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☆彡海底の神秘、海底都市 ~ 記憶の残骸(ワスレラレシダイチ) ~ Ⅰ


 

 コポポ……



 細かな泡沫が上へと昇ってゆく。


 あなたを乗せたバスは、うっすらと海に零れる月光を辿るようにして、ゆっくりゆっくりと海の底を目指して沈んでいく。


 窓の向こうでは、色とりどりの魚が泳ぐ。クラゲもふわふわ…と優雅に海を漂う。

 すると突然、窓の向こうに大きな魚の影が現れる。鮫だ。鮫があなたの傍の窓を横切りながら、あなたをぎろりと見る。あなたはきっと、鮫の鋭い牙を目の前にして、ドキリとするでしょう。

 

 ネイビーブルーからダークブルーに青が濃くなりそして…黒く暗くなってゆく。


 海の底へ底へと沈んで行く、バス。




 深海。


 真っ暗な世界。深くて濃い、闇が広がる。


 バスのライトが前方を照らすが、黒が濃すぎてライトが遠くまで届かない。

 時折、窓の向こうにぬうっ…と、頭のアンテナの先を光らせた、顔の怖い提灯あんこうや内臓が透けて見える奇妙な魚。そして、まるでネオンのようにカラフルに光るクラゲがふわふわと泳ぎ過ぎていく。


 暗くて濃い闇をゆったり…と沈んでゆくバス。


 あなたはバスに揺られながら、少しウトウトしてくる…


 すると、濃い闇の向こうに、緑の輝きがチカリ。


 まるで、宝石のエメラルドのような輝きが、キラキラと闇に零れてきた。

 そして。



 ────トプン。



 バスが深くて濃い闇を抜けると…そこには、エメラルドグリーン揺らめく海底が広がりそして、苔だらけの建物がたくさん立つ、大きな都市…海底都市が、バスの目の前に…あなたの視界いっぱいに現れた──────



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― 新着の感想 ―
[良い点] 不思議なんですよね…… 世界に引き込まれる感じ…… それでいて、とーっても、落ち着く…。 なんだか、憂鬱さや荒振る気持ちの波が凪いで── どこかへ、いった。 君に、ゆらり──☆彡
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