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究極のパナシーアポーション

 一旦、大聖堂を出てジェームズという商人を探しに行く。


「確か、ヨーク共和国の北だったな」

「あたしが運びましょうか!」


 スイカが手を挙げる。


「や、さすがに大きなドラゴンが空を飛んでたら大事件だ。スイカ、君はそのまま人型でいてくれ」

「分かりました~」


 そのまま歩いて向かう。

 多くの人達とすれ違う。

 ここは治安もよさそうだな。



 何事もなく言われた通りの店まで来た。このお店か。どうやら、普通のお店らしい。中へ入っていく。



「お邪魔しまーす」

「おや、いらっしゃい――って、君はどこかで」


 いたいた。あの顔は間違いない。ジェームズもこちらに気づいて僕の顔を観察する。



「ランカスター帝国の前で会いましたよ」

「ああ、そうでした! 外で会いましたよね。まさか、こんな遠い共和国まで来られるとは」


「はい、このドラゴン族のスイカに乗せて貰ったんです」

「こんな小さい子が!?」


 信じられんとスイカを観察するジェームズ。まあ、大きかったり小さかったりする変幻自在娘だからな。



「とにかく、話があるんだ、ジェームズ」

「いいでしょう、分かりました。こちらへどうぞ」



 お店の中へ入っていく。

 奥に通されると別次元が広がっていた。……なんだ、この緑の森。嘘だろ?



「ヘンリーさん、こ、ここって!」

「あ、ああ……まるで妖精の森みたいな美しさだ。なんでお店の奥がこんな空間になっているんだ?」


 僕、ヨーク、スイカ共々、圧倒的な自然の前に立ち尽くす。ジェームズは、そんな状況に笑っていた。


「そうでした、驚かせて申し訳ないです。この先はある方の力が及んでいるため、こうなっているんです」


「ある方の力?」


「ええ、女王様です。実は自分、女王様に認められて懇意にさせていただいているのです。おかげでレアアイテムの取引も優先させてもらえるようになったんですよ」


「それは凄いな。それで、その万能薬的なポーションはないかな」


「ふむ。どうしてそのようなポーションをお求めで?」



 僕は、事情を話した。

 ジェームズは、うんうんと頷き理解を示してくれた。



「……という感じ」

「そうでしたか、仲間の為と。なら、究極と呼ばれている『パナシーアポーション』でしょうな。完全回復だけでなく、あらゆる病気や呪いを消し去り、二度と同じ病や呪にならなくなる最強のポーションです」


「パナシーアポーション? なんだそれ、凄いな」


「はい。まさに万能薬です。ただ、この共和国に一本しかない超レアアイテムです。入手は困難ですよ」


「どうしたら手に入る?」


「入手方法は教えられませんが、女王様を助けていただければ差し上げますよ」

「マジ!? 分かった。請け負うよ」

「助かります。女王様は、ある男に狙われているようなのです。暗殺を阻止して欲しい」


 なんだって……暗殺だって!?

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