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盗賊砦襲撃

 さてさて、山の砦となるとどんな場所に建築するか。

 地形を利用している可能性は大いにある。

 緩やかな斜面を駆け登り、高い木の上から眺めてみるが、うーむ、見えんか。


 気配察知にも引っ掛からんな。

 飛んで探すか?

 いや、監視がいるだろうし、出来れば近付くまでは見つかりたく無いから飛ぶのはやめよう。


 「皆、何か見つけたか?」


 「いえ、こちらはまだ何も」


 「探知魔法にも反応無いわね」


 「こっちも、なんにもなあい」


 念話で聞いてみたが、皆もまだ見つけられない。

 盗賊団に魔法使いがいる可能性があるし、もしかしたら認識阻害されている可能性があるか。


 マップで地形を見て、怪しい場所を虱潰しにしたほうが早いかも知れないな。


 スキルのマップを指でなぞって移動させていくと、山沿いを抉っているような場所を見つけた。

 此処に砦を建てれば後ろは山、攻めるに難く、守るに易い場所だが果たして。


 とりあえず行ってみるか。


 地面に罠が仕掛けられている可能性も考慮して、木の枝から枝へ跳び移りながら移動していくと、大正解。砦を見つけた。

 

 「砦を見つけた、俺の場所が分かるか?」


 メリカ達に念話を送ると、程なくして皆からそれぞれ「分かる」と連絡が入ったのでしばらく待つことにした。

 

 この間に目視で盗賊の数を確認するが、砦の門の前に二人防壁の上に二人と、そこそこいる。

 見つからずに入る事も出来るけど、ここは派手に暴れるとするか。


 「セツナさんお待たせしました」


 「おお、結構しっかりした砦だねえ」


 「盗賊はどうするの?捕縛?殲滅?」


 「人数にもよるけど、報酬狙いじゃないし今回は殲滅かなあ。

 派手に暴れた後にあの夫婦の娘さんを探そう」


 「娘さんを人質に取られないでしょうか」


 「奴らからしたらあの夫婦は死人だ。

 娘さんを取り返しに来たとは思わないだろう。

 俺達の事は賞金目当ての冒険者と思う筈だから、人質は意味が無い、と判断するんじゃないかな」


 「……確かに、そうですね。分かりました派手にいきましょう」


 さて、というわけで、早速仕事に掛かろう。

 まずはメリカとユイリに門の前の二人を始末してもらい、俺とリリルで防壁の上の二人を魔法で始末することにした。


 木の陰から二人同時に飛び出し、一瞬で間合いを詰めるとメリカは大剣での袈裟斬りで一人を一刀両断。

 ユイリはハルバードで盗賊の口を一突きにして悲鳴すら上げる暇なく殺してみせた。


 元来、冒険者は盗賊を嫌う。

 それは何故か。

 単純な話だ基本的に盗賊は悪だからだ。

 冒険者にもガラの悪いのはいる。

 暴力沙汰なんて珍しくもない。

 切った張ったもある。

 しかし、盗まない。

 冒険者の矜持でもある。

 己を鍛えて挑み勝ち取る。その一点において冒険者は皆誇りを持っているのだ。

 しかし盗賊は違う。

 こいつらは弱者から盗み奪い、搾取するだけ。   

 ゴブリンにも劣る馬鹿だ。

 で、あるならば容赦など必要無い。


 何事かと覗き込んだ防壁の上にいた二人の盗賊は俺とリリルが風魔法で形成した刃で斬り落とした。


 「でっかい門だねえ、どうするのセツナ君」


 「蹴破る!御用改めだオラァ!」


 後ろ回し蹴りで門に閂が掛かったまま枠ごと吹き飛ばしてやった。

 吹き飛んだ門は中にいた数名の盗賊を轢き殺す。

 傍から見れば爆弾でも爆発したように見えたかもなあ。


 「な、なんだテメェら!?」


 「お前達を討伐しに来た冒険者」


 「ば、馬鹿がたった4人で俺達がやられるかよ!

 鐘鳴らせ!全員集めろ!!」


 一人の盗賊の声で砦の警鐘が鳴り響いた。

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