神の最後
二機は、遺跡の石柱跡に降り立った。石柱跡には縦穴がぽっかり空いている。その奥は暗くて見えない。
マリーローズは、ヤキーンとの無線回線を開いた。
「ヤキーン将軍、いまから遺跡を完全破壊する。2分以内に退去すれば命の保証はする。」
すこし間をおいて、ヤキーンから応答があった。
「マリー、お見事だったよ。完全に私の敗北だ。君たちが出入口を破壊したために外に出るのに時間がかかりそうだ。少し待ってくれないか?」
「だめだ、今から2分後に攻撃を開始する。死にたくなければ急げ。」
2分経った。
「ジークフリート、お前はこのまま待機して外を監視してくれ。私が中に突入し、できれば人工知能とやらを回収する。だめなら即破壊だ。」
「了解しました。施設内にも警備装置があると思われます。注意してください。」
そこへ、ヤキーン将軍が石柱跡の穴をつたい這い出てきた。
「ヤキーン将軍、これからこの施設を破壊する。速やかにこの場を離れろ。そして国王に「神の雷」の最後を伝えるといい。今後の外交戦略も充分検討することだな。」
「マリー、最後に君の本名を教えてくれないかな?」
「マリーだ。それ以外に名はない。さらばだ、行け!」
「ふっ、徹底しているな。じゃあね。」
ヤキーンは、王都にむけ歩き始めた。
マリーローズは、ヤキーンが離れたのを見届けると、飛行兵で縦穴に侵入した。ギリギリ通れるサイズだ。
降り立つと、金属の壁の通路が続いている。その先に同じく金属の扉があった。
その扉に向けて、雷撃砲を放つ。
穿たれた穴の向こうには部屋らしきものが見えた。
マリーローズは穴の向こうに向けて進む。途中、対人程度の威力の雷撃で攻撃されたが、飛行兵の装甲を少し溶かした程度で、マリーローズの反撃に会い沈黙した。
穴の向こうは大きな部屋で、奥の壁には大きなスクリーンがあり、エウロットからエトリカ近辺の地図らしきものが映しだされていた。
手前に小さなスクリーンのついた飛行兵の操縦席のようなものが並んでいる。
周囲を確認するが、飛行兵で回収できるようなものはなかった。
見た目で人工知能だと思われるようなものない。
「降りて調べるのは危険だな。戦闘補助装置に聞いてみるか。。」
などと思案していると、その戦闘補助装置から警告が入る。
<Et confirmatus est activation de detonator.>(起爆装置の起動を確認しました)
「Quid est detonator?」(起爆装置?なんだそれは。)
<Quod praedico in animo ut succendam in hoc area.>(このエリアを爆破する意図と予測する)
「!」
マリーローズは上に向け最大出力で雷撃を発射した。その時、閃光とともに遺跡は炎に包まれた。




