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SSS級防具などを装備しまくれ!!

 中央噴水広場のベンチに座って、結構な時間が経った。ヨークは、ずっとドラゴンの名前に悩み続けていた。

 そんなに唸って……無理に決めなくてもいいんだぞ。


「思いつかないのか?」

「……うぅ。ちょっと待って下さい!」


 仕方ないな。

 その間に僕は、さっき買ったアイテムを装備していく。



【A級タリスマンアーマー】

【詳細】

 ヨーク共和国製。丈夫で軽量に作られている為、全ての職業が装備可能。

 防御力(DEF) +1000。



【S級オーダーグリーブ】

【詳細】

 ペンデュラムクエスト:天上の妖精王をクリア達成で入手できる最上級の靴装備。

 防御力(DEF) +3000。

 装備者の移動速度(Agility)を二倍にする。



【SS級オークマント】

【詳細】

 EXボスモンスター:ブラックオークロードのSS級ドロップ。

 回避力(FLEE) +500。

 完全回避 +100。



【SSS級ルートガントレット】

【詳細】

 インフェルノダンジョン最下層:凶星カオスヘッドを撃破すると入手可能。


 ①物理攻撃力 +1000~10000%(ランダムアップする)。 ②魔法攻撃力 +1000~10000%(ランダムアップする)。 ③ドロップアイテムを自動で回収し、アイテムボックスに収納する。



 今回はこの四つを装備。

 A級以上の装備で固まったな。

 アイテムの詳細とか吟味していると、ヨークが手を鳴らす。


「決まったのか?」

「はい、決まりました!」

「で、ドラゴンの名前は?」


「ええ、発表します! その名も“スイカ”ちゃんです!!」


 スイカ……?

 って、ちょうど横切った業者が果物の『スイカ』を運んでいた。ヨークのヤツ、あれを見て決めやがったな。まあいいか、可愛い名前だし。


「スイカか。悪くないな」


 スイカも“ウンウン”と頷いているし、どうやら気に入っている様子。良かった、良い名前がついたな。



 さて、次はヨークの服だな。

 さすがに修道服ばかりも飽きるだろうし、それにもっとオシャレもして欲しいと僕は思った。


 というか、そもそもこの力はヨークのおかげなので、贅沢はさせてやりたい。


 そのまま露店街を回っていく。


「ここって、お店がずっと続いていますね、ヘンリーさん」

「中立地帯は冒険者が多いからな。商人が道端でレアアイテムとかを売買するんだ」

「さすがお詳しいですねっ」

「元ギルド職員だからな」


 ぐるぐる店を回っていくが、洋服は中々決まらなかった。


「ヨーク、かなり回ったけど決まらないじゃないか。もう修道服でいいんじゃない? それ、一応レア装備だろ」

「ま、まあ……そうですけど。ちなみに、S級のセイントローブですよ」


 そうだったのか。道理で豪華な装飾がなされていると思った。防御力も高そうだし、なんだか神聖な効果もありそうだった。ちょっと詳細を見てみてみたいところだが、ヨークが拒否した。なんでだよっ。



「見せてくれないのか」

「ヘンリーさんのえっち!」

「えっちって、別に触ってないだろう」

「女の子は秘密が多い方が魅力的って言いますからねっ」



 誰からの受け売りなんだかな。ともかく、ヨークの着るS級セイントローブは逆鱗に触れるようなものだから、止めておこう。


 そんな中、教会というか大聖堂の前に通り掛かった。この中立地帯スコットの『セント・ポール大聖堂』とかいうところだ。


 大きくて信者も多く行き交っていた。

 シスターもあっちこっちにいる。特に彼女らは、異質であるかのようにヨークをジロジロ見ていた。しかも、ヨークの服装を(けな)していた。


「なにあれ、だっさ~」「えっ、あれってヨーク共和国じゃない?」「ああ、あの異端の」「異教徒よ」「うわ、悪魔の子!?」「きもぉ~」「見ない方がいいわ」


 うわ、差別的だな。

 その中から気の強そうな若いシスターがヨークの元へ寄っていく。


「そこの貴女、セント・ポール大聖堂の前で何をしているの」


 急にビンタが飛んできて、俺は彼女の腕を掴んで止めた。


「やめろ。ヨークに罪はない」

「チッ、あんた何よ」

「この子の連れさ。というか、仲間だ。いきなり暴力はいけないよ」


「黙りなさい! このセイントローブは、ヨーク共和国の異教徒。邪教とも呼ばれているヨーク大聖堂の者ではありませんか!」


 ヨーク大聖堂?

 なんでもかんでも“ヨーク”だな。やっぱり、ヨークは共和国と何か繋がりがあるのか。しかし、共和国は極東にある為、そう簡単に行ける距離ではない。だから、ギルド職員である僕でも情報をそれほど持ち合わせていなかった。


 また、秘密の多い国とも知られ閉鎖的だった。その為、元からそれほど情報が多いわけでもなかった。


 だからって、ヨークを差別していい理由にはならない。僕はこの子を守る。


「ヘンリーさん、わたくし……黙っていてごめんなさい。でも……でもぉ」

「泣くな、ヨーク。僕は君を信じているし、守り続ける」


 ……あれ、なんだろう。

 涙を指で(すく)ったら、すっごく体力が回復した。もしかして、ヨークの涙には魔力が宿っているのか?


「泣いても無駄よ、この魔女!」

「やめろ、ヨークは魔女ではない。聖女だ」

「聖女? ふざけないで!」


 またヨークを狙ってきたので、僕は『金貨増殖バグ』を利用して、偽物(・・)の金貨を性悪シスターの脳天へ雨のように降らせた。



「ほれっ」

「――があっ!?」



 重さに耐えきれず地面に埋もれるシスター。周囲の信者が何事かと振り向き、金貨の山に気づく。



「おいおい、金貨だぞ!!」「なんだこの数!!」「すげえええええ」「あの聖女様が起こした奇跡だって!?」「おおおおおおおお」「金持ちだあ!!」「拾え拾え!!」



 わぁぁと金貨の山に殺到する信者たち。偽物(・・)なんですけどね。


 おかげで性悪シスターは、信者に踏まれまくっていた。



「いたっ、いたい、やめ、やめて!! 私を踏まないで!! あっ、ああ、ああああああああああああああああああ~~~~~~!!!」



 誰もシスターに気づかず、ぐしゃぐしゃ踏まれていた。自業自得だな。

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