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プロローグ
もし輪廻転生というものが存在するのなら。燃やし尽くされて灰となった私の骨が、たんぽぽの綿毛のように、巡り巡ってどこか遠くで新たな生を芽吹いてくれるのなら。もし、もう一度、女として生まれることが出来たなら。
その時には、私が私の人生の主人公になってみせよう。誰もが羨むような美貌などいらない。他人から愛されなくたっていい。他人が仕組んだ盤の上で、勝ち目などあるはずもないゲームで血を流すのは、もう終わりにしよう。他人の人生を引き立て役として生きるのは、やめる。本当は、私は私を愛することが出来る、強い人間のはずだったのだから。
神様、仏様、閻魔様。あなたさえ良ければ、もう一度、生きてみたいのです。憎悪にとらわれることのない人生。恐怖に足元をすくわれることのない人生。鏡に映る自分を眺めて、無色の血を流すことのない人生。
もう一度だけ、チャンスをください。
試投稿です