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秋鋼  作者: MTL2
126/600

不可解

1F受付


「あら?ロスト」


「…織鶴か」

「どうしたんだ?お前が軍本部に居るなんざ珍しいじゃねぇか」


「今から出るのよ」

「西の方での戦争を止めにね」


「…そうか」

「あぁ、それと」

「No,4就任、おめでとう」


「ありがと」

「…何でアンタがNoじゃないのかしらね」

「まぁ、そりゃ任務の調子がアレじゃ-ねぇ」


「…1人2人ぶっ飛ばしただけだろうが」


「仲間の一小隊を壊滅させといて、よく言うわね」

「確かに戦場とは言え…、略奪を働いてた奴等が悪いんだけどさ」

「もし奴等が略奪を白状しなきゃアンタ、首よ?」


「…むぅ」


「同時期に入ってきたNo,3は手柄を挙げ続けてるのに」

「アンタは延々と失敗と成功を続けて[有能な戦闘員]止まり…」

「この差は何なのかしらねぇ?」


「…うるせぇ!」


「ハッ!後輩の私より下とはね」

「戦闘力はアンタの方が有るのに…、ここかしら?」


コンコンッと頭を指さす織鶴

全く持ってその通りである


「…ぅ」


「ここに居らっしゃいましたか」


「…白月か」

「どうしたんだよ」


「総督様からお話が有るそうです」

「No,3も一緒に」


「…解った」


「お叱りかしらね?」


「うるせぇよ!」



45F総督室


「…総督は居ねぇのか」

「呼び出しておいて…、あの野郎」


ガチャッ


「遅いぞ!総督…」

「…って、ゼロか」

「久し振りだな」

「お前のNo就任祝い以来か」


「…」


「…ゼロ?」


「ん…?あぁ、ロストか」


「どうした?顔色が悪いぞ」

「何か有ったのか」


「いや…、気にしないでくれ」


「…?」

「そうか」


ガチャッ


「申し訳ありません、遅くなりました」


「全くだ」

「呼び出しておいて遅刻すんなよ」


「はは、申し訳ない」

「…さてと」


椅子に腰掛ける総督

その前にはゼロとロスト


「実は…、No,2が裏切りましてね」

「貴方達に始末していただきたいのです」


「また、裏切りか」

「信用ねぇんじゃねぇのか?軍は、よ」


「辛い役職ですから」

「とは言え、些か裏切りというのは度が過ぎると思いますがね?」


「…言ってろ」

「で?俺とロストで任務を行え、ってか」


「はい、そうですよ」

「No,2は強敵です」

「他のNoも多様で出ていますから…」

「貴方達だけになりますけど、お願いできますか?」


「俺は構わねぇぜ」


「…俺もだ」


「では、お願いします」

「彼の現在地をここです」


総督は地図を指さす

2人はそれを覗き込み、頷く


「出来るだけ急いでくださいね」

「移動されると厄介ですので」


「解った」

「行こうぜ、ゼロ」


「…総督」


「何です?」


「…いや、何でもない」


「?」


バタンッ



山中


「どうする?」


「2手に別れよう」

「その方がNo,2を発見しやすい」


「…解った」



ガサガサッ


草を掻き分け、獣道を歩くロスト

チクチクと小枝が頬に刺さるのを払いのけながら、ズンズンと進んでいく


「…本当に居るのか?こんな山奥に」


サァアアア…


(水の音…)

(川…、か?)



川の畔


ガサッ


「…女?」


川で水を浴びる1人の女


「No,2の部下…、か?」


「!!」


(気付かれた!!)


ヒュンッッ!!!


「くっ…!!」


頬を掠めるナイフ


「…誰かしら」


「軍のロスト・ウルフェンだ」


「…貪狼ね」


「その呼び名は嫌いなんだ」

「止めてくれ」


「よく言うわ」

「人の隙を狙う…、貪狼め」


「好きで狙ったんじゃねぇよ」


「フンッ…」


カキンッ


構える女

それに対し、ゼロも構える


「…」


「…隙を狙ったワケじゃねぇが」

「隙が有りすぎだろ、お前」


「!?」


ドンッ!


女の腹部に拳撃を叩き込むゼロ


「ぁっっ…!!!」


バシャァンッッ!!


「…飽きらめろ」

「お前じゃ勝てねぇよ」


「…何も!!」


「あ?」


「何も知らず!軍に従うのね!!!」


「…何を言ってんだ」


「…無知は罪よ」


「?」


ボフンッッ!!


「ごほっ!ごほっ!!」

(煙幕か…!!)


シュゥウウウウウ…


「…居ない」

「逃げられたか…!」




草原


「…どうして、抵抗しないんだ」


「俺は抵抗する気は無い」


草原に佇む2人の男

No,2とNo,3


「彼女と…、共に平穏に過ごせれば…、それで良い」


「そうもいかない」

「お前は軍から始末命令が下っている」


「俺も殺すのか」

「前No,3と同じく」


「…あぁ」


「…ならば、願わせてくれないか」

「俺を殺すのなら…、彼女を逃がしてくれ」


「無理だ」


「…どうして?」


「お前の直属部下なら同罪」

「彼女を想うのなら、軍に残すべきだったな」


「…その通りだ」

「だが、彼女を軍に残すのは本末転倒なんだ」


「何が言いたい?」


「君は…、No,3だろう?」

「ならば知らなくても無理はない」

「教えてあげるよ、真実を」









「…コレが真実だ」


「だから、どうした?」


「!?」


「知っているさ」

「そんな事」


「…確かNo,3を倒したのはお前だったか」

「聞いたんだな、彼から」


「…あぁ」

「総督も知られちゃマズい事らしいな」


「…どうして[そんな事]などと言える?」

「コレは…」


「解らないんだ」

「解らないんだよ」

「コレがどれ程のことか」

「俺は正常なのか、異常なのか」

「何も…、解らない」


「君は…!」


「何も解らないんだ」



読んでいただきありがとうございました

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