アルタの街
街道に出た訳だが、200年経ってるし、道は舗装されてるかと思ったけど……見事な土の道だ。
やっぱり文明の発展には時間掛かりそうだなあ。
ああ、そうだ道すがら自分の姿の確認をしよう。
水魔法で作る水鏡、鏡を持ってなくてもコレなら良く見える。
「金髪はなあ、なんか慣れないんだよなあ」
黒に染めとこう。
う〜ん、流石にハーフエルフ、歴代の自分の顔の中で1番の優男かもしれないなあ、女神様の言う通り、ハーフエルフで普通の顔は無理があったか。
服はシャツとズボンで町民スタイル、特に怪しい格好では……そういえば猪の返り血まみれだ。
生活魔法、洗浄、洗浄。
危うく返り血まみれで街に行くとこだった。
街をグルっと石造りの壁が囲んでいる様式は昔から変わらないなあ。
……門が見えてきた、街に入るのに通行税は必要だろうか、もしそうなら困るなあ。
とりあえず門番に聞いてみるか、比較的軽装の兵士が門番やってるのも昔と同じだなあ。
「すみません、街に入りたいのですが、通行税などは必要でしょうか」
「おや、この街は初めてのようですね、ようこそ冒険者の街アルタへ、通行税はいりません。
どうぞ中へ」
「ご丁寧にありがとうございます。
もう1つお聞きしたいのですが、冒険者ギルドは何処にありますか」
「大通りを真っ直ぐお進み下さい突き当りの建物が、冒険者ギルドアルタ支部になります」
頭を下げて一礼すると兵士さんも敬礼を返してくれた。
兵士の質は国の質を表していると俺は思っている。
礼節を重んじる心地よさ、アルタの街の領主が有能なのか、国のトップが有能なのか。
なんにせよ居心地は良さそうだ。
石畳の道は綺麗に整備されていて、落ちてるゴミも少ない。
マップで街の全景を見るに、区画整理もしっかりされているようで、住宅区、商業区、工業区とちゃんと分かれている。
すれ違う人々の表情も明るいし、露店に並ぶ商品も潤沢。
良い街だ。
「まずはこの街で冒険者デビューだ」
あ、しまった、ギルドの登録に金は掛かるのだろうか。
まあとりあえずギルドに行ってからだな。
「ここか」
大通りの突き当り、看板に冒険者ギルドと書かれている建物に到着。
ギルド内からザワザワと喧騒が聞こえてくる。
懐かしいなあこの感じ。
扉を開き、キョロキョロ辺りを見渡す。
依頼用の掲示板に、飲食用のテーブル、あっちのカウンターで登録かな?
「いらっしゃいませ~、ご依頼ですか? お食事ですか?」
「ああっと、冒険者登録をしに来たんですけど」
ウエイトレスさんが可愛い。
肩出し、へそ出し、ミニスカ。
露出が多くて目のやり場に困る、が、可愛いので良し。
「はい、登録ですね! あちらへお願いします!」
やっぱり予想していたカウンターだった。
軽く手を振ってそっちに行く。
すれ違いざまウエイトレスさんが顔を赤らめていたが何か失礼をしたか。
いや、流石はハーフエルフってことか、気を付けよう。




