祈り
この世界には落とし穴がある。
それらは誰の目にも見えない。
この世界には落とし穴がある。
落ちたら誰も生きて返れない。
この世界には落とし穴がある。
それらは神様にさえ見えない。
わたしは思うのだ。
わたしが落とし穴に落ちていないのは、運がいいからだと。
わたしは思うのだ。
落とし穴に落ちてしまったみんなは、運が悪かったからではないと。
わたしは思うのだ。
誰でも次の瞬間に、落とし穴に飲み込まれ、死んでしまう可能性があるのだと。
だけど多分、仕方のない事なのだと思う。
なにせこの国は、災害大国と言われている。
だけど多分、仕方のない事なのだと思う。
なにせこの世界は、たくさんの危険にあふれている。
だから多分、仕方のない事なのだと思う。
わたしたちが「今」悔やむ必要はないし、大きな声で泣けばいいのだと思う。
誰に責任があるでないのだし、ひとくくりにする必要はないし、それぞれでいいのだと思う。
あの日のことを、たぶんわたしは、一生忘れない。
いや、わたしだけでない、この国中の誰もが、あの日のことを忘れない。
あの日のことを、たぶんわたしは、一生忘れない。
いや、わたしだけでない、この世界中の誰もが、あの日のことを忘れない。
わたしたちは、大勢の人間が落とし穴に飲み込まれていった、あの日のことを決して忘れない。
あの日のことを、たぶんわたしは、一生忘れない。
この世界には落とし穴がある。
それらは誰の目にも見えない。
この世界には落とし穴がある。
落ちたら誰も生きて返れない。
この世界には落とし穴がある。
それらは神様にさえ見えない。
わたしは思うのだ。
わたしが落とし穴に落ちていないのは、運がいいからだと。
わたしは思うのだ。
落とし穴に落ちてしまったみんなは、運が悪かったからではないと。
わたしは思うのだ。
誰でも次の瞬間に、落とし穴に飲み込まれ、死んでしまう可能性があるのだと。
人間はだから、生きているだけで美しく、そして儚い。
そう、あなたも。




