解体をしてもらおう
冒険者登録を済ませ、ギルドカードを受け取りやって来ました素材買い取り受付!
インベントリ見せたら、受付の人が「ちょっとお待ちください!」って走って行ったんだけど、この反応は大物とか珍種を持ってきた時のそれだ。
これは期待出来そうだ、あの猪型の魔物はいくらになるかな?
「お兄さんが倒したんですか?」
「うんまあ、ここに来る時にね」
……何故かメリカちゃんが着いてきて、まだ俺の隣にいるんだが、どしたの?
「お前さんがグレートボアを倒した新入りか、受付の若いのが取り乱してすまんな、俺はこのギルドの解体部門を取り仕切ってるアドニアだ。
すまんがちょっと解体作業場に来てくれ」
ロッズと良い勝負の大男が、人当たりの良さそうな笑顔で言うが、厳つい髭と、傷だらけの顔のせいで逆に怖い。
まあこういう人は本当の意味で良い人だから、懇意にするに越したことはないな。
こちらもスマイルで応えておこう。
「お兄さん凄いね、アドニアさんの事、最初は皆怖がるのに」
「まあほら人間外見が全てじゃないし」
メリカちゃんに言われてなんとなくそれっぽく答えたけど、人間というか、熊とか虎に見えなくもないんだけどこのアドニア氏。
本当に人間種? 獣人族じゃない? 本当に?
まあ尻尾も無いし、耳も普通だし人間なのか。
「コッチの作業台に乗せてくれ」
「分かりました」
言われるまま案内された解体作業場に着いていき、作業台にインベントリから取り出した猪、グレートボアを乗せる。
「頭はどうした頭は」
「あっ、すいません吹き飛ばしました」
「お前さん新人だろ? どうすりゃそうなる」
「拳をこうして」
おっとアドニア氏、俺は嘘ついてないぞ?
パンチしたんだよ? 本当だよ?
「お兄さん凄いね」
メリカちゃんは信じてくれてる、可愛いじゃないか。
「まあインベントリに入ってるってことは、お前さんが倒したのは間違いないんだこの際それは良い。
まあ牙が無いのはイテェな、ちょいと安くなっちまうが、お前さんが倒したコイツはBランクのクエストに依頼があった奴だろ。
報告上げとくから、クエスト受付に行ってくれ」
「分かりました。
ところで買い取り金額ってどれくらいになりますかね?」
「ああ〜、そうだなあ、魔石のデカさにもよるからなあ、明日までには査定終わらせてるから、また明日の今頃来てくれ」
「そうですか、分かりました
……え? 明日?」
「このサイズだからなあ、もうそろそろ日も傾いてくる頃だろう?
直ぐには終わらんよ」
うーわ、野宿確定。
はぁ、小さいのも探すべきだったか。
「ではまた明日」
とりあえず受付に行くかあ。
「あの、お兄さん」
「セツナで良いよ、お嬢ちゃん。
お兄さんって言われると、ちょっとむず痒いや」
「じゃあ私もメリカって呼んでください」
「ああ、分かった」
俺の肩くらいにあるメリカちゃんの頭にポンと手を乗せながら答えて、そして気付く。
これ大丈夫? セクハラじゃない?
あっ、大丈夫そう。
頭を抑えているが顔は真っ赤だ、照れておるわ。
可愛いのう。
孫とかいるとこんな感じだろうか。