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秋鋼  作者: MTL2
106/600

退院

病院


21号室


「…はぁ」


ため息をつく桜見


がらんとした病室には自分1人

先刻まで波斗が居たのだが、帰ってしまった


…その後、あの院長とかいう奴がナースに叩かれてるのを見たが、気にしないでおこう


「暇、だな」


コンコンッ


「はい?」


「失礼しまー…す」


「…森草か」


「えへへ、遅れてゴメンね」


「そんな事ねぇよ」

「それよりも、あの時は何処に行ってたんだ?」


「ちょっとね」

「…大丈夫?痛くない?」


「別に、言う程の傷じゃねぇよ?」

「頭が痛むぐらいかな」


「…良かった」


「そんな神妙にならなくても」

「…でさ、話は変わるけど」


桜見が戸棚から1枚の紙を取り出す

それは[九華梨夏祭り]と書かれている


「…あぁ、再来週にあるアレね」

「どうかしたの?」


「…一緒に行かない?」


「あ、その日は委員長業務が…」


「蒼空も来ます」


prrrrr


「もしもし?先生ですか」

「再来週の業務ですが今週のうちに終わらせますので」

「え?どうしてか、って?」

「べ、べべべべべべべ別に!深い意味なんて無いですから!!」

「それじゃっ!!」


プツッ


「…解りやすい性格してるな」


「ふ、深い意味なんて!!」


ガチャッ


「おーい、詳しい診断が」


「うひゃっっう!?」


「え!?」


「…あー、気にしなくて良いぜ」


「お、おう、そうか」

「急に叫ぶから吃驚しちまったよ」


「きゅ、急に開ける院長が悪いんでしょうが!!」


「あら?知り合いなのか」


「ま、まぁね」


「さて、と」

「詳しい診断結果じゃ脳に異常は無し」

「一時的なショックだったみたいだね」


「…そっか」


「もう退院して良いよ」

「あと、37号室のお知り合いさんも同じくね」


「世話になったな」


「いやいや、こっちも仕事だしね」

「じゃー、後は森草ちゃんよろしく」


「はい」

「それじゃ、さようなら」


「寂しくなったらいつでも来てね!」


「「絶対それはない」」


「…」



病院外


病院の前に止まっていたのは大きな車

まるで、マフィアが乗っているような黒く立派な車である


「何?これ」


「院長さんの配慮」

「そろそろ、蔵波と熊谷も来ると思うし」


「凄い配慮だな」


「お待たせー」


「遅くなったな!」


「来たわね」

「じゃ、行きましょう」



車内


「…なんかさ、マフィアっぽいよな」


「あぁ、それは俺も思った」


「呑気だな」


「呑気にもなるさ」

「あー、疲れた」


「ご苦労様」

「身体に異常があったら私に電話してね」


「何で委員長に?」


「あの変態糞親父と知り合いなんだと」


「へぇ、院長と知り合いなんだ」


「変態糞親父で通じるのね」


「蔵波と意気投合してたから」


「それ酷くね!?」




九華梨町


「じゃ、俺はここで」


「お大事にね、熊谷」


「うん」


バタンッ



「熊谷の家ってここだったんだな」


「知らなかったのか?桜見」


「…悪いかよ」


「いや、悪くはないけど」

「次は桜見の家か」


「…知っても変な事すんなよ」


「毎日、会いに行ってやろうか?」


「ばっ!?」


「もう、何を…」

「ま、前!!!」


ガシャァアアアッッッッッッッッン!!





電柱に衝突した車

エアバックが森草、桜見、熊谷、運転手の体を守った

しかし車は大破してしまい、とても動ける状態ではない


「…痛ぇ」

「大丈夫か?2人とも」


「私は何とか…」

「桜見は!?」


「俺の上です」


「気絶しちゃってるわね…」


「てか、何事だよ」

「どうしたんだ?」


「運転手さん!」


「わ、私めも大丈夫です」

「前に突然、大男が…」


「大男?」


「;odfh;w」


「ひっ!?」


車を覗き込む大男

手には箱を持っており、大事そうに抱えている


「お、オッサン?」

(メッチャ厳ついんですけど!?)


「け、怪我は無いですか!?」


「;ehwoho」


「何て言ってるんだ…?」


「…a]:it0」


手を動かしたり首を動かしたりと

ジェスチャーで「怪我はしていない」と伝える大男


「良かった!」


「e;fjw;i」


次は「貴方達は大丈夫か」と伝えている


「えぇ、大丈夫です」

「1人だけ気絶してしまっていますが」


「;eijh;io?」


「…怪我?」

「あぁ、怪我は無いみたいです」


「e;ohr;」


大男は安堵した表情になる

「出れるか?」とジェスチャーし、手を伸ばす


「あ、ども…」


蔵波と桜見は片手でいとも簡単に引っ張り出され

森草と運転手も同じく引っ張り出された


「;wh9」


ぺこりと頭を下げる大男


「いえいえ、こちらの不注意でした」

「申し訳ない」


こちらの運転手もぺこりと頭を下げる


「nf;oeiho」


「こちらこそ申し訳ない」


「h@h」


「いえいえ」



「…ずっと頭を下げ合ってるんだけど」


「にしても、結構いい人ね」

「人は見かけによらずってヤツかしら」


「だな」

「何処かのヤクザにでも当たっちまったと思ったぜ」


「あはは…」

「でも、桜見はどうしようかしら…」

「彼女の家、ここから距離有るわよ?」


「どんぐらい?」


「…2kmぐらいかしら」


「背負える距離じゃねぇ!!」


「n;e9h;」


ひょいと桜見を背負いあげる大男


「!?」


「nofe;o8」


「は、運んでくれるんですか?」


「n2i」


「…運んでくれるみたい」


「おぉ!助かる!!」

「お願いします!!」


「2@9kjkdb:」


読んでいただきありがとうございました

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