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秋鋼  作者: MTL2
125/600

No入り

5F食堂


「…」


「よぉ」


「…ロストか」


「久しいな」

「何年振りだ」


「さぁな…」


「最近は見かけなかったぞ?」


「…ん」

「忙しくてな」


「無理はすんなよ」


「心配してくれてんのか」


「ある程度は、な」


「…ありがとよ」

「てか、お前も顔色が優れねぇぜ」


「…能力の実態が掴めてきてな」

「意外と面倒だったから疲れてるんだよ」


「そうか…」

「…なぁ、ロスト」


「ん?」


「俺、Noに入れるかも知れねぇ」


「何!?」


「多分だけどな」

「ほら…、現No,3が軍を裏切っただろ」


「あぁ…、言ってたな」

「で?その後釜を狙うのか」


「まぁ、そうかな」

「…No,3討伐任務に抜擢されたんだよ、俺」


「なるほど」

「そこで成果を上げりゃ、或いは…、って事か」


「それが明言されてるんだよ」


「…確定事項か」

「何で…、そんな急に」


「解らない」

「だが、軍は何かを急いでるみたいな…」


「お-い!ゼロ-!!」

「そろそろ任務に行くぞ-!!」


「は-い!」

「じゃ、行ってくる」


「…ゼロ」


「何だ?」


「彼女との約束、もう破るなよ」


「…勿論だ」




数ヶ月後


軍病院


「痛つつ…」


「もう!無理しないでくださいよ!!」


「…むぅ」


「怪我の具合は悪くないですけど…」


(アレから数ヶ月経ってるのにゼロ達は帰ってこない…)

(連絡も入ってないらしいし、奴等に何が有ったんだ…?)


「ちょっと!聞いています!?」


「ん?あぁ」



地下街


ざわざわ…


「何?あの人…」


「大丈夫か…?」


「…ぐっ」

「あと…、少しで…」



軍病院前


「ありがとよ」


「次からは気を付けてくださいね!!」


「あぁ、解ってるよ」


「ロ…スト…」


「ん?」


どさりっ


「…ゼロ?」

「ゼロ!!!!」


「きゃぁあああああっっ!!!」


「急いで医者を呼べ!!!」

「手術室を開けろ!!!」


「は、はい!!」


「ゼロ!しっかりしやがれ!!」

「何だよ…!この傷…!!!」

「ゼロ!!ゼロ!!!」

「ゼロッッッッ!!!!」



軍病院


手術室前


「…どうだ?」


「深刻だな」


「おい、仮にも院長だろうが」


「仮にも、は余計だ」

「院長っつたって手術の腕が一番良い奴がなるワケじゃないんだぞ」


「トップにやらせろ」


「それが俺なんだけどな」


「…」


「だが、金も馬鹿にならないぜ?」

「あの傷じゃ…、俺だけ所か各部署からのエキスパ-トを連れて来なきゃならない」

「それだけの金は…、流石に軍保険の援助金でも賄えないぞ」


「俺が払う」


「…お前が?」


「あぁ」


「本気か?」

「他人の為に…」


「他人じゃねぇ」


「…あぁ、お前等は同時期に入ったんだったな」

「絆、ってヤツか?」


「…フン」

「頼むぞ」


「任せな」

「俺達が絶対に治してやる」



数ヶ月後


289号室


「どうだ?」


「…ロストか」


「情けない姿だな」


「リハビリに数週間かかるらしい…」

「情けない話だ…」


「…いつもの覇気が無いな」


「あぁ…、そうだな…」


「…何が有った?」

「任務は成功したのか」


「成功…、と言えるかな」

「俺以外の人達は全員…、死んだよ」


「!?」


「だが…、No,3は皆のお陰で満身創痍だった…」

「どうにか…、俺でも倒せたよ…」


「…そうか」


ガチャンッ


「失礼」


部屋に入ってくる数人の黒服の男達


「ゼロさんですね?」


「…あぁ」


「総督様より令状です」

「貴方様を今日をもってNo,3に任命します」


「…俺をか?」


「えぇ、はい」


「おめでとう、とでも言っといてやる」


「ありがとよ…、ロスト…」


「それと、確認が1つ」

「元No,3から何かを聞きましたか?」


「…いや?何も」


「そうですか」

「では、お大事に」


「あぁ…」


ガチャンッ


「…ケ-キか、ハンバ-ガ-か?」


「何が…?」


「祝い品」


「…俺は子供か」

「松阪牛のステ-キだ」


「却下だ」


「え-…」



軍本部


45F総督室


「…総督」


「何かな、蜂木君」


「彼…、ゼロでしたか」

「彼をNoにするには早くないですか」

「まだ経験的にも浅いし、急にNo,3と言うのはちょっと…」


「良いんだよ、他のNoからも異論は無い」

「問題は無いから」


「…そうですか」


「あぁ、それと話が有るんだ」


「何です?」


「総督になってみない?」


「…はい?」


「蜂木君は仕事も出来るし、カリスマ性もある」

「不足無いよね?」


「そ!そんな急な…」

「それなら白月はどうなんです?」

「彼女は戦闘も出来ますし…」


「彼女は側近向きなんだ」

「君が総督になる事も了承済みだから」


「は、はぁ…」


「ほら、僕もそろそろ年じゃないか」

「隠居してゆっくりやりたいんだよね」


「そんな、お年だなんて…」


「まぁ-…、そういう事だから」

「来年ぐらいには変わって貰うかも知れないから心積もりはしといてね?」


「は、はい…」

「私が総督ですか…」


「抵抗、有る?」


「そ、そりゃ有りますよ!」

「急に言われましたし」


「まぁ、こっちも急に決まった事なんだ」

「元老院も急だよねぇ」


「…元老院?」


「あぁ、知らないんだね」

「総督になれば…、解るよ」


「…?」



読んでいただきありがとうございました

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