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ブランドリア戦記  作者: 夏見静
アレクサンドラ救国篇
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地下水路

地下水路内は、予想通り封鎖されていなかった。


水路には管理組織があり、定期的な補修や警備を行っている。

そのため水路の両脇に点検歩廊があり、一定間隔で油式のランプが備え付けられている。

ちなみにこのランプは、水道の中央管理室で給油すると、管を伝わり油が行き渡り、

全てのランプが常に燈っているという優れものだ。


一行は皇都の南側に出るように水路を進んだ。

ラインハルトは、アレクサンドラが遅れないように注意しながら先頭に進む。

1時間程進み、水路の出口に到達すると、水中を含め出口全体を頑丈な鉄柵が3重に塞いでいた。

人が通り抜けられるような隙間はない。


「これは、、、出られないのではありませんか?」アレクサンドラが不安そうに口を開く。


「大丈夫です。殿下こちらに。」ラインハルトはそう言うと、鉄柵の手前の壁にある

小さめの鉄製の扉を押し開く。

ラインハルトが全力で押している様子から、かなり重い扉の様だった。

開くた奥には通路が見えた。

水路管理者用の出入り口だ。


「この扉は中からは開きますが、外からは開きません。普通は一度出ると戻れなくなるのでご注意ください。」


ラインハルトは、開いた扉と床の隙間に、腰から抜いた投げナイフを差し込む。

扉は少し閉まりかけたが、開いたままとなった。

どうやら開けっ放しにして、通路に閉じ込められるのを防ぐつもりらしい。


緩やかな斜面になった通路を進み、途中もう一枚あった同じような扉も同じような処置をして、

最後の扉を開くと、取水口から少し離れた外に出た。


外に、出ると、5人ほどの下級兵士がたむろしていた。

手に、突撃銃を持っている。軽火器兵装部隊の兵らしかった。

彼らはこちらに気付くと、銃口を向けた。


「あー、なんだ。お前ら?」

「町中から逃げてきたな!貴族か?」

「ほんとに、来たな!これは手柄首だぞ!」

「おぃ、貴族の娘じゃねーか?小娘だがすげー上玉だ!こりゃ、運がいい。」

アレクサンドラを見て、下卑た笑いを浮かべるものもいた。


「そこの護衛、おとなしく武器を捨てて、その娘を渡しなっ!。」

怒鳴りながら、銃の狙いをつける。


ラインハルトとデュディアーヌは、アレクサンドラを背に、剣を抜く。

ちなみにラインハルトは剣ではなく、刀をつかう。修めた流派の特徴らしい。


「士長、ここはおまかせを。」

そう言うな否やラインハルトの姿が消えた。いや、消えたように錯覚した。

ラインハルトは迅速の踏み込みで、5m程の距離を一気に詰めて一人目の首を飛ばした、

返す刃で二人目を、次の踏み込みで、3m程離れた三人目の喉を切り裂き、

さらに刀を切り返しながら、一気に4人目、5人目の首を落とした。

その間は5秒にも満たないはずだ。構えた小銃の引き金を引く時間すら与えない。

どうやったかわからないが返り血も全く浴びていない。

息も全く乱れていない。鬼神の技だった。


「さぁ、参りましょう」 

刀を納めたラインハルトは何事もなかったかのように言い、

呆然としているアレクサンドラの手を取った。


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