第一章 まずは荷造りして空港に行く
少し、更新ミスがあったので再投稿しました。
家に着いて、手洗い・うがいを済ました俺は、自分の部屋でクー〇ッシュを飲みながら、スマホで家出に関する調べ学習を始めた。
準備の仕方や、警察の対処法、泊まれそうな場所を調べた上で、飛行機の予約手続きをする。
そして、心を鬼にして、予約完了ボタンを押した。
両親がいない今を大切にし、次は荷造りに移る。近所のスーパーで朝食用のパンと紙コップや消毒液などといった、救急グッズも買っといた。食べ物は家に帰ったらこっそり盗むとして、家に帰る。スナック菓子や飲み物、家にある食べ物を怪しまれない程度に少々盗んで、バランス良くリュックとキャリーケースに詰める
ーーーするとーーー
「仁優ー、ただいまー」
「て、おい!?何、リュックとキャリーケースを用意しているんだよ!?」
俺の親父が目を丸くしながら、驚くように言った。
「あ、親父お帰りー…」
俺は何となく、気まずい空気の茶を濁した。
「だから、そのリュックとキャリーケースは何なんだ?怒らないから答えろ」
親父がせがむように俺の旅行について聞き出そうとしてくる。更に信用出来ない言葉も放ってきて、親父のプレッシャーに負けそうだ…
「ちょっと、りょ、旅行に行こうと思うんだよ… 一人で…」
俺は恐る恐る家出するのをひっそり、言い換えて親父に伝えた。
「おぉ、旅行か?なんで行くのか言ってみ?」
親父はまた質問をしてきた。俺は今の学校生活が辛いのとたまには別の環境で過ごしてみたいと自分の思いをがむしゃらで全部、親父に言った。すると、親父が思いも寄らない返答をする。
「そっか、行っておいで。母さんには俺から伝えておくし、学校にもちゃんと体調不良という事で欠席させといてやるから、安心して一人旅を楽しんで来い仁優。但し!困った人がいたら、積極的に助けろよ。お前は正しい性格の持ち主なんだから、そこは忘れるなよ。」
親父は俺の肩を軽く叩きながらそう言った。
「後、これ仁優、生存報告をするために俺と母さんの連絡先」
「ありがとう、親父」
親父が俺に二人の連絡先が書かれているメモ用紙を渡し、俺はありがたく受け取る。
「よーし、俺も荷造りを手伝うよ。終わったら、夕食だ!仁優の好きなざるそばを作ってあげるぞ~」
俺は親父と大切に家族の会話を楽しみながら荷造りをした。荷造りが終わって、俺はテレビを観ながら親父が作るざるそばを待っていた。途中で母さんも帰ってきて、ちょうどざるそばも出来上がった。
(両親と一緒に食べるざるそばは最高だ)
母さんにはちょっと家出をするのは自分から言わずに親父から伝えるように任せた。
お風呂に入り、明日のスケジュールも立てといてたらもう寝る時間になっていた、俺は目覚まし時計を4時にセットして、歯を磨いた後トイレをし眠りに就いた。
(しばらく、自分ちの寝床とも離れることになるのか...)
俺の癒しでもあったこの布団とも離れると考えると、少しモヤついてしまった。
(あれ?何か急に眠気が...)
山浦先生に怒られて泣き疲れたのか、旅行の準備で体力を使い果たしたのか、夕食のざるそばを食べて眠くなったのか何故かわからない。
そして、翌日...
4時に起きた俺は、茶の間へと向かい昨日買った朝食用のパンをぱくつきながら、身支度をする。歯を磨き終わり、自分のお小遣いを最大限に大きな財布に入れた。身分証明書や保険証も確認。
(本当にこれで足りるのか...)
そう不安に思いながら、リュックを探ると入れた覚えのない封筒があった、出してみると...
「仁優、これ旅行費の30万。母さんには内緒な。お土産もよろしく! 親父より」
(全く、俺の親父は息子思いがデカいよ)
俺は旅行費を再びリュックに戻して、リュックを背負い外に出た。俺の家の近くには空港行きのバス停がある。なので、運賃以外のところを見ると、スムーズに空港まで行けてしまうのだ!
とか、考えていたら、バスがやってきた。数着の着替えが入ったキャリーを下のトランクに入れ、バスに乗る。俺はバスの中で、東京の観光ガイドを真剣に読んでいる。すると...
「うっぷ...」
(やべぇ... ずっと下を向いてたから、気持ち悪くなってきた!)
「おい、兄ちゃん!大丈夫か!」
俺の真後ろに座っていた、乗客のおじさんが異変に気付いた。
改めて、俺の旅行という名の一人旅が始まった。
お久しぶりです、ナナットです。不定期更新と言いながらも、四ヶ月強の間ストーリーを更新出来ずに誠に申し訳ございませんでした... 不定期更新はありますが、必ず半年以内には新しいストーリーを投稿していくので、どうか温かい目で見守ってくださると助かります。