ゲ-ム前日
山の麓
「やっと着いたか」
「距離が有ったからな」
「時間的にも間に合うだろう」
「起きろ、鎖基」
「む…」
「ここは何処だ!?」
「今から奇怪神に会いに行く」
「お前も来い」
「うむ!!解った!!!」
「静かに頼むぞ?」
「狼亞ちゃんも居るんだから」
「うむ!!解った!!!」
「もう突っ込まないからな」
山中
「暑いな」
「季節柄の事もある」
「それに、ジメジメとした湿気もある」
「気合いだ!!根性だ!!!」
「コイツのせいで3℃ぐらいは上がってるよ、間違いなく」
「さて、そろそろだと思うのだが…」
「何が?」
「案内人だ」
「ワォオオオオ------…ン」
響き渡る狼の遠吠え
雨雲はそれに反応し、2人を誘導する
「狼亞ちゃんか」
「あぁ」
占い屋
「久しいな、奇怪神」
「お久しぶりですね、雨雲君」
「…怪我をしているのですか」
「軽傷だ、気にしなくて良い」
「お久しぶりです」
「火星君まで!」
「久しいな!!!」
「鎖基君まで来たんですか」
「貴方の心は騒音の塊ですね…」
「うむ!!!」
「火星!」
「お!久しぶりだね、狼亞ちゃん」
「ちょうだい!」
「はいはい、チョコ」
「わ-い!!」
「狼亞、お礼が先ですよ」
「ありがとう!」
「美味しい♪」
「さて、と」
「立ち話も何ですし、入りましょう」
「いや、ここで良い」
「急用なのでしたね」
「どうしたんです?」
「率直に言おう」
「No,2が裏切った」
「手を貸して欲しい」
「…私に軍に戻れ、と?」
「いや、今回だけで良い」
「奴の直属部下である絵道対策を願いたいのだが」
「断ります」
「…何故だ?」
「私は軍に一時的であろうと協力はしません」
「それに狼亞の世話もしなければいけない」
「前戦に出て貰う気は無い」
「あくまで裏方だが」
「それでもです」
「…そうか」
「残念だ」
「申し訳ありませんね」
「駄目だよ!パパ!!」
「え?」
「困ってる人が居たら助けなきゃ駄目なんでしょ!?」
「この前テレビで言っててパパも言ってたでしょ!!」
「こ、これはですね…」
「時間差墓穴ってヤツだな」
「…はぁ」
「しかし、私は狼亞の…」
「今回、雨雲と鎖基は任務に参加しません」
「ですから、2人に任せてみては?」
「…家事はできますか」
「簡単な料理なら出来る」
「力仕事は鎖基に任せれば大丈夫だろう」
「よろしくね!!」
「うむ!!よろしくな!!」
「…奇怪神さん」
「…仕方有りません」
「今から行くのでしょう?」
「はい、お願いします」
「では、行きましょう」
「狼亞!良い子にしているのですよ」
「は-い!」
「雨雲君と鎖基君に迷惑をかけてはいけません」
「は-い!」
「お菓子は?」
「1日1個だけ-!」
「よろしい」
「では、行ってきます」
「あぁ、それと」
くるりと踵を返す奇怪神
微笑み、一言だけ
「娘に手を出したら殺すぞ、糞餓鬼共」
「あの2人にそれはないですよ…」
(怖ぇ…)
廃墟ビル
「ただいまにゃん!!」
「nfeph8ob」
「遅かった故、心配した」
「ヴァミタにお友達ができたにゃん!!」
「ヴァミタに?」
「良い事なりね」
「ne3nt@」
「今度、ゲ-ムセンタ-を紹介して貰うにゃん!!」
「興味深い事故、詳しく聞きたい」
「どのような人物故、話に乗ったのか」
「食って掛かり過ぎぞ、狗境」
「唄巳は無能故、この愛らしさが解らぬ」
「聞き捨てならぬがね」
立ち上がる狗境と唄巳
「喧嘩はやめるにゃ!!」
「fpfe@o」
「…狗境の頼み故、仕方有るまい」
「次言うなれば俺も黙ってはおらんぞ」
「ほらほら、喧嘩しないの」
「あの人も帰ってきてるのよ?」
「…絵道」
「今回の形式、少しばかりあの人の趣味が入っておろう?」
「勝負とは思えぬル-ルぞ」
「それでも相手は従うわ」
「いいえ、従うしかない」
「…その為にあの人は軍本部まで行ったのかえ」
「そうよ」
「抜け目なきかな」
「それがあの人の良い所だから」
「その当の本人は何処ぞ?」
「奥で寝てる」
「…そうかえ」
「起きたときのために、茶を用意してやっては如何かな?」
「そうするわ」
「それと、寝る前にあの人から伝言を頼まれたの」
「何ぞ?」
「雑兵達にも伝達して」
「「決戦を前に伝達する」」
「「俺達は軍を潰すために戦うんじゃない」」
「「だから、無理な行動を起こすな」」
「「この戦いは狼煙に過ぎない」」
「「それを心に留めて戦え」と」
「解った」
「それと、コレはどうするのかね?」
唄巳の手には黒い錠剤
絵道はそれを見つめ、小さく呟く
「…貴方達が使いなさい」
「私には必要ないわ」
「しかし…」
「コレは私の我が儘」
「だから、貫き通させて」
「奴が元になった物なんて使いたくないの」
「あの人は本来、お前のために作ろうと決めたのだぞえ?」
「それでもね」
「…深くは言わぬ」
「だが、狗境は苦渋の決断でコレを使っておるのだ」
「いつかは決断の時も来ようぞ」
「…えぇ、そうね」
軍本部
20F能力開発局
「えっと…」
「貴女が森草 蜜柑さんですね」
「セントさんから話は聞いています」
「布瀬川さん、ですね?」
「はい」
「早速ですが、こちらへ」
「貴女の能力を利用させていただきます」
「…はい」
「でも、私の能力は役に立つんですか?」
「えぇ、賭に近いですが」
「賭…」
「貴女に危険は及ばせませんよ」
「それは安心ですね」
クスクスと愛想笑いをする森草
「えぇ、ゼロさんに怒られかねませんから」
それに合わせて布瀬川も笑う
「…さて、そろそろ笑い話は終わらせましょう」
「明日の明朝までに終わらせなければなりませんから」
「…はい」
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