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金貨の秘密

「君はいったい、何者だ?」

「ダークエルフの国・ヘッジレイ生まれのドラゴンです」


 青白く光ると、スイカは人型に変身した。ていうか、人型になれるのかよっ。


 現れたのは、子供サイズの人間でドラゴンの翼が頭と背中から生えていた。八重歯が可愛らしい――って、嘘でしょ。


 まさか人型になれるとは。


「スイカ、君……」

「はい、魔力を使って人型にもなれるんですよ~」

「驚いたな。魔力が高いとは思ったけど、まさかこんな女の子にもなれちゃうなんて」


 ファイアブレスといい高火力すぎるとは感じていた。だから成長すれば凄いドラゴンになるだろうとは思っていたけど。

 こんな早い段階で人型を拝めるとはなあ。


「あの、主様。改めて拾って下さってありがとうございました」

「いやいや、こっちこそ驚いたよ。これからも、僕についてきてくれるかい?」


「はい。あたしはもうテイマーであるヘンリーさんに名前も付けて貰っちゃいましたし、それに、居心地がいいのでいさせて欲しいくらいです!」



 そうか、テイマーが名前をつけると絶対服従になるんだったな。それが『ぷちテイマー』であろうともね。


 だけど、あの中立地帯スコットのテイムショップにこんな子が売っていたなんて……どういう経緯で売られていたんだろうと、僕は不思議に思った。



「それは良かった。僕としてもスイカにはいてほしい。よろしく」

「よ、よろしく……ですっ」


「うん。それじゃスイカも寝るといいよ。今晩は僕が見張りをするし」

「それなら大丈夫です」


 スイカは、魔力を込めて掌から何かを召喚(?)した。なんだあの塊。炎の形をした……人のような。その手には火の剣。あれで斬られたらよく燃えそう。


「これはなんだい?」

「ファイアナイトという精霊術です! この子達が周囲を守ってくれますから」

「すごっ。スイカ、君の魔力はどうなっているんだい」

「さあ、自分でもよく分からないんです。なんだか、ヘンリーさんのペットになってから魔力が増した気がするんです」


 えっ……僕と?

 僕なんて所詮は『ぷちテイマー』だぞ。

 ぷちってことは、最底辺も最底辺。

 プロテイマーからした、カス扱い。


 そんな僕が影響を与えているのか??


「ありえないな。僕なんて金貨を作り出すか投げるしか能がない」

「それかもです!」

「え?」


「実は『金貨』には魔力があると言われているんです」

「魔力が? うそ、ギルド職員時代にそんな情報はなかったぞ」


「でしょうね。でも、世界共通の貨幣『サマセット金貨』はダークエルフの国・ヘッジレイから出回っているものですよ。

 あたし、ダークエルフの国で聞いちゃったんです。金貨は、凄い力を持つと」


 ――マジかよ。

 それが事実なら、僕は密かに莫大な魔力を持つことになる。金貨投げの威力も頷ける。そうか、もし影響しているならスイカがやたら強いのも納得がいく。


 なら、ぷちテイマーでも最強!?


「なんだかよく分からないけど、自信がついたよ」

「良かったです。では、あとはファイアナイトが守護してくれますし、寝ましょうか」

「そ、そうだな。分かった。スイカの能力を信じるよ」

「ええ、お任せくださいっ」


 スイカの能力を信じ、僕は眠りに就いた。

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