みんなと一緒に添い寝
あれから、時間は流れて食事へ。
クリフォードのお手製料理をいただいた。どうやら、彼は聖騎士ながらも料理が大得意らしい。イノシシモンスター『グリンブルスティ』の肉を使った牡丹鍋という、見た事もない料理を味わった。
僕もヨークも、みんな風変わりな料理に夢中になった。
「――美味かったぁ」
「はい、こんなお鍋は初めてでした!」
ヨークは満腹になったのか、幸せそうに笑みをこぼしていた。スイカも同様。食べ過ぎたようで倒れていた。
「お酒も美味しい。これは上等なシャンポンだ」
アサシンさん、またお酒。
好きなんだなぁ。
クリフォードとすっかり仲良くなって、酒を酌み交わしていた。いつの間にあんな親しい仲になったんだ!?
「まさか、ヘンリーくんにこんな美人で、お酒の味の分かる暗殺者の仲間がいたとはね」
「まあね。アサシンさんも大切な仲間だよ」
「そうか、美しい女性が多いんだな」
あんまり気にしたことがなかったけど――そういえば、そうだな。納得しながら、もちもちゼリーのデザートをいただいた。
* * *
大浴場で汗を流し、そのまま部屋へ戻った。風呂では、ヨークたちに囲まれた大事故イベントがあったけど……忘れよう。
あれは天国のような地獄のような、なんとも言えない時間だった。……とはいえ、みんなの裸を目と脳に焼き付けてしまった。しばらくは興奮で寝れそうにないかも。
部屋にあるだだっ広いベッドに身を預けると、ヨークとスイカ――そして、アサシンさんも寝そべってきた。というか、添い寝してきた。
「み、みんな……その、良い匂いがするし、柔らかい」
ヨークは僕にべったり。
スイカはお腹に乗って来るし、アサシンさんも身を寄せてくる。……こんなの寝れないって。
「ヘンリーさん、おやすみなさーい」
ヨークは、あくびをして既に瞼を閉じていた。はやっ!
「あたしも寝ますぅ」
スイカも! たった三秒で寝やがった!
「では、私もぉ……すぅ」
アサシンさんは、お酒が回っているせいもあるのか一秒も立たずに眠った。みんな、寝るの早い!!
僕は寝れないよぉぉぉ……。
くぅ、これは参ったな。
まさか、女の子に囲まれるなんて思わなかった。寝れるか分からないけど、僕は必死になって睡眠に集中した。
* * *
――朝を迎えた。
僕は結局、ほぼ一睡もできず起床した。それもそうだ、ヨークたちの寝息とか、たまに触れる肌とか、胸の感触とか……いろいろあって僕は寝れなかった。
あんなの無理だ。
お風呂の件といい、ベッドといい……このままだと僕、死んじゃうよぉ(泣)
だけど、今日はガヘリスを探すために『酒場・ボンボヤージュ』へ向かわねば。ウェイクフィールドへ降り立ち、ヤツを倒す。それが最大の目的だ。
ホワイトポーションを飲み、疲労とか緊張、寝不足を解消した。これで少しはまともに動けるはずだ!
クリフォードと合流して、酒場・ボンボヤージュへ向かう。