

何を知らないってんだ


奴等の事情か?

奴等の能力か?

奴等の出生か?


いや…、違う

そんな事を言っていたんじゃないはずだ


「…無知、か」


ドォオオオオオ-----…ン


「…爆発音?」

「向こうか…!」



草原


「ぐっ…」


「どうした、その程度か」


「恐ろしい強さだな…」

「流石はNo,3と言った所か」


「そういうお前はNo,2だろう」


「あぁ…、そうだな」


地面に着手するNo,2

ボコボコと地面からは無数の土人形が沸き出てくる


[土龍潜モグラウグラ]」

「地層兵」


「属性系の土系か…」


「コイツ等を相手していてくれ」

「俺は逃げさせて貰う」


「…絶対攻撃」


ガシャァアアアアアアアアアンッッ!!!


「…!」


「所詮は意思のない人形だ」

「その程度の物に足止めされるとでも?」


「…流石だ」

「君は強い、本当に」

「だが…、いつか、その強さが君を殺すぞ」


「抜かせ」

「絶対神撃」


天を舞う幾千の神撃


「…なるほど」

「君の売りは、その攻撃性だったか」

「だが、逆に私の売りは防御性なんだ」


ボコボコボコ…


地面より巨大な壁が出現する

その壁はNo,2を完全に覆い尽くす


「この防御壁はミサイルすら防ぐ」

「君じゃ壊せない」


「俺の攻撃がミサイル程度だとでも?」


「思ってない」

「だから、この防御壁は能力攻撃に特化してる」

「君の能力エネルギ-の塊なら尚更、ね」


「やってみれば解るさ」


ドォンッッッ!!


「まずは一撃」


ドォンッッッ!!


「二撃」


ドォンッッッ!!


「三撃」


(この程度なら大丈夫か…)


「…六連撃」


「!?」


ドドドドドドッッッッッ!!!


一点集中の六連撃

間髪入れず放たれた神撃は一点を的確に狙い撃つ


ピシッ


(マズい…!亀裂が…!!)


「No,2!!」


「!?」


「…部下か」

「同罪によって刑に処させて貰う」


方向を変える神撃

全ての刃がNo,2から彼の直属部下へと向く


「…ッ!!」


「待てッッッッ!!!」


直属部下を覆い尽くす背中


「…No,2?」


「逃げろ」

「ここは俺に任せて逃げろ!!!」


「い、嫌です!!!」

「貴方を置いてなんて逃げれない!!!」


「コイツには勝てない!!」

「実力は奴の方が圧倒的に上なんだ!!」


「そんな…!」


「正直だな」


「君の実力は認めてるからな…!!」


「そうか」

「認めているならば、解るだろう」

「逃がしはしない」

「そのまま…、串刺しにしてやる」


「…ッ」

「逃げろ」


「嫌です!!」


「逃げろッッッ!!!」


「嫌です!!!」


「…2人して、死ね」


2人へと放たれる神撃

彼等は目を瞑り、覚悟を決める



カキィンッ!!!


「…え?」


「約束を忘れたのか」


しかし、2人に神撃は届かない

直前でロストが弾き飛ばしたのだ


「…ロスト」


「シス王女との約束を…、忘れたのか」


「忘れていないさ」

「だからこそ、ここに居る」


「忘れていないんだな?」


「あぁ」


「ならば破ったのか」


「…あぁ」


「…そうか」

「また、破ったのか」


「…」


「何を…」


「…No,2と直属部下」

「お前等は監獄に投獄する」


「え…!?」


「…殺さないのか」


「俺から総督に進言しよう」


「…無理だ」

「君の事は耳にしているが…」

「総督の意思を動かせる程の権限は無いはずだろう」


「No,3権限を使用する」

「構わないな?ゼロ」


「…あぁ」


「お前達は殺さない」

「上手くいけばNo復帰も可能だろう」


「…どうして、そこまで?」


「俺のエゴだ」


「エゴ…?」


「…行くぞ」


2人を率先するロスト


「…」


少しだけ振り返り、立ち尽くすゼロを見つめる


「…貪狼?」


「その呼び名は…、止めてくれ」

「行こう」


「…解った」



軍本部


45F総督室


「No,3権限代行の元、総督に進言する」

「彼等の処遇を変えていただきたい」


「…ロストさん」

「残念ですが、それは不可能です」


「何故だ?」


「彼等は軍を裏切っただけなら未だしも…」

「機密情報を持ち出している」

「それは許し難い事ですから」


「だが、Noの復帰は?」

「実力は申し分ないだろう」


「…一度でも裏切ったら、それまでです」

「改心など許されない」


「だが…!!」


「くどいですよ」

「下がってください」


「…ッッ!!!」



地下B1臨時地下牢


「どうだった?」


「…すまん」


「…そうか」


「俺の無力か…」


「…いや、気にするな」

「逃げた俺の罪だ」

「…君には悪い事をしたな」


「…いや」


「彼女も同罪なのだろう?」


「…あぁ」


「仕方ないとは言いたくないが…、そうなんだろうな」

「彼女は?」


「向こうの牢に」


「伝言を」


「…何だ?」


「「今までありがとう」」

「「すまない」と」


「…任せてくれ」



「…そう、No,2が」


「…お前からも、何か有るか」


「いいえ、何も」


「良いのか?」


「私が言わなくても…、彼は解ってくれてると思うわ」

「貴方にも悪かったわね」

「無知は罪なんて言って」


「いや…、お前の言う通りだよ」

「だが無知とは何だ?」

「俺には解らない」


「…無知は罪」

「だけど今は…、無知は救いよ」


「…?」


「私から言えるのは、それだけ」

「さようなら」


「…あぁ、じゃぁな」



「…ロストと言ったか」


「何だ?No,2」


「ありがとう」


「…あぁ」



その言葉が最後

翌日、彼等は処刑された



読んでいただきありがとうございました

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