表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/14

都平連理2

くるみさんとの久しぶりに会えた翌日、

気分よく学校に登校すると、

何やら都平君が疲れ果てているようでした。

机に突っ伏して寝ているようにも見えました。

まだ朝なのに。昨日何かあったのでしょうか。

起こしてはかわいそうですが、私は都平君の隣の席なのでどうしようもないです。

なるべく音をたてないようにゆっくり静かに近づいて。荷物を下ろす。

「…ん」

だめだったようです。起こしてしまいました。

ゆっくりと都平君が顔を上げて私を確認するように数度瞬きをしました。

「……おはよう。真代さん」

寝ぼけ眼で、ひどく疲れた声で都平くんが声をかけてきます。

「おはようございます。都平君。なんだかとても疲れているようですけど大丈夫ですか?」

私が心配して聞くと、なんだか都平君はなんだか気まずそうに笑いました。

明らかに大丈夫ではなさそうです。

最近お疲れなようでしたけど、今日は特におかしいです。

「いやぁ。ちょっと。思ったより大変で…というか好奇心がすごいというか、わがままお姫様というか…」

のろけですか。心配して損しました。

いや、ペットを飼い始めたのかもしれません。

「…そういうわけで、真代さん。これからも妹をよろしくね」

おや。なんのことでしょう。なぜいきなり妹さんの話題に?

そもそも都平君に妹さんなんていたのでしょうか。

私たちは一年生ですし、来年入学してくるとか?

そんなことを考えていると。スパンと激しめの音を立ててクラスの扉が開きました。

「未来」

私はあまりのことに驚いてしまいました。

だってくる※さんが私のことを呼んでいる。

クラスまで来てくれている。いつも中庭にしかいない彼女が…

あれ?彼女は連理さんだ。何でわたし※※みさんだと思って?

そんな疑問に固まる私に、ずんずんと彼女近づいてきて、物語の王子様のように私の顎をくいっと持ち上げて視線を強制的にあわせてきました。

そうだ。彼女は背が高くて。高くて?一緒くらいだったはずなのに。

都平君と同じくらい高い?あれ?

「どうしたの未来?私がクラスに来てうれしくないの?

前に私が未来を探してくれないなんてひどいって言ってたじゃない。いつも未来ばかりを探してるって。

だから探しに来たのに。ひどいわ」

彼女は随分とふざけた様子でわたしにしなだれかかってきましたが、

そうです。いつだって私が連理さんを追いかけてたのに。そう思うとなんだかドキドキしてきました。

疑問も何もかもどうでもいいことです。すべて吹き飛んでしまいました。

とてもうれしかった。だから連理さんに思いっきり抱き着くことにした。

嬉しそうに連理さんも抱きしめ返してくれる。暖かい。うれしい。

ふと都平くんからなんとも言えない視線を感じます。今はそれどころではありません。

大丈夫です!妹さんはお任せください!!

「そう。未来。私ね。スマホ持つことにしたの。一緒に選んでくれる?使い方も教えて」

「もちろんです!」

お出かけだ!!今まで一度も行けなかった。お出かけだ。

しかも連理さんから誘ってくれるなんて。

こんな日が来るとは正直思っていなかった。

………けどなぜ思えなかったのか思い出せない。

都平君は甘いと思って食べたキャンディがとてもすっぱかったような顔をしてこちらを見ている。どういう感情なんでしょう。

そんな疑問を打ち消すように予鈴が鳴った。残念です。

「連理。もう教室に戻らないと」

「命令しないでくれる?」

都平君を切り捨てるように連理さんはそっぽをまきます。

「でも連理さん。遅刻してしまいます」

「未来がそういうなら…またくるね。待ってて」

そういうと連理さんはお兄さんのほうを見もせずさっさと教室を出ていっきました。

待ってて。だなんて、初めて言われました。

思わず頬が緩んでしまいます。


でもわたしは、そう今度はわたしが都平君をなんとも言えない非難がましい目で見る番です。

「ごめん。反抗期なんだ」

視線に気づいた都平君は私にそう弁明します。

「都平君」

「阿坂でいいよ。妹と紛らわしいだろ」

「では。阿坂君」

彼は私のほうを微笑んでみています。対する私の視線はよっぽど冷たいのでしょう。周りのクラスメイトが遠巻きにしています。

それでも予鈴がなってバタバタと教室は騒がしくなっています。

彼そう。わたしの彼に対するイメージもバタバタと変わり始めています。

私は問いただします。

「連理さん。何でスマホ持ってなかったんですか?」

「反抗期なんだよ」

「なんで夏休み結構な頻度で学校いたんですか?」

「反抗期で家にいたくないんだよ。きっと」

「お弁当も持たずに?」

「反抗期なんだよ」

「お菓子いっぱいくれたのか何でですか?」

「反抗期だから僕が作ったって言ったら食べてくれないんだよ。きっと」

「お小遣い上げてます?」

「そういうのに無頓着なんだよ」

なんでも反抗期と言えば済むと思っているのでしょうか。馬鹿にしてるようにも思います。

にわかには信じられる内容ではありません。

家庭内に問題があると思うしかないような状況でした。

さすがに私が家庭環境を疑っていることに気付いたのか阿坂君はあーでもない、こーでもないと言い訳を始めます。

とても胡散臭いです。

どんどん私の目線がきつくなっていくことに自分でも気づいていました。

でも先生が教室に入ってきてしまいました。いったん話はここまでのようです。

でも最後に聞かなくてはいけません。

「なんでそんなに仲が悪いんですか」

「あ~それはきっと」

阿坂くんはちょっと困ったようにほほを掻きながら言いました。

「僕がお兄ちゃんだからかな?」

そう言って笑う阿坂君は本当に意味が分かりませんでした。

とっても情けない顔でした。安心したようにも泣きそうにも見えたからです。

それがあまりにも可哀想な顔に見えたので仕方がないからこの件はいったん保留にすることにしました。

連理ちゃんのためです。彼女が何かを教えてくれるまで。私は彼女の何も疑わないと決めたので。

今回も同じように接するだけです。

いつものように過ごすだけなのです。

そうですともこれは私の物語(じんせい)なので。自分の決めたように過ごすのです。

ありがとうございました。こちらで完結です。

番外編は少々お時間をください。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ