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転生冒険者の異世界生活  作者: リズ


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110/207

メリカとデート!

 「流石は師匠。

 同じ技でもこうも威力が違いますか、あいてて」


 「いやあ、シャオの技も中々の威力だったよ。

 魔力の属性変換も効率的に運用出来てたし」


 威力を完全に相殺する事が出来ずに、シャオを軽く弾き飛ばし、技の効果で痺れさせてしまったので、治癒魔法を掛ける。

 とはいえ、目立った外傷もない。

 直ぐに回復するだろう。


 「セツナさん、先程の稲光は一体」


 「音も凄かったね!吃驚して尻尾が丸まっちゃったよ」


 「シャオの技と同じ技をぶつけて相殺しようとして失敗しちゃってねえ。

 魔力制御の甘さが出ちゃたよ」


 離れて模擬戦に移ろうとしていたメリカとユイリが慌てた様子で駆け寄ってきた。

 

 反省しないとなあ。

 もっと鍛えないと。 


 「ところでユイリ、君はまた準備運動で全力疾走したな?」 

 

 「あはー!ごめんなさぁい!」


 家に逃げたわあの娘。

 一度同じことして尻尾モフモフしまくったからなあ。

 よほど嫌だったのだろうか。

 夜なんかは触らせてくれるのになあ。


 「シャオ、立てるか?」


 「はい、もう大丈夫です」


 「よし、今日はここまでにしよう。

 さっきの音でリリルもスミレも起きただろうし、クエストの準備してきなさい」


 「師匠はどうするんですか?」


 「俺はメリカと鍛錬してから街に行くよ」


 メリカとユイリの鍛錬邪魔しちゃったからなあ。

 ユイリは逃げちゃったし、メリカと手合わせしてから一休みして、その後に商業ギルドに行くとしよう。


 その後、メリカとの手合わせ中に4人が家から出てきて先に街へと向かっていった。

 その際にリリルに「今度はもっと静かに起こしてね」とやや怒り気味に言われた。

 すまない。


 ユイリはユイリで「さっきはごめんね」と、駆け寄ってきて言ってきたので「そこまで怒ってないよ」とユイリの頭を撫でてクエストに行く4人を見送った。


 「2人きりになるのは随分久しぶりですね」


 「あ、ああそうだね」


 突然のメリカの言葉に改めて現状を理解する。

 家の中、とくに夜はリリル達が気を使ってくれて2人きりになることはあったが。

 一日中2人きりというのは随分久しい。


 ありがとうリリル。

 メリカとの2人きりのこの時間、有意義に使わせてもらうな。


 この後、俺達の家の直ぐ側にあるメリカの家で久しぶりに2人きり。

 朝からめちゃくちゃ休憩した。


 そして昼頃になってから、俺達2人はようやく街へと向かうのだった。


 「あ、足に力が入りません」


 「掴まっててくれ、俺が支えるから」


 俺の言う通り、メリカは俺の腕にしがみつく様にして腕を組んで歩いた。


 メリカの私服は何時ものフリルワンピースではなく、ブラウスにロングスカートでやや大人っぽいコーディネート。

 こういう格好も可愛いなメリカ。


 「メリカのお爺ちゃんとお婆ちゃんは俺とメリカの事、喜んでくれるかな」


 「大丈夫ですよ、きっと祝福してくれます」


 だと良いなあ。

 メリカの祖父は竜人族だけど人族と結ばれた人だからなあ、異種族の婚姻に関しては穏やかな考えを持っている筈だけど、孫娘だからなあ。

 可愛い孫娘を何処の馬の骨かも分からん俺にくれるだろうか。


 もし反対されても、許してくれるまで土下座でもなんでもやってやる覚悟はあるが。

 出来れば喜んでほしいよなあ。


 会ったこともないメリカの祖父母に何を言われるかと心配しながら街を歩いて商業ギルドを目指す俺達。


 途中で喫茶店でお茶をしたり、服飾店に寄ってメリカの服選びに付き合ったりしていた。


 「セツナさん、この服とこっちの服どっちが私に似合いますか?」


 どっちも。

 だが、そんな答えを彼女は求めていない。


 「右の服は大人っぽさの中にフリルもワンポイントであしらわれていてメリカの可愛さに合いそうだ、一方で左の服は可愛さの中に背中が大胆に空いたセクシーさもある。

 メリカが翼を出したいって言うなら左は理想的。

 だけど俺は、俺には右の服がメリカに似合うと思う」


 「あの、セツナさん、目が、目がちょっと怖いです」

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