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調査クエスト完了

 ダンジョンから出た俺達は、アルタの街、メリカちゃん、いや……メリカの家の前に転移して帰ってきた。

 

 「転移魔法ってホント便利よね」


 「教えようか?」


 「是非教えて欲しいわね、出来れば魔法以外も」


 指輪を渡してから、リリルが随分スキンシップに積極的になった。

 今も手を繋ぎ、俺と腕を組んでいる。

 俺を挟んで反対側にはユイリが腕を組んで街を歩いていた。

 

 なるほど、これが両手に花。

 かつてこんなにも緊張した事があっただろうか。

 照れる。


 「私がここで良かったの?メリカ」


 「うん、良いよ、ユイリさ……ユイリ。

 私は夜に一杯触れるから」


 う〜ん、待って、その言い方は誤解を生むぞ。


 「流石正妻、まさかもうそんな所まで」


 「ひゃ〜、大胆」


 ユイリもリリルも顔を真っ赤にしているが、違うぞ。

 俺はまだ手を出してないからな?

 

 「私達も負けてられないねリリル!」


 「ええそうねユイリ」


 まだ日が高いうちに何を言ってるんだお前たちは。

 後ろをついて来ているメリカに振り返ってみるが、微笑みながら首を傾げてくれた。

 うん、良かった。

 2人がナニの話しをしているかは分かって無いみたいだ。


 しかし思うところがあるのか、ギルドに着くまでの間、メリカは俺のコートの裾を掴んでいた。

 後で撫でくり回そう。


 流石にギルドに入る時は腕を離してもらった。

 単純に狭いからねえ。

 

 「ヴィゼル、調査依頼完了だ。

 森のダンジョン、詳細は――」


 当たり前のようにクエスト受付けに座るヴィゼルに、ダンジョンの詳細、出現する魔物の傾向、そしてボスのリビングメイルの事を報告する為に、別室へと俺達は向かった。

 

 「パーティーは最低4人以上いないと、Bランクでも確実に全滅する、編成次第じゃボス前のスライムで全滅もありえるな」


 「Bランクも気軽に潜れるようなダンジョンでは無い、か。

 分かったよありがとう。

 報酬はこれ。

 ああ、あと魔石の買い取りはどうする?

 査定が終わるのは明日になるけど」


 「頼むよ、ヴィゼル」


 「了解、じゃあソレは今預かるね」


 言われるままに、インベントリ内のスケルトンやゾンビ、グール、そしてリビングメイルの魔石をヴィゼルのインベントリに移し、報酬の硬貨を受け取った俺達は食事処へと向かった。


 「ダンジョン先行調査クエスト、クリアお疲れ様。

 さて、報酬の分配なんだが、4等分で良いかな?」


 皆でクリアしたクエストだからね、均等に分配しないとね。


 「全部セツナ君が持ってて良いんじゃない?

 私達4人恋人なんだし」


 私達4人恋人という文言凄いな。

 地球じゃあ恐らく一生言われない言葉だと思う。 


 「いや、でも個人的に動く事もあるし」


 「私達は今まで貯めていた分があるから、そういうのは良いのよ」


 「そうそう、どちらかと言えばこの後で買いにいく物の方がよっぽど欲しいかなあ、ねえ、メリカ」


 「はい、私もお金より、セツナさんが買ってくれる婚約指輪が欲しいです」


 これは何を言っても、受け取ってくれないやつだ。

 仕方ないか。

 

 「分かった、預かるという事にしておこう。

 必要になったら言ってね。

 じゃあ、軽く何か食べたら一度着替えに帰って、またギルド前に集合しようか」


 

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