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オークの軍勢を討伐

 屋敷で一泊し、朝を迎えた。

 クリフォードとリーゼが出迎えてくれて、しばしの別れを告げた。



「ありがとう。クリフォード、リーゼ」

「いや、こっちこそランカスター帝国の平和を取り戻せて嬉しいよ。奴隷も解放できたし、もう奴隷売買も消えてなくなった。悲しむ人もいなくなったはずだ。これは全て、ヘンリーの手柄だ」


「そんなことは……」


謙遜(けんそん)しなくていい。胸を張ってくれ」



 そこまで褒められると悪い気はしなかった。次にリーゼが頭を下げた。



「不自由な体を治していただき、感謝しかありません。まさか特殊な呪いが掛かっていたなんて……それが、今回の事件と関わっていたなんて。

 ヘンリー様がいなければ、わたしは一生身動き出ない不便な体のままでした。ありがとうございました」


 抱きつかれて、僕は照れた。

 リーゼは、スイカよりちょっと年上の小柄の少女。しかも、絶世の美少女。そんな子から感謝されて僕も嬉しかった。



「体を大切にね、リーゼ」

「はい、またお屋敷にいらしてください」

「約束する。じゃあ、また!」



 手を振って別れた。

 ヨークとスイカもブンブン手を振って、クリフォードとリーゼに別れを告げた。また、いつか来よう。このお屋敷に。



 * * *



 ランカスター帝国を出立。

 気持ちの良い青い空の下を歩く。

 門番の帝国騎士に手を振ると、向こうも手を振って返してくれた。すっかり仲良くなったな。


 草原フィールドへ足を付け、先を進む。目指すは中立地帯・スコット。モンスターにさえ気を付ければ、やられることもない。しかも、あれからかなり強くなったし、強い味方もいる。


 ヨークは、あれから支援魔法が強化されたようだ。スイカも同様にレベルアップを果たしていた。特に、スキルのレベルが大幅に上昇。ブレス攻撃は凄い火力を持つようになったようで、オークとかゴブリンなんて瞬殺みたいだ。



「スイカ、ちょっとスキル使ってみてくれる? ちょうど、オークの群れがいるし」

「あぁ、あのグリーンオークですね。では――ダークブレス!」



 ドォォォと黒炎が噴き出ると、二十ほどいたオークが焼死。一瞬で消えてなくなった。大量のアイテムをドロップ。自動回収した。


 へえ、こりゃ強いや。


 ちなみに、あのオークは帝国騎士の人が言っていたけど、近くの村を襲ったらしい。ついでに討伐できて良かった。


 そういえば、オークと言えば……アサシンさんは無事だろうか。今、いったいどこで何をしているんだろう。


 気になりつつも、僕は先へ進んだ。


 ある場所で休憩となり、草むらに横へなっているとヨークが膝枕してくれた。



「ヘンリーさん、いかがですか」

「さ、最高だよ。うん、ありがとう」

「いえいえ、今まで大変でしたから。だから、ヘンリーさんの疲れを癒していくのが、わたくしの役目です」


「いつも済まない。僕は金貨を生み出すしか脳がないけど」

「その奇跡の力が、いずれ世界を救うんです」


「え? どういうことだい?」


 聞いても、ヨークは答えてくれなかった。どうやら、まだその時ではないらしい。英雄王、英雄王かぁ。そんなものになる日が訪れるのかな。

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