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秋鋼  作者: MTL2
105/600

No,2の部下

「…あ-、くそ」


「情けないわね」


「うるせぇ」


ソファに腰掛け、溜息をつくゼロ

ゼロの叩き付けられた机は真っ二つに割れてしまった


「この机なんてロンドンからの特注よ?」

「ウフフフフフフフ、幾らだったかしらぁ」


「…心中お察しします、布瀬川様」


「だが、納得いかねぇ」

「何で俺はぶっ飛ばされたんだ」


「攻撃をくらったからでしょうが」


「いや…、くらってないんだよ」


「はぁ?」


「攻撃をくらった、っつーより…」

「自分から机に飛び込んだみてぇな…」


「何?馬鹿なの?マゾなの?変態なの?」


「違ぇって」

「奴の能力か…」


「フン、テメーみたいなNo,3より、私の方が良いんじゃねーか?」

「交代しようぜ」


「馬鹿言え」

「…総督、No,2の提案で計画は大幅変更になるんじゃねぇのか」


「えぇ、その通りよ」

「面倒ね-、本当は奴のアジトに奇襲をかけてやろうかと思ってたのに」


「奴もそれを読んでたんでしょうね」

「むしろ、事前に知らせてくれたと思うべきかしら」


「ポジティブね」


「そうでもなけりゃ、やってられないのよ」

「だけど、逆に有り難いんじゃないかしらね?」


「そう」

「つまり、雑兵共を無視すれば良い」

「5人の幹部をぶち殺せば良いワケだし、人員的にはこっちに分が有る」

「有利な勝負じゃなくて?」


「…単純に考えれば、な」

「奴はそれ相応の脳味噌持ってんだ」

「こんな無謀勝負を挑むとは思えねぇ」


「何の秘策が有るのでしょうか」


「解らないわね」

「…白月、お願い」


「承知しました」


バタンッ


「白月には情報収集を頼むわ」

「織鶴、朝霧、ゼロ」

「アナタ達は明日に備えて人員の徴集をお願い」


「「「了解」」」


「こっちの準備は整ったわよ」

「覚悟しなさい…!No,2!!」




廃墟


ピコピコピコ

ドバ-ン!


「♪」


「ピコピコピコピコうるさいんだよ、利胡リウ

「静かに出来んのかね」


点滅する蛍光灯に照らされた個室


そこには茶髪で天然ボサボサ髪の男

黒い目で顔には右目から顎にかけての一筋の刺青

サイコロを手に持ち、コロコロと転がしている


「ゲ-ム故、音が出るのは当然」

「それ故、許すべき」


部屋の隅で項垂れている1人の男

黒い法衣と1本の刀

橙色の髪は後頭部に小さな三つ編みを結いでおり

顔には額から鼻にかけてまで包帯が巻かれている


「しかしね」

「利胡!少しぐらい音量は下げられよう?」


「え?何だにゃ?」


ヘッドホンを取る利蛙と呼ばれた女性

金髪のくるんと跳ねた柔らかな髪

尖った犬歯と猫のような顔つきが印象的で

白のパ-カ-を着ており、フリフリとしたスカ-トを着用

手にはゲ-ム機を持っており、首にはヘッドホンを掛けている


狗境クキョウ、お前は利胡に優しすぎはせんかね?」

「甘やかしては付け上がるのが子供ぞ?」


「子供故、厳しくはしない」

「未来有る幼き者故、愛でるべき」


「世の中ではそれをロリコンって言うのにゃ!!」

「変態だにゃぁ」


「…否定する意図故、否定する」


「それは無理が有るぞえ」


「あら?皆、帰ってたの」


「絵道お姉にゃぁあああああん!!」


利胡は走って絵道に抱きつく


「変態にゃ!変態が居るにゃ!!」


「あらあら、元からでしょう?」


「精神的なダメ-ジを受けた故、涙が出そうだ」


「笑い話は終わりにするかね」

「さて?絵道殿が帰ってきたと言う事は…」


「えぇ、デルタロスが上手くやってくれたわ」


「利用するだけして消すとはね」

「非道の極みかな」


「…今から始める事故、非道とは言えない」

「我等は下衆に成り下がる故」


「下衆なんて言わないで欲しいにゃ!」

「私はあの人の為なら何でもするにゃ!!」


「…何でも、ね」

「それじゃ-、コレも渡しておきましょうか」


絵道から3人にそれぞれ黒い錠剤が渡される


「…ふむ」


「話には効いている故」


「にゃ!」


「デルタロスの御陰で作る時間が取れたんだから」

「感謝しないとね」


「はて、もう1つの目的はどうしたのかな」


「天之川を探すのと時間稼ぎのために利用した故、結果が気になる」


「発見はしたわ」

「だけど、逃げられちゃった」


「協力して欲しいって頼むつもりだったのににゃ!!」

「聞く耳持たない奴にゃ!!」


「仕方ないわよ、向こうだって警戒してるだろうし」

「だけど…、邪魔も入ったのよね」


「邪魔?」

「軍の事であろうか?」


「いいえ」

「祭峰よ」


「…祭峰」

「奴が関わってくる理由が解らない故、謎」


「私もそう」

「こっちの計画が邪魔なのかしら」


「…解らない故」


prrrrr


「にゃ-!ヴァミタから電話にゃ!!」

「もしもしにゃん?」


『w::hj:hjhopeuaj』


「解ったにゃぁ!」

「大好きにゃよ!ヴァミタ!」


プツッ


「…何故、奴の言葉が解るのか」


「それは永遠の謎領域という物ぞね」


「何で皆は解らないのにゃ!?」

「ヴァミタが可哀想にゃん!!」


「怒る姿も美しい故、愛でたく存ず」


「うるさいにゃ!このロリコン!!」


「むぅ…」


「あの方は何処ぞ?」

「まだ帰ってきておらぬ様だが…」


「ヴァミタを迎えに行ってるんじゃないかしら」

「あの人、つい先刻まで軍に行ってたみたいだし」


「何と…、敵陣に乗り込むとは」

「大きく賭けるお方なりね」


「それが良い所よ」


「惚気話に興味など無い故」


「…悪かったわね」

「と言うよりもヴァミタは何処に何をしに行ったの?」


「前のアジトに忘れ物をしちゃったのにゃん!」

「だから取りに行ってくれてるにゃよ!!」


「何を忘れたの?」


「ゲ-ムソフト!」


「…はぁ、目が悪くなるわよ」


「眼鏡も…、良い故」


「少しは黙るべきぞ、狗境」





高層ビル


「…」


荒らされた高層ビルの一室に佇む大男

2mは有りそうな身長と服越しでも解る筋肉

髪と目は黒で、まるで鬼のような厳つい顔である


「…!」


部屋を見渡し、1つの箱を見つける


「…」


その箱には幾つものゲ-ムソフト


「…」


大男はその箱を持ち上げ、部屋の入り口の前に立つ


「待て」


「…」


「貴様、何者だ?」

「ここに何のようだ」


入口を防ぐ3人の男達

それぞれが武装しており、単なる一般人ではないとすぐに解る


「…;ogjiop」


「?」


「何を言っている」


「言語障害者か…?」


「90h@gewgh@」


「…仕方あるまい」

「ここを見られた以上、返すワケにはいかない」

「残念だが」


「…恨むなよ」


ガチャッ


大男の額に向けられる銃


「…sap8」


ゴキンッ!!!


「うぐぁ!?」


吹き飛ぶ男


「貴様!反抗するか!?」


「o8o82k」


「…チィッ!!」


パンッ!パンッ!!


「…」


ガキキィンッ!!


「嘘だろ…」


絶句する男

大男は皮膚で弾丸を弾いたのだ

男は直感した


勝てない、と


「おい!逃げるぞ!!」


「解ってる!!」


気絶した男を背負って逃げ出す2人


「…[@;[l[g1」


大男は少しだけ安堵したような表情となり、2人を見送る

…だが


ドォンッ!!


「ぎゃぁあああああああああ!!!」


「あぁああああああ!!!」


「…!!」


ガチャッ…


「情けをかけるなよ」


「…og;o2」


「敵だぜ?こいつ等は」


部屋へと入ってくるNo,2

彼の服は返り血で真っ赤に染まっている


「bohwui@h」


「お前の優しさは好きだぜ?」

「だけどな、戦場において[優しさ]は[甘え]だ」

「そこを理解してくれよ?ヴァミタ」


「…:ghwhi」


ヴァミタと呼ばれた大男は項垂れ、箱を抱え込んだ



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